
ヨーロッパや北米から次々と日本に初上陸するレストランやカフェが増えるなかで、昭和や大正時代の雰囲気や味を味わえる、昔ながらの喫茶店やカフェがまだまだ日本に数多くあります。
今回は天下の台所と言われている大阪に注目し、過去にタイムスリップしたかのような体験を味わせてくれるお店をご紹介します。
それでは、タイムスリップする準備はできましたか?
まずは昭和時代へと参りましょう。
〜昭和時代〜
目次
「純喫茶アメリカン」昭和21年(1946〜)建築/道頓堀
現在の経営者のおじいさまが1946年に「花月」としてお店を千日前商店街にオープンし、数年後に店の名前を「純喫茶アメリカン」に変えました。
大正〜昭和初期の時代には、世の中に様々な喫茶店がありました。
コーヒー以外にもお酒類を出していた“音楽喫茶”や“歌声喫茶”に対して、純喫茶アメリカンはお酒を販売しない“純な喫茶店”として生まれました。
店内はモダンな雰囲気になっており、階段のそばにある大きな彫刻レリーフや天井にかけられたシャンデリアからは昭和時代当時の香りがしてきます。
また、建物や内観だけではなく、テーブルに出されるナプキンやお持ち帰り用のパッケージも昔と変わらずシンプルなデザインになっています。
デザートには、人気メニューのふわふわのホットケーキはいかがですか?
自家焙煎のコーヒーとともにどうぞ。
住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1丁目7、中央区道頓堀1丁目7−4
「マヅラ喫茶店」昭和45年(1970〜)建築/梅田
店内の鏡張りの壁で奥行きのある空間を演出され、照明やオブジェで1950年代の香りがしてくるようなノスタルジックな内観があなたをお迎えします。
台湾出身のオーナーは大阪万博が1970年に開催されることを機に建てられた大阪の駅前ビルにお店を開業しました。
“マヅラ”とは、オーナーが若い時に訪れたインドネシア・マドゥラ島で知り合った少女の名前とのこと。
「僕がお店を開いたら君の名前をつけるよ」なんて、昔ながらの男性のロマンが感じ取れるエピソードですね。
コーヒーは昔と変わらず、一杯で250円というお得なプライスで提供しているお財布に優しいマヅラ喫茶店。
全席喫煙可ということで、肩身の狭かったスモーカーたちにとってはオアシスのような喫茶店でもあります。
出典:マヅラ喫茶店(食べログ)
住所:大阪府大阪市北区梅田1丁目3−1、大阪駅前第1ビル
〜大正時代〜
「ゼー六」大正2年(1913〜)建築/本町
現在の経営者のおじいさまが大阪市中央区本町にてゼー六を創業しました。
当時は和菓子を中心に製造販売していましたが、のちにアイスクリンやケーキなどの洋菓子も登場しました。
ケーキの製造販売の開始とともに喫茶店もスタートし、2013年で創業100年を迎えました。
お店の中はおばあちゃんのお家にいるかのような懐かしい香りと居心地です。
店名である「ゼー六」には由来があり、以下の通りです。(※以下、ホームページより抜粋)
“幕末の大阪は自由闊達な気風に満ちていたといわれ、次のような言葉が残っています。
「商人には無用の贅物六つあり。いわく禄、閥、引、学、太刀、身分。これなり」これは商人の町・浪速の自由な気風、そしてそこに息づいている実力主義を表した言葉で、“ゼー六”はこの「贅六」からとったもの。(中略)”
アイスもなかのお値段は130円とお得です。
昔からずっと地元の人に愛されているアイスもなかを皆さんも食べてみませんか?
味はバニラ、抹茶、ココア、ストロベリー、小豆があります。
出典:ゼー六(食べログ)
住所:大阪府大阪市、中央区本町1丁目3-22
〜明治時代〜
「北浜レトロビルヂング」ー明治45年(1912〜)建築/北浜
大阪開港とともに、諸外国に開かれた国際都市となった大阪市は、現在の中之島駅・阿波座駅周辺に旧川口居留地ができました。
そのため、外国人向けの服装店や喫茶店など多くのオシャレな建物が街に並びました。
西洋文化が大阪に広がり始め、北浜レトロビルディングもその一つです。
当時は株仲買商の商館として建てられましたが、戦後は廃ビルになったところを現オーナーによってリノベーションされ、純英国式ティールームに生まれ変わりました。国の登録有形文化財にもなっており、明治時代から続く歴史のある建築物です。
本場イギリスと同じを空間を演出するために、店内に飾られている絵画や小物、またテーブルに出されるティーセットなど、全てイギリスから輸入しているとのこと。
人気メニューは「アフターヌーンセット」!
ケーキ、スコーン、フィンガーサンドイッチと紅茶のセットになっており、贅沢なティータイムを味わうことができます。
出典:北浜レトロ(食べログ)
住所:大阪府大阪市、中央区北浜1丁目1−26
以上、過去にタイムスリップした気分になれるレトロカフェ&喫茶店を紹介させていただきました。
なかにはリノベーションを行ったお店もありましたが、どの建物にも長い歴史があり、昔と変わらない空間を維持しています。
皆さんもぜひ大阪を訪れた際に、他では味わえない“昔の一時”を素敵なカフェや喫茶店で体験してみませんか?