2015年2月に日本上陸して話題となった、コーヒー界のAppleとも言われる「ブルーボトルコーヒー」(東京都江東区平野)に代表される「サードウェーブコーヒー」。

ブルーボトルのみならず、2015年9月1日に栃木県大田原市にオープンしたサンフランシスコ発の人気コーヒーショップ「サニーズコーヒー feat.FourBarrel」でも提供されています。

suuny'scoffee

http://www.asoview.com/article/area/are0080600/3702/

一度は、この「サードウェーブコーヒー」もしくは「コーヒーの第3の波」という言葉を聞いたことがあるのではないだろうか。

しかし、その意味を知っている人はいったいどれほどいるのだろう?

コーヒーの波の前に、世間の波に取り残されないように「サードウェーブコーヒー」とはいったいどのようなものなのかチェックしておこう!

wave

http://jetpa.cocolog-nifty.com/jetpa/2010/05/post-ab82.html

これまでにも“波”は2回あった

「サードウェーブ」とはつまり「第3の波」のことです。
つまり、「第1の波」と「第2の波」が過去に存在していたということを意味しています。

「第1の波」は「ファーストウェーブ」と呼ばれ、19世紀後半から1960年代ごろまで続いたコーヒーの大量生産・大量消費の時期のことです。
この時代にコーヒーが一般大衆にも親しまれるようになり、家庭に広く普及していきました。

coffee-house

この当時のコーヒーは、いわゆる“アメリカンコーヒー”が主で、浅煎りの豆を粗挽きして煮出した酸味の強いものでした。

そして、その後「第2の波」、つまり「セカンドウェーブ」が到来します。
「セカンドウェーブ」は1960年代頃からはじまり、提供されるコーヒーはエスプレッソをベースにアレンジを施した”シアトル系コーヒー”が主でした。

例えば、スターバックスコーヒーはシアトル系コーヒーの代表格で、創業も1971年とセカンドウェーブの真っ只中です。

starbucks

http://www.mai-b.co.jp/restrant/1f/post-6.html

スターバックスの功績もあり、ロゴ付きの紙コップを片手に街を歩くことがクールだと言われ、ファッションの一部としてコーヒーが認知され始めたのもこの時期です。

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http://vi.sualize.us/tumblr_l4snng32ia1qzjggvo1_500_large_starbucks_mac_ipad_miley_cyrus_picture_eghj.html

さて、日本ではまだまだ、スターバックス、タリーズなどのセカンドウェーブコーヒーが主流でサードウェーブコーヒーという言葉が出はじめたのは今年になってからですが、アメリカでは1990年頃から「第3の波」は始まっています。

こだわり抜いた「第3の波」

1990年代に始まった「サードウェーブコーヒー」とは、高品質なコーヒーを求める消費者に応えるために生まれたと言われています。

また、消費者のみならず生産者に対しての配慮も考えられており、コーヒー豆の生産から消費まで全てを考慮しているコーヒーで、特徴としては、ハンドドリップで一杯ずつ丁寧に淹れることと、「シングルオリジン」であることです。

bluebottle_hand

http://banq.jp/19734

「シングルオリジン」とは、ブレンドしてない単一の豆を使用しているということです。

セカンドウェーブまでは、複数の農園の豆をブレンドして提供していましたが、サードウェーブでは特定の農園の特定の豆だけを使用して、その豆に適した方法でコーヒーを淹れます。

ワインに使用されるブドウは栽培された土地の風土や気候に味がとても左右されるので、どこの農園で採れたブドウかということはとても重要です。

Wine bottles, two glasses and grapes in basket

http://www.roomie.jp/2012/10/28490/

それと同じように、コーヒーも同じ品種であっても栽培された土地の風土や気候に、香りや味が左右されます。
そのため、適した淹れ方もおのずと豆によって変わってくるのです。

つまり、「サードウェーブコーヒー」とは生産から消費までをこだわり、一杯一杯を丁寧に淹れ、豆の本来の香りや味を楽しむことのできるコーヒーであるということです。

先ほども書きましたが、日本ではまだまだ「サードウェーブコーヒー」は浸透していません。

しかし、日本での「第3の波」は始まったばかりです。
「サードウェーブコーヒー」は時代のニーズに合ったコーヒーなので「サードウェーブコーヒー」が当たり前になる時代はそう遠くないでしょう。