オンライン座談会の様子

クックビズでは、飲食業界で活躍するみなさまにお声がけし、定期的な座談会を行っております。
今回は、「S1サーバーグランプリ」の受賞者の3名様にお集まりいただき、コロナ前後での業界の変化や、ウィズコロナにおける飲食やお客様との向き合い方についてお話しいただきました。
この記事では座談会のハイライトをご紹介いたします。

座談会参加者紹介

■藤井 将一さん

新鮮な食材と藤井 将一さんの写真

2012年7月、株式会社ラフダイニングにアルバイトとして入社。約3ヶ月で本店店長、その後、5店舗での店長を経験する。2018年3月8日に全国大会が行われた第13回「S1サーバーグランプリ」において、最優秀賞を獲得。
2018年12月、和食業態で独立し、札幌市南区にある「和酒・旬菜・心 ひょうきん顔」のオーナーとなる。「S1サーバーグランプリ」の北海道理事を勤め、講演活動も行っており、2020年9月の外食ビジネスウィークではセミナー講師としても登壇予定。

■鈴木 志麻さん

酒瓶を持ちねじり鉢巻き姿の鈴木 志麻さんの写真

大手ファストフード企業にて10年勤務し、人材育成に携わった後、2017年8月、東京レストランツファクトリー株式会社にアルバイト入社。2019年3月の第14回「S1サーバーグランプリ」において、審査員特別賞を受賞。2019年4月、チーフホスピタリティートレーナーに就任。現在は新卒社員の教育を担当しながら、店舗業務も行っている。

■高橋 夏穂さん

酒瓶を持ちねじり鉢巻き姿の鈴木 志麻さんの写真

2011年、服部栄養専門学校卒業後、株式会社絶好調に入社。入社2年目の21歳で、立候補により店長に就任。新店立ち上げから繁盛店へと成長させる。
2019年3月開催の第14回「S1サーバーグランプリ」において、関東代表となり、最優秀賞を獲得。現在は入社9年目、社内初となる人財育成統括のポジションに就任し、人財採用や人財教育を担当する。

クックビズ株式会社からは、座談会運営の世古、川田、中西、方城、箱部が参加いたしました。

飲食業を目指したきっかけ

クックビズ世古:本日はお集まりいただきありがとうございます。突然のお声がけにも関わらず、ご参加いただきありがとうございます。
皆様のご経歴について、まずは教えていただけますか?

藤井さん:小学校3年生の夏に、消防士、中学校の国語の先生、料理人になりたいという3つの夢を持ちました。父親も料理人だったので、料理人ってかっこいいなとずっと思っていましたね。20歳で消防士になり、6年間勤務していました。次に料理人になるという夢を叶えるため、常連だったお店に入社したんです。もともと人を楽しませるのが好きなので、生まれ変わっても飲食業がやりたい。あともう一つ学校の先生という夢も、飲食業に関わって人に教えたりということが増えているので、セミナー講師のオファーをもらうこともあって、同時に叶えられるかなと考えています。

鈴木さん:私が飲食業に携わったのは、専業主婦を経験してから。まずはグランドオープンで家から近いという理由で、ファストフード店でパートとして働き始めました。その後、正社員となり、店長やスーパーバイザー、トレーナーとして10年勤務した後、東京レストランツファクトリーに入社しました。もともとは「焼き鳥の焼き士」を目指していたのですが、S1がきっかけで日本のおもてなしの素晴らしさに気付かされたんですよね。今は、より多くのスタッフが接客を楽しんでもらえるような職場作りに取り組んでいます。

高橋さん:私は、調理専門学校を卒業し、新卒で株式会社絶好調に入社しました。現在9年目で、人財育成統括として、人財採用や人財教育を担当しています。新卒で、居酒屋業態の会社に入社する…というのはあまり周りにはいなかったのですが、お客様として店舗に行ったとき、キラキラ働いているスタッフさんが印象的で。自分も一緒に働きたいなと入社を決めました。

クックビズ世古:ありがとうございます。皆様、本日はよろしくお願いいたします。

人材に強いってどういうこと?

クックビズ世古:クックビズは人材サービスを行っておりまして、「人材がなかなか採用できない」「定着しない」という課題をよくおうかがいするのですが、皆様はどのように感じてらっしゃいますか?

藤井さん:ここ数年で飲食業界もかなり変わってきたと思います。自分自身については、今まで人材で困ったことはないですね。アルバイトスタッフが辞める前には後任のスタッフを紹介してくれたり、店舗に張り紙をしたらそれを見たお客様が周りにシェアして紹介してくれたりして、地域密着して周りの人から応援をいただいているので、人材には困っていないです。
また、多くの人材を引き寄せる求心力のある方が代表である会社であれば、おおよそ人材で困っていないような感覚はあります。

高橋さん:働いているスタッフが知り合いを紹介してくれて…数珠つなぎで人材を確保できていますね。新卒採用においても、「何をするかより、誰とするのか」を新卒採用でも伝えるようにはしています。実際、株式会社絶好調では、長く働いているスタッフも多く、会社自身も「家族からも応援される会社でありたい」と考えているので、そういった想いに共感してくれる人が集まる組織です。

鈴木さん:店舗のアルバイトさんが、新しく入ってくるアルバイトさんの教育をしっかりとできる体制になれば、本当に強いなと実感しています。店長が役割分担し、責任感を持って取り組む社員と、自主的に動いてくれるアルバイトさんがいる…そうなると人が成長する店舗になりますね。「ここで働いてよかった」と思えるスタッフを一人でも増やしていき、みんなが成長することで店舗・会社も成長する…そんなサイクルが今できているようには思います。

クックビズ世古:ありがとうございます。皆様「S1サーバーグランプリ」などで接客に熱心に取り組まれていることもあり、人材に対する想いは人一倍強く、現実としてそのような成果をあげられているのは素晴らしいですね。

ウィズコロナで実感する、飲食業界の変化

クックビズ世古:コロナの影響で飲食業界を取り巻く環境は、大きく変化しました。実際どのような変化を実感されていますか?

藤井さん:遅い時間に活動する人々が減り、札幌も中心部のすすきのなどの繁華街には、人が本当に少なくなりました。営業終了後に行ける店も本当になくなってしまいましたね。
今、お客様の飲食店選びの動機は、料理より、接客より、何より…「あの店主なら大丈夫」「あの店なら地元客がメインだから大丈夫」という安心感だと思います。
いつもは繁華街で飲んでいたけれど、今は地元で、地元の人が来店するお店で飲んだほうが安心だ…という気持ちをお持ちです。今まで、お店のことを知っていたけれどきたことはなかったという都心部にお勤めに出られるビジネスパーソンなどの方々の新規利用は一定数ありますよ。
私は、札幌市南区の郊外に店舗を構えていますが、実は実際のところ、昨年と比べると売上は伸びている。うちみたいに、「本当の地域密着」ができているお店は強いと思います。顔見知りが行く店だから安心だよねと。ただ、それは個人店だからできていることかもしれません。属人的な要素が多いので、チェーン店になるとまた違ったやり方になってくるのではとは感じます。

鈴木さん:まずは、コロナの状況になって、お客様が申し訳なさそうに来店されるのがショックでしたね。それまではもちろん、楽しそうにご来店されるお客様ばかりでしたので…。藤井さんがおっしゃる通り、「地域密着」ということがキーワードにはなってくるとは実感しています。地域の方に愛されるお店にするために、もっと挑戦していこうという話はしています。

高橋さん:コロナの影響はありますが、足を運んでいただけるお客様が確実にいらっしゃるという実感はしております。今は、「原点回帰」が大事なのかなと思っております。お越しいただいたお客様に笑顔になっていただくにはどうすればよいか、あえて手間がかかることを追求し、一人一人のお客様を大事にする接客。改めて原点を見つめ直す機会になっています。

クックビズ世古:ありがとうございます。「地域密着」「(飲食業としての)原点回帰」…、「家族と食事するような安心感」をお客様に感じていただけるかが重要となってきているのですね。

飲食業の強みは、やはり「人」

クックビズ世古:ウィズコロナの時代となり、多くの変化があったと思うのですが、今後このようにしていきたいなどの目標や目指す姿はどのように考えていらっしゃいますか?

藤井さん:コロナでの変化を問わず、チャレンジし続ける会社は本当に強いなと感じています。うまくいってる、失敗してる問わず、次へのアクションが止まらない方。常にチャレンジしている、常に前を見て、毎日夢が変わるくらいの方。むじゃきに夢を語れる経営者の方に憧れますし、そういった経営者が引っ張る会社は強い。
自身としては、自身の店を経営しながら、将来的には飲食業界の国家資格的なものを増やしていきたいと考えています。唎酒師(ききさけし)、ソムリエなど、資格がありますが、料理人やサーバー、店長には、上級、中級などはないですよね。
「Youtuberになりたい」みたいに、「接客士になりたい!」という子どもが出てくるような、飲食人を細分化した資格を作っていきたいという想いがあります。

鈴木さん:私たちができることは、心の部分だと思っています。多くのスタッフに、人と人が繋がっていく飲食業の素晴らしさを伝えていけたらなと。過去に、「理不尽を笑いに!」と笑いながら言ってくれた上司がいたのですが、その方は、常に前向きに挑戦し続けていました。
昨今、何かと不安なことも多いですが、テレビなどで取り上げられる飲食業界が頑張って立ち上げられる姿に感動したことも多かったんです。東京レストランツファクトリーでも、福島の養鶏場を支援しようなどの動きも出ており、そういった取り組みにもどんどん関わっていきたいですね。

高橋さん:飲食のいいところは、身近に行ける、勉強したいと思ったら他のお店に行って学べるところです。私も「S1サーバーグランプリ」での出会いから、同じ飲食業界で働いているということで親身に相談に乗っていただける方も多いので、そこは自分も業界に恩返しができたらなと考えています。
飲食業は、感動提供業。飲食店に来たお客様には、「この店に来たから人生変わった」と言ってもらえるぐらい感動を提供したい。飲食業は人として成長できる場だと思いますし、より多くのスタッフが「感動提供人」として成長できるよう、取り組んでいきたいです。

クックビズ世古:飲食業は人を育てる…改めてみなさんのお話をおうかがいして実感しました。飲食業界で活躍される方のご意見をうかがいながら、新企画を検討しておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

まとめ

本日は、「S1サーバーグランプリ」でもお知り合いの3名ということで、アットホームな雰囲気で座談会は進みました。「ウィズコロナ」と一口に言っても、4月、5月と、現在ではみなさんおかれている立場もさまざま変化しつつあり、コロナを境に、「地域密着」「原点回帰」が、飲食業界のキーワードになっていることを実感した座談会となりました。

インタビュー記事をお読みいただき、興味を持たれた方は、お二人がお勤めの店舗にもアクセスいただければ幸いです。

<協力>

店名 和酒・旬菜・心 ひょうきん顔
店名 東京レストランツファクトリー株式会社
店名 株式会社絶好調