「うなぎ四代目菊川」神戸三宮店外観

大阪梅田から電車で約30分弱。北に六甲の山々が迫り、南に青い海が広がる神戸。早くから国際貿易港として栄えた歴史的背景を受けて、その食文化は多種多様。洋食、洋菓子、ベーカリーにはじまり、神戸ビーフや中華のほか、日本で最初に建てられたモスクなどもあり、ハラル料理を扱うレストランやインド料理と、神戸には「食」で世界を一周してしまえるスケールの大きさがあります。

そんな神戸に、2024年4月26日『うなぎ四代目菊川』がオープン。多様な食文化が息づく神戸でどんな店づくりをしていくのか、クックビズ総研 編集部が実際に訪れ、店長の大村直矢さんにお話をお伺いしました。
(取材:2024年4月16日)

店長の大村直矢さん(左)、スタッフで教育担当の池田亮平さん(右)

店長の大村直矢さん(左)、スタッフで教育担当の池田亮平さん(右)

『うなぎ四代目菊川』に来たら必ず頼みたい。それが名物「一本うなぎ」

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店があるのは、各線三宮駅からフラワーロードを北に徒歩5分ほど。さらに北に坂道を上がれば北野坂にも近い、そんな場所にあります。
世界に鰻を食す国は数多くありますが、開いて骨を取り、串を打って焼き上げる、いわゆる「蒲焼」スタイルは日本独自の料理法だそう。

うなぎをタレにつけている様子

創業以来ずっと守り続けてきた「秘伝のたれ」。脂のノリがよい鰻に合わせてあっさりとしたたれに仕上げています。

『うなぎ四代目菊川』のはじまりは昭和7年。愛知の鰻の卸問屋からスタート。90年余続く卸問屋のグループだからこそ成せる味わいが魅力で、凝縮した旨味、パリッとした皮、ふわっと肉厚な食感、口にひろがるトロッとした脂の旨さは、まさに鰻を知り尽くしている『うなぎ四代目菊川』ならでは。

それをもっとも感じられるのが同店名物「一本うなぎ」です。まるっと一匹が器に盛られる豪快な料理で、選び抜いた最高の一匹を、そのまま焼き上げて丸ごといただきます。

名物の「一本うなぎ」

名物の「一本うなぎ」

大村店長曰く、
「うな重、うな丼、ひつまぶし、数々の鰻料理がありますが、通常は切って供されるので、良い部分を選んでお客様にお出しすることが可能です。「一本うなぎ」は一匹丸ごとになりますので、どの1匹を選ぶか、どう捌くのか、どう焼くのか、全てにおいて、目利き力と集中力が必要になってくるんです」。

少しの包丁の入れ方の差で、鰻選びからやり直すこともあるのだとか。

インタビューの様子/店長大村さん

店長の大村さん。これまでも店のオープニングを任されてきたマネジメントのベテラン。「チームで、ゼロから立ち上げるのは楽しいですよ」。

最もおいしい状態になり得る一匹を逆算して鰻を選ぶ

その話をお聞きして、気づいたのがカウンター前の長く大きなガラス窓。鰻の調理の技をありのまま見せて、ライブキッチンとしてお客様が楽しめるようになっています。目の前で捌かれ、焼き上げられ、出来たての「一本うなぎ」が目の前に運ばれてくるワクワク感。すべてを想定した空間づくりも大きな魅力です。

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店内観

各店舗、その都度建築デザイナーを選ぶ。全面のガラス張りは全店共通ではあるものの、紋切り型の同じデザインにはしないという。

桶に入っている鰻

老舗の卸問屋としての目利き力を活かし、ここでしか味わえない、こだわりの鰻を使用しています。

『うなぎ四代目菊川』では、素材の良さはもちろん、活きた鰻を休ませる立場(たてば)、店での管理法、なにより鮮度が命なので、捌き(さばき)の技まで一貫した品質管理を行っています。
何より驚いたのが、味わっていただきたい食感から逆算して、鰻を選ぶということ。皮目を香ばしく焼き上げても身が縮まないように、一般的に使われる鰻よりもひと回り大きいものを使い、強力な火力に負けない脂の乗り具合の鰻を選びます。そのうえで、旨みを殺さない捌きの技と串打ち。そして職人の繊細な目と手で丹念に焼き上げられていくのだそうです。

鰻を捌いている様子

『うなぎ四代目菊川』では実践形式で腕を上げる。研修中は毎日1人平均20~30匹、多い時で60匹もの鰻を捌く。

「串打ちの位置を間違えると、網に皮を持っていかれることもあります。鰻一匹ずつ個体差があるので、「捌き」も「焼き」もそこが難しい。だから「鰻」はどこまで修業しても終わりがないと感じますし、そこが面白さですね」とスタッフの池田さん。

「ぱりっ。ふわっ。とろっ。」その美味しさを最高レベルに保つことは、職人の真摯な心意気にかかっていると感じました。

鰻を焼くスタッフの池田さん

『うなぎ四代目菊川』では「捌き一生、串打ち一生、焼き一生」をテーマに丸ごと一本の美味しさを提供。焼きの工程は特に気が抜けないと語る池田さん。

美味しさ、接客、すべてにおいて、細やかな気づきを大切にできる店にしていきたい

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店は、モダンな和の空間が落ち着く佇まいです。カウンター、テーブル席のほか、座敷、テーブルスタイルの個室、20席ほどの広間もあり多彩なシーンで利用できます。
ビジネスの会合や食事会はもちろん、婚約など両家顔合わせの食事会のシーンなど慶事にも好ましいと感じました。またお手洗いの空間にはおむつ替え台まで用意され、お子様連れの方にも使いやすい仕様です。

「北野坂あたりには高単価のお店が並びます。当店もハイスペックなお客様にご満足いただける店舗をめざしてはいきますが、近隣の方にも利用しやすい店でありたい。狙った層の方に向けた店づくりというよりは、まずは多くの方に知っていただきたいと考えています」と大村店長。

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店個室

清潔で心地よい和の空間。個室も完備され、ビジネスから、ハレの日のお祝い、軽い食事会まで幅広く利用できます。

「味、接客すべてにおいて、まずはベストを尽くした上で、一人ひとりのお客様とのコミュニケーションを軸にした、細やかな気づきができる店にしていきたいですね」。

大阪、京都に比べて、観光、特にインバウンド需要が少ないといわれる神戸。観光庁が2023年の訪日外国人の訪問率・訪問者数について、
大阪:39.6%・795.8万人
京都:29.8%・598.8万人
に対して、
兵庫は5.9%・119.3万人との結果となっています。
※都道府県(47区分)別 訪問者数 2023年4~12月参考値・観光庁発表

神戸では出店数が少ない和食「鰻」で勝負する『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店。神戸といえば、“神戸ビーフに元町の中華”といわれる中で、他店では味わえない「捌きたて、焼きたて」から生まれる逸品の味で、神戸の食に新風を吹かせ、さらなる成長を目指します。

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店外観

運営会社:株式会社タツミコーポレーション
兵庫県明石市を拠点に、兵庫県下に飲食店10店舗ほかアミューズメント事業、ゴルフや不動産事業と多彩に展開中。

代表取締役 李 煥辰さん
「三宮という神戸一番の主要駅で、競合店が少ない鰻業態にトライします。接待などのビジネスシーンはもちろん、お一人様、ファミリー、インバウンドと幅広くご利用ください。神戸の新たな魅力につながるような店づくりに取り組み、いつか海外にもチャレンジしていきたい。まずは、ぜひ一度お越しください」。

総本部:株式会社パッションギークス
昭和7年創業・老舗食材卸「中庄商店」のグループ企業。鰻・和牛をはじめ、「無形文化遺産の和食をつなぐ」を使命に、和食調理の伝統技術を継承しながら、飲食ブランド『うなぎ四代目菊川』をはじめ、飲食店直営27店舗、FC店7店舗(海外含む)を運営。

代表取締役 阿部 翔悟さん
「当社にとって兵庫県初出店となります。老若男女、神戸で鰻を食べるなら『うなぎ四代目菊川』と言っていただけるような神戸、兵庫の皆様に愛されるお店になっていただきたい。ビジネス、カジュアル、ファミリー、デートなど、どんなシーンでも使える空間、サービスを提供できるお店へと成長してほしいですね。無形文化財である和食の技術、おもてなしの文化を世界中の方々に届けていくことが私たちの使命です。肉厚ジューシーな『うなぎ四代目菊川』の鰻をぜひご賞味ください」。

『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店内観

<店舗概要>

店名 『うなぎ四代目菊川』神戸三宮店
住所 兵庫県神戸市中央区加納町4丁目8番17号 TAKAI B.L.D 1階
電話番号 078-954-6001
営業時間 ランチ  12:00〜15:00(L.O.14:00)
ディナー 17:00〜22:00(L.O.21:00)
定休日 不定休
席数 70席(カウンター6席・テーブル席15卓30席・個室4室34席)
平均予算 ランチ 4,000円〜、ディナー 5,000円〜
喫煙 不可(喫煙ルームあり)
オープン 2024年4月26日(金)
公式サイト 『うなぎ四代目菊川』公式サイト


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