飲食店を経営する方にとって人件費を左右する「最低賃金」について、厚生労働省より発表がありました。2014年度の最低賃金は、全国平均で時給780円となり、前年度より16円上昇しています。

地域別最低賃金※引用:厚生労働省HP

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最低賃金の上昇が飲食店の経営に与える影響について

最低賃金の上昇が経営面に与える影響について、次のようなものが考えられます。

(1)企業の利潤低下
最低賃金の引き上げは、企業にとって生産コスト増加につながる。しかし、そのコスト増加分すべてを製品価格の値上げで補うことは、需要低下や同業他社との競争力低下を招く恐れがあり、難しい。(中略)
また、人件費削減について雇用量の調整で柔軟に対応することも、法規制等労働者保護の観点から難しい。したがって、企業は最低賃金引き上げによる生産コスト増を価格上昇や雇用調整のみで補えず、利潤が低下する。

(2)労働生産性は対応策しだいで上昇・低下
(中略)また平成19年アンケート調査でも、最低賃金の引き上げで人件費総額が増えた場合にも、人材育成等の労働者の生産性上昇につながる対応をとった企業では、経常利益の減少を抑えたところも存在するという結果となっている。したがって、最低賃金引き上げによる労働生産性の変化は、対応策しだいの面が大きい。

※引用:一般社団法人中小企業診断協会「もしも最低賃金が1,000円に上がったら?」

つまり、人件費は上がるが、簡単に値段を上げるわけにはいかない。かといって、アルバイトやパートスタッフのシフトを雇用側の一方的な都合で減らすことは、法律的にNG。したがって、利益を圧迫することに。しかし、スタッフ一人ひとりの生産性を上げる取り組みをすることで、利益減少を抑えることは不可能ではないということです。

2014年度の最低賃金の適用は、10月分の給与から

最低賃金は毎年8月頃から発表され、10月から適用されます。賃金制度の見直しや就業規則の改定など、計画的な対応が必要です。今回の最低賃金上昇には、賃上げで消費を増やす政府の狙いもあるようです。飲食店にとっては、客足を伸ばすチャンスとなる可能性も秘めています。
(記事作成:大住)

参考サイト
厚生労働省・中小企業庁「中小企業・小規模事業者への支援施策紹介マニュアル」
浅山社会保険労務士事務所