クリスマスが終わったかと思えば、新年を迎える準備が始まりますね。

日本では昔から大晦日に縁起を担いで年越しそばを食べて新年を迎える人が多いなかで、世界ではどのような年越しを過ごしているのでしょうか?

今回は世界のいろんな国で行われている年越しの欠かせないフードを紹介します。

12回の鐘に合わせてぶどうを食べる/スペイン

1909年以降、スペインでは大晦日の夜中に鳴り響く12回の鐘の音に合わせて、12粒のぶどうが食べる習慣が根付きました。
元々はフランスの影響だと言われていますが、ぶどうが盛んなスペインだったからこそ生き残った習慣だと考えられます。

ちなみに“12”という数字は1年の12ヶ月を表しており、新年もいい一年になるように願いがかけられています。

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スペイン全国に生中継されるマドリードにあるプエルタ・デル・ソルの時計の鐘の音に合わせてぶどう粒を口にします。
様々な説があるなかで、1909年にスペインの南東部にあるアリカンテやムルシア州では予想を上回るぶどうの収穫があり、それらを近隣に配ったり低価格で販売されたことによって大晦日にぶどう食べる習慣がさらに根付いたと言われています。

年越し専用に12粒のぶどうが入った缶詰やパックが販売されます。

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出典:Saber es pratico

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出典:todaunaamalgama

参照:http://www.muyhistoria.es/curiosidades/preguntas-respuestas/ipor-que-tomamos-doce-uvas-en-nochevieja

レンズ豆料理を食べて“お金持ち”に/ブラジル

ブラジルではレンズ豆は富と繁栄を招く縁起物とされており、大晦日には料理に取り入れることが多いのです。ブラジルでよく作られるのが米とレンズ豆にスープです。食べた分だけ金持ちになれるという考えなんだとか。地域によってはレンズ豆のおかずに金貨を入れて、それがあたった人が新年は経済的に良くなるという言い伝えなんていうものもあるそうです。

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出典:Beevoz

また料理だけではなく、他の南米国ではこのレンズ豆をカバンや衣類のポケットに入れることによって「富」をもっと手に入れられると伝えられています。

参照:http://www.abc.es/viajar-top/20121231/abci-tradiciones-201212231139_3.html

オレンジ入り「ピニャータ」を叩いて悪魔祓い/メキシコ

「ピニャータ」とは、キャラクターや動物などの形をした立体的な紙製の“人形”です。
中に物が詰めるようになっており、南米ではよく中におもちゃやお菓子を入れて子供の誕生日パーティーで使われることが多いです。

どういう風に遊ぶかと言いますと、この人形を天井に飾り、中身が足元に落ちてくるようにプラスチック製のバットでたたくだけです。

大晦日バージョンでは、七つの角をが付いたピニャータが使われます。
そして中身も決まっており、オレンジ・みかん・サトウキビ・はちみつなどが入ってます。

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出典:CNN México

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出典:Mundomax

このとんがったピニャータは「悪魔」を表しています。

これを叩くことによって悪魔祓いが行われ、中から落ちてくるオレンジやみかんは「神の恵」を表しており、恵みのある一年を迎えることができるようにという想いが込められれています。

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出典:Ahora sé

参照:http://diariodealfredo.blogspot.jp/2011/12/el-origen-de-la-pinata-su-historia-y-su.html

形が丸いものを食べて“お金持ち”になる/フィリピン

大晦日の夜の食卓には形が丸い食べ物がずらりと並ぶことが多いフィリピン。

金貨の形である丸いものを食べることによって新年はお金に困ることがないという言い伝えなんだそうです。
特に最初から形が丸い果物のメロンやオレンジなどが並ぶのですが、一年の12ヶ月を表すように12種類の丸い食べ物を並べることもあるんだとか。

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ちなみに、料理だけではなく服装にもこだわるのがフィリピン流です。
水玉模様の服を着て(この水玉も金貨を意味しています)家族みんなで一年最後のディナーをします。

以上、世界の年越し“食事情”をお届けしました。

宗教に関連した習慣で悪魔祓いを行ったり、経済的に豊かになるようにお金を意識した言い伝えであったり、国の文化や歴史に特化した年越しの過ごし方が存在します。

ちなみに、スペイン語圏の数カ国では12回の鐘に合わせて何かを食べたりするなかで、108回と鐘を多く叩くのは日本だけからなのか、訪日外国人観光客は不思議に思っていることが多いんだとか。

参照:http://www.cronista.com/infoespecial/–La-Navidad-en-el-mundo-tradiciones-y-curiosidades-20131202-0097.html