グランプリ受賞で笑顔でガッツポーズの酒井研野さん

コロナ禍を機にクックビズで立ち上げた「クックビズ・アンバサダー」に参加していただいていた酒井 研野さんが、2022年11月、若き料理人を発掘する日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35 2022」グランプリのRED EGGを受賞されました!

去る2020年、世界を襲った新型コロナウイルスの影響で、大きな打撃を受けた日本の飲食業界。少しでもその助けになれないかと、クックビズでは若き飲食人たちに声をかけ、アンバサダープロジェクトを立ち上げました。

この時、酒井さんには、日本料理の若き料理人という立場からアンバサダーとして参加していただき、さまざまな思いを発信していただきました。

2021年には当メディアのリレーインタビューにも登場。京都・岡崎での「日本料理 研野」オープンに向けての経緯や、料理に対する思いなどを真摯に語っていただきました。
(その他の酒井さん参加記事は下記にて紹介)

REDで調理中の酒井研野さん

今回の酒井さんのグランプリ受賞は、これまでの「RED U-35」において日本料理出身の料理人としては

また、酒井さんがオーナー兼料理人を務める「日本料理 研野」は2022年10月、ミシュラン京都・大阪2023にて1つ星も獲得されています。酒井さんにとっては、コロナ禍を境に自店開業、ミシュラン獲得、「RED U-35」グランプリと、飛躍の大きかったここ数年!

今回編集部では、酒井さんのご活躍を心よりお祝いするとともに、ぜひ今の酒井さんの想いを聞かせてほしい!とお願いし、ご本人よりコメントをいただきました♪
ぜひご一読ください。

RED の審査で審査員に料理を提供する酒井研野さん

酒井さんの「今の思い」「これからしたいこと」

──酒井さん、RED EGGの受賞、本当におめでとうございます。私たちも嬉しいです。今回、RED EGGを受賞された感想を一言いただけますでしょうか?

酒井さん:毎年応募していて今回で6回目でした。映像を撮ったり、審査員からの難しい課題にこたえたり…オーナーシェフとして通常営業しながら行うのはなかなか大変だったので、「来年はもう挑戦しなくていいんだ」という安堵感がまずあります(笑)。

──毎年参加されてきたなかで、今回グランプリであるRED EGGを受賞された要因は酒井さんご自身ではどこにあったと思われますか?

酒井さん:挑戦するたびに、気づきや学びがありました。

半年にわたって一流の審査員の方々に審査していただくので、頭と心の隅々まで見られているような感覚になります。

選んでいただくためには「付け焼き刃」ではダメなのだと6回の出場を通して感じました。他人と戦っているというよりは、自分自身との戦いがREDなのだと思っています。

心がけたのは「いつも本番のように、本番はいつものように」ということです。
常に謙虚な心で、日々の仕事を丁寧に行い、人に感謝を忘れず、周りの人を幸せにすることにつとめ、毎日の一瞬一瞬を大切に過ごしました。結果、どこを切り取られても、何を聞かれても自信を持ってこたえられるような状態で大会に挑むことができました。

──昨年、ご自身の店をオープンされ、今年はミシュラン1つ星も獲得されました。酒井さんにとって飛躍の昨年・今年かと思います。今後の目標として何か考えられていることはありますか?

酒井さん:今回の「RED U-35」には、僕の店の従業員も応募していました。今後は僕自身は「若手シェフ」であることを卒業し、むしろ従業員や周囲の若手をバックアップしていく立場にまわりたいと思っています。

自分のことだけではなく、社会課題としっかり向き合い、業界全体のことまできちんとよくしていけるような人になりたい。そのためにも、今より大きな店に移転して、より多くのお客様に対してサービスし、影響力をつけていくとともに、スタッフを育成できる環境を整えていきたいです。

賞金は車を買うのに使って、日本全国を旅したいと考えています。地方に埋もれている郷土料理を学び、自分の料理に落とし込むことで、忘れられつつある日本の文化にスポットライトを当てていきたいと考えています。

海外でチャレンジしたいとも考えています。さまざまな年齢、人種、国籍の方々に、僕のつくる「日本料理」がどのように受け入れられるのか。腕試しをしてみたいと思います!

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酒井さん、本当におめでとうございました。酒井さんのこれまでの努力と日本料理への想い…。これからの日本料理界の大きな礎になると感じています。今後も応援しています!

REDグランプリ授賞式で涙ぐむ酒井研野さん

▼プロフィール
酒井 研野(さかい けんや)さん
1990年1月29日、青森県生まれ。J.S.A.ソムリエ、J.S.A.酒ディプロマ有資格者。「日本料理 研野」(京都)オーナーシェフ。2009年「菊乃井」入社。本店で8年勤務後、2017年「菊乃井 無碍山房」の立ち上げに伴い、料理長に就任。10年後に退職し、ニューヨークの「Shoji at 69 Leonard Street」、京都のレストラン「LURRA°」を経て、中国料理の「京、静華」へ。伝統的な中国料理から、日本料理の原点を模索。
2021年、自らがオーナーとなり京都・岡崎にて「日本料理 研野」を開業。「RED U-35」においては2022年RED EGG(グランプリ)受賞。2022年、ミシュランガイド京都・大阪2023にて1つ星を獲得。