ずらっと3段に並べられた日本酒とSAKE COMPETITIONの写真

昨今、世界的にも注目を集める日本酒ですが、「日本酒は分かりにくい」というイメージを持たれるかたもいるかもしれません。日本酒を飲みたいけれど何を飲んでよいかわからない。そんな時に参考になるのが「SAKE COMPETITION」の受賞酒です。
大会やコンペティション向けに作られた日本酒ではなく、実際に一般流通している日本酒のみが審査対象となるのが「SAKE COMPETITION」。例年1位を受賞した日本酒はすぐに売り切れてしまう…そんな噂があるほど注目されるこのコンペティションは今年で7回目の開催。
今回は日本国内外から過去最多の1772点の出品があり、全8部門で審査されました。
今年の受賞酒と6月11日の表彰式の様子をお伝えします!

ますます注目される「SAKE COMPETITION」

7回目となる今年は、全国454蔵と海外産日本酒(海外出品酒数:17点)から、昨年を超える1772点が出品されました。
5月にブライドティスティングによる予審会・決審会が実施され、全8部門(「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「吟醸部門」「Super Premium部門」に加え、昨年新設された「ラべルデザイン部門」「スパークリング部門」)の上位受賞蔵が決定されました。

注目の「SAKE COMPETITION 2018」受賞酒はこちらを確認ください。

8本の2018年の受賞種の写真

2018年の受賞酒。モダン・エレガント・フレッシュ系のお酒が高評価(画像提供:「SAKE COMPETITION」実行委員会)

今回新たに日本航空、リーデルが協賛となり、JAL賞として日本航空国際線ビジネスクラスで提供される特典やリーデルの特製トロフィーが贈呈されるなど、副賞も豪華に。

ますます注目される「SAKE COMPETITION」について、主催者の1人で審査員もつとめる、株式会社はせがわ酒店の長谷川浩一さんにお話を伺いました。

「1年かけて一所懸命に作ったお酒ですから、しっかり評価してあげたいと思っています。日本酒はその年で味が変わります。審査はブライドティスティングなので、結果をみたら、あの『十四代』がベスト10に入っていなかったり、同じ蔵から2品入賞という驚きもあります。それが面白さでもありますね」

株式会社はせがわ酒店の長谷川浩一さんの写真

株式会社はせがわ酒店の長谷川浩一さん。「はせがわ酒店賞」を受賞した蔵元には、高級ディナーと宿泊券が贈られる(ライター撮影)

表彰式後の授賞パーティーでは、8部門とは別に「はせがわ酒店賞」が2蔵選ばれるそうです。

また、今年から新設された「海外出品酒部門」は、お酒の出来栄えは国産酒に及びませんが、主催側には海外で奮闘する蔵元を後押ししたい想いがあるそうです。

授賞式は1年間の頑張りが評価される瞬間

表彰式では、実行委員を務める中田英寿氏や、マルチな活躍を見せるいとうせいこう氏、女優の祥子氏、アーティストのACIDMAN大木伸夫氏、デザイナーの森田恭通氏などがゲストプレゼンターとして各部門上位3位に輝いた蔵元を表彰しました。

各部門1位の蔵元とゲストスピーカーの方々の集合写真

各部門1位の蔵元とゲストスピーカーのみなさん(画像提供:「SAKE COMPETITION」実行委員会)

審査結果は事前に知らされていないそうです!
そのため、授賞式で名前を呼ばれてステージに上がった受賞者の中には、コメントを求められても感極まって言葉が出てこない方もいました。

会場で各部門で1位を授賞された蔵元の皆さんにコメントをいただきました。

◎「スパークリング部門」

南部美人 あわさけ スパークリング(株式会社南部美人)

「昨年も受賞させていただきました。昨年は(授賞式当日に)ニューヨーク行きの飛行機に乗っていたため、弟が授賞式に出席。私は(出席できず)少し残念な思いをしましたが、まさか今年もいたただけるとは思っておらず…直接(トロフィーを)受けとることかができ、本当にうれしく思います。この受賞によって、このスパークリングが世界に通用することがわかったので、より一層の努力を積み重ねていきます。世界を目指して!」

◎「純米酒部門」

會津宮泉 純米酒(宮泉銘醸株式会社)

「とにかく嬉しいです。ありがとうございました。福島県には、年齢問わず多くの人が酒造に関わっています。皆で協力し合い、これからも福島のお米でお酒を作り続けていきます。」

◎「純米吟醸部門」

作 恵乃智(清水清三郎商店株式会社)

「声が震えてしまうほど嬉しいです。(トロフィーは)割れてしまいそうでこわいです。」

◎「純米大吟醸部門」

南部美人 純米大吟醸(株式会社南部美人)

「本当にビックリしています!まさか純米大吟醸で賞をいただけるとは思っていませんでした。私達の蔵は、いま一生懸命に技術開発・改革に取り組んでいます。それがカタチになってきていることを、杜氏、スタッフに心から感謝します。会社、そして岩手県二戸市を代表して、この賞をいただけたと思っております。一番の難関である純米大吟醸で評価されたことが、本当に嬉しいです。」

各部門の受賞酒の写真

各部門ごとの受賞酒(画像提供:「SAKE COMPETITION」実行委員会)

◎「吟醸部門」

極聖 大吟醸(宮下酒造株式会社)

「このような素晴らしい賞をいただいて、本当にびっくりしております。杜氏含めみんなで頑張って造った酒なので、このような素晴らしい賞をいただけて本当に感謝しております。」

◎「Super Premium部門」

醸(株式会社せんきん)

「うちみたいな変なお酒を造っているところが、このような賞をいただいていいものかわかりませんが、まだお酒造りが続いておりますので、いの一番で苦楽を共にしているうちのスタッフ達に喜びを報告したいと思います。 」

一緒に酒造りをしている仲間と受賞の喜びを分け合いたいという想いが伝わってきますね!

授賞式後には、昨年から新設された「ラベルデザイン部門」と今年から新設された「海外出品酒部門」2部門の受賞者の声もお聞きしました。

◎「ラベルデザイン部門」(2017年新設)

1位受賞の富久錦株式会社

「ラベルにデザインされているのは弊社のマークです。酸味がある酒で、洋食と合わせて飲まれる機会も増えてきているため、白いお皿のテーブルにも馴染むよう白地にしています。受賞した『新緑の播磨路』は播州平野の初夏の爽やかさをデザインしています。ラベルは大事だと思います。美味しいだけではダメで、なぜこのお酒を作っているか、蔵の想いをデザインで表現するようにしています。」

富久錦株式会社の男性が酒瓶を持っている写真

昨年は別の日本酒で5位を受賞。今年は1位を受賞することができた富久錦株式会社(ライター撮影)

◎「海外出品酒部門」(2018年新設)

1位受賞のArizona Sake LLCは「Junmai Ginjo Nama」で受賞となりました。

「今まで支えてくれた人たち…そして米国アリゾナの住民の皆さまに応援していただいてお酒を造ることができているので、感謝の気持ちでいっぱいです。日本は新規酒造免許を獲得するのが難しく、日本で新たに酒造りをしようとしても無理なのです。海外で酒造りをしたいという想いもあったので、3年前に渡米して設備作りからはじめ、1年半前に連邦政府の許可と州のライセンスを取得することができました。環境に合う蔵から手作りしなくてはいけないので、大変でしたね。」

Arizona Sake LLCの男性が酒瓶を持っている写真

目指しているのは「飲んで幸せになる酒」です!とArizona Sake LLC(ライター撮影)

消費者にとっては、飲むべき日本酒を知ることができるコンペティションであり、造り手にとっては自分の取り組みが評価される場となっている「SAKE COMPETITION」。授賞式では、受賞酒が発表される度に歓声があがり、受賞者に1年の労をねぎらうべく惜しみない拍手がおくられました。全国から集まった蔵元同士の交流もあり、とても華やかな会でした。
来年もどんな日本酒が評価されるのか、蔵元のどんな取り組みが脚光を浴びるのか、今からとても楽しみです!

イベント名 「SAKE COMPETITION 2018」