“三つ星レストラン”や、“一つ星レストラン”このような言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

これらは、その星の数によってレストランのランクが示されているのですが、いったいこの格付けは誰がどのように行っているのでしょうか?

レストランの格付け本「ミシュランガイド」にて格付けされている数多くのレストランは世界中に点在する約100人の“ミシュラン審査員”によって評価されています。

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(http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0712/28/news009.html)

彼らは公正な評価・審査のためにその素性を明かさず、厳格な守秘義務の元、世界中のレストランを渡り歩いています。
そんな、謎に包まれたミシュラン審査員の秘密を可能な限り公開したいと思います。

まず、ミシュラン審査員になる最低条件は

1.強靭な胃袋を持っていること

2.素性がバレていないこと

3.英語が話せること

です。

1.強靭な胃袋を持っていること

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彼らは、1週間に計12食ものランチとディナーを平らげ、年間240件のレストランを評価します。当然、並大抵の胃袋ではこれらの業務をこなすことはできません。

しかし、それだけ食べていれば太ってくるのでは?
と思う方もいらっしゃるでしょうが、ミシュラン審査員の平均体重は70kgといわれています。

これは、調査・評価するときにカップルに扮して入店することも多い為、あまり太りすぎていると不自然に見えるからという理由だそうです。

2.素性がバレていないこと

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これは当然でしょう。
素性がバレていては特別な扱いを受けてしまい、公平な評価が困難になります。

ミシュラン審査員はその素性を明かしてはいけないというのが絶対ルールのようです。
ただし、ある噂では「家族にすら自分がミシュラン審査員である」と明かしてはいけないというルールが存在する。
と言われていますが、これについてはミシュラン側が否定しています。

「家族に自分がミシュラン審査員であることを明かすのは構わないが、どの店に審査に行くのかは明かしてはならない」としています。

では、もし、審査中に店側の人に自分がミシュラン審査員だとバレてしまったらどうするのでしょうか?

実際に、カップルに扮して入店し審査しているときに、店側のシェフから「ミシュラン審査員の方ですね」と言われて、正体がバレてしまった方もいるそうです。
この場合は、別の審査員が後日素性を隠して審査をするそうです。

(参考:ミシュランガイドの審査員ってどんな人?こっそり教えてもらいました。 )

また、食事を終え、お勘定をする場合には、店側の理念や料理の方針を聞き取るために自ら名乗り経営者から話を聞くそうです。

3.英語を話せること

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これも当然のスキルといえます。

ミシュランの審査員は100人しかいません。
その人数で、イギリス・イタリア・オランダ・スイス等のヨーロッパ地域、シカゴ・ラスベガスなどの都市、その他13の国や地域で発行されています。

英語が母語や第二言語になっている国がほとんどですので英語ができないと仕事にならないのはいうまでもないでしょう。

4.小話

ミシュラン審査員は年のほとんど担当地域の審査に費やしています。
そのため、平均で年間130件のホテルに滞在しています。

レストランの代金も含めて、宿泊費はどうしているのでしょうか?
ちなみに、フランスでは慣習として「料理評論家は評価対象のレストランでの食事には代金を支払わない」といものがありますが、ミシュランはそれに従ってはいません。

実はこれらは経費としてミシュラン本部が支払っています。
つまり、130件のホテル代、週に12食、計240件のレストランのランチ、ディナー代は全て審査員自身は支払っていません。

うらやましい気もしますが、その代償(?)として、年間1100以上のレポートを提出し、かつ体重・体型も維持しています。

もちろん、れっきとした仕事ですので給与というものも支払われます。
額は、公開されていませんが、平均的なサラリーマンと同じくらいと言われています。

以上がミシュラン審査員の実態です。

最低条件だけで判断すると、審査員になるのはそれほど難しくないように思えますが、ミシュラン審査員は一見さんお断りのお店に入れたり、予約で埋まっていても予約が取れたりと、素性を隠していてもそれなりに業界に顔が通っている方が多いようです。

やはり、守秘義務を徹底しているミシュランだけあって、まだまだ秘密は多そうです。

最後に

この、ミシュランガイドを始めたことでも有名な、フランスの大手タイヤメーカー「ミシュラン」の元経営者で創業者の孫にあたる、フランソワ・ミシュラン氏が88歳で死去したとミシュランが発表しました。

彼の功績に敬意を込めまして、心からお悔やみ申し上げます。