こんにちは。クックビズ総研編集部の杉谷です。
ブックオフの創業者・坂本孝さんといえば、飲食業界では知らない人はいないであろう、俺の株式会社の創始者。
今回は、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など、俺のシリーズの強さのヒミツについて、検証してみます。
知っている方にはおさらい的に、ご存知ない方には、ぜひ今後の参考に!
その1 誰もやらないことを思いつけ!
東京・新橋に「俺のイタリアン」がOPENしたのは2011年。たったの2年で、総店舗数は22店舗。
“誰もが旨いと思う料理を低価格で”
当たり前ながら、いずれの経営者もぶち当たるこの難題に、「俺の~」は、高級イタリアンを原価率60%超えも難なくクリアする“立ち飲み”というスタイルで、驚異的な回転率をたたき出し成功しました。
いずれの店も15~20坪程度で、1日3回転以上。高級店で腕を慣らしてきたシェフによる高級食材を惜しげもなく使ったメニューを高級店の価格の2分の1以下で提供し、月商1200万~1900万円という繁盛店ぞろいです。
お財布の中身が気になる若い世代を中心に、ビジネスマンや女性客も取り込み、一躍人気店へ。またドミナント戦略により、同じエリアに何店舗も集中して出店(銀座で8店)し、自社内競争で切磋琢磨させるという戦略もまた話題になりました。
- 狭小
- 立ち飲み
- 出店エリア集中
と、およそくつろぎ感からは程遠いワードながらも、この誰も思いつかない逆転の発想で“一点突破”(“誰もが旨いと思う料理を低価格で”)。カッコイイ限りですね。
その2 成功パターンを自ら裏切る大胆さ
そんな「俺の~」が今秋、心機一転、青山にBIG店舗「俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA」をOPEN!これまでの狭小店舗とはうって変わり、
- 広さ66坪
- 客席数約130席
オープン当日には100人の行列をあっという間に飲み込み、これまたサクサクと来店客を回転させたのだとか。
1日の平均客単価は、
- 平日4250円
- 土日祝3740円
平日は、「俺の~」の常連さんが、土日祝は地元民+全国からの観光客が訪れています。
小規模店舗から大規模店舗へと。これまでの成功パターンをあっさりと踏み倒して、フレキシブルに対応できる大胆さが、第2の強さのヒミツといえそうです。
その3 客を待たせない環境づくり
「俺のイタリアン・フレンチ」の特徴の一つが立ち飲み。
立ち飲みは、ガヤガヤとした騒々しさも、ワクワク感をかきたてる要素の1つ。オーダーしてパパッと料理が出てこないと、立つ時間が増えるばかりで、会話も盛り上がりませんよね。
立ち飲みには、料理を提供するスピード感も大事ということのよう。その点においても、初のBIG店となる「俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA」は、大量調理の環境を徹底して整備し、キッチンの処理能力をハード面からパワーアップ。
年商7億5000万円の見込みに対して、2億5000万円の予算を投じ、より進化した店舗を生み出しました。
「俺のフレンチ・イタリアンAOYAMA」キッチン設備
- 真空包装機装備
- 最新型のコンベクションオーブン2台
- 急速冷却機
- 部屋型冷蔵庫
仕込みを終えたものを大量に保存しておくべき部屋型冷蔵庫があれば、、大量仕入れ・調理が可能。
また、ディシャップカウンターは5ヶ所に分散。次々に料理が運ばれて行く様子は圧巻です。
東京以外では、大阪、福岡にも出店ズミで、今後も出店計画が進行中とか…!!2014年は、海外店舗第一弾となる「俺の割烹NEW YORK」も出店予定。これからも「俺の~」の動向に注目です!
【「俺の~」シリーズの出店計画】
2014年2月26日OPEN予定
●俺のフレンチ・イタリアンAKASAKAMITSUKE(東京港区)
2014年3月下旬OPEN予定
●俺のフレンチ・イタリアンOOMORI(東京大田区)
2014年11月OPEN予定
●俺のフレンチ・イタリアンGINZA1CHOME(東京都中央区)
●俺の割烹NEW YORK(米国・ニューヨーク)
2014年初頭
●俺の中華(仮称)
●俺の日本蕎麦・天麸羅(仮称)
(記事:杉谷)