オンライン座談会の様子

クックビズでは、飲食業界で活躍するみなさまにお声がけし、定期的な座談会を行っております。
今回は、若き料理人を発掘する「RED U-35」の受賞者であり、東京と大阪で活躍されるお二人の料理人をお招きして、座談会を開催いたしました。ウィズコロナが叫ばれる昨今、東西で活躍している料理人がそれぞれ感じている変化やこれからも変わらないこと、いま考えていることをご紹介いたします。

座談会参加者紹介

■白竹 俊貴さん

エプロン姿の白竹 俊貴さんの写真

1992年、兵庫県生まれ。調理科高校を経て、辻調理師専門学校に入学。卒業後は、大阪市内のフランス料理店や、北新地の人気フレンチ「弘屋」に5年間勤務。2016年、大阪府豊中市にて「フランス料理 PERTICA(ペルティカ)」オープン時、シェフに就任。「RED U-35」2019年 bronze egg受賞、現在28歳。料理人でありソムリエでもある。

※「ペルティカ」の食べログはこちら

■松島 佑季さん

紺色シャツに黒背景の松島 佑季さんの写真

1988年、埼玉県生まれ。調理科高校を経て、武蔵野調理師専門学校に入学。卒業後、都内レストランで勤務後、フランスで修業を積み、現在は前衛的なフュージョン料理を提供する「81(エイティーワン)」の料理長として、手腕を振るう。「RED U-35」2019年 bronze egg受賞、現在32歳。

※「81」の食べログはこちら

クックビズ株式会社からは、座談会運営の世古、川田、中西、箱部が参加いたしました。

飲食業を目指したきっかけ

クックビズ世古:本日はお集まりいただきありがとうございます。お忙しい中にも関わらず、ご参加いただきありがとうございます。
まずはお二人が飲食業に入られたきっかけからお話いただけますか。

白竹さん:私は、高校から調理科に進んでおり、昔から「料理人は華やかな世界」と憧れてやってきた部分がありますね。家族や親族が飲食業をしていたわけではありませんが、料理人以外に、自分がなりたいものの選択肢はなかったです。当時の漫画や雑誌を見たりする中で、憧れは膨らんでいきました。学校卒業後はフランス料理店で働いてから、現在は「ペルティカ」のシェフ兼ソムリエとしてお店を運営しています。

松島さん:私も白竹さん同様、調理科のある高校へ進学しました。もともとは農業に興味があり、魅力的な分野だった食を選んだと言いますか。「料理人になりたい」と自分で考えてこれまで歩んできていますね。料理人の目標は、独立することという想いがずっとありました。20代の頃は、フランスで修業もしましたし、現在は、西麻布にあるフュージョン料理の「81」にて、料理長をしています。

クックビズ世古:お二人とも早い段階から料理の道一筋で、自分で見つけた道を歩んでいらっしゃるのですね。

コロナ禍における変化

クックビズ世古:コロナの状況になって、さまざまな変化があったと思うのですが、実感されていることは何かございますか?

白竹さん:そうですね、コロナ前は、良いものを使って良いものを作りたい・・そういった想いが強かったように思いますが、今、より一層生産者の方とお話をするようになって、自分が繋がっている生産者の方から想いを聞いて、食材を選んでいきたいと思うようになりました。

自分自身、若いこともあって、お客様だけでなく、知り合いの飲食店の方や生産者の方、取引業者の方、地元の方など、かなり気にかけていただけることが多いです。また、なかなか、敷居が高くて来れなかった、近郊にお住いの方も来ていただけるようになりました。人と人との繋がりを大事にできるようにしていきたいと考えています。

松島さん:当店は入れ替え制で、いつも2回転するような予約時間を組んでいたのですが、4月からは1回転のみに変更しました。また、ハンバーガーのテイクアウトなどの取り組みも行ない、評判もよく、そこから新しい顧客獲得に繋がっております。現在はテイクアウトは終了し、今後はECサイトでの物販などにも取り組んでいこうとしております。

ただ、レストランは、結局人対人。料理人が目の前で料理を作り、味覚でも視覚でも楽しむ…そんなエンターテイメントな雰囲気を楽しみに来られるお客様が多いので、その価値は引き続き追求していきたいとは考えております。お客様も今までより「常連になれるお店」を探していくのではないかと。家では食べられない、美味しさを求めている方に対して、どのような価値が提供できるのか、料理人としての真価が試されていると感じます。

SNSとリアル、どちらの情報収集も重要

クックビズ世古:日々、食材や料理、調理技術について、いつもはどのように情報収集されていますか?

白竹さん:SNSではより早い情報が見れるので、Facebookやインスタグラムなどで日々情報収集しています。また自分自身、毎日1回投稿するルーティンを決めて、投稿しています。

松島さん:情報のフレッシュさとしては、私も、SNSをいつも活用しております。もちろん、本や雑誌からも情報を得ることが多いですね。ただ、食材の情報であれば、普段注文している業者さんだったり、豊洲の魚屋さんや八百屋さんに直接聞きにいったりということが早い。今、天候などの事情もあり、食材の旬も遅れたり早まったりしている中で、新しい情報は、直接聞くようにはしています。

白竹さん:私も同じです、食材については、レア食材を扱っている業者さんなどから直接お伺いしたり、また生産者に直接お伺いしたりということが多いです。
また、調理技術でいうと、ここ2,3ヶ月でYoutubeに飲食店の方々が投稿する調理技術の動画が増えたように思います。この夏、鱧を扱いたいなと思い、骨切りではなく、全て骨を抜く方法を探していたところ、Youtubeでたくさんの動画がでてきました。単発の技術だけでなく、仕込みなど一連の作業動作を公開している店舗さんもあり、非常に興味深く見ていました。ただ、魚を捌く技術でいうと、直接知り合いの和食店の方に質問して教えていただくことがほとんどです。

松島さん:私も、魚の調理のことは、懇意にしていただいている寿司屋の大将に伺ったりということが多いです。

クックビズ世古:お二人とも、ジャンル問わず、他の分野の料理人から食材の知見や扱い方などを、吸収されているのですね。

コロナ前後で変わること、変わらないこと

クックビズ世古:お二人が尊敬されている飲食業界の方はいらっしゃいますでしょうか?

松島さん:パリで働いていた頃に出会った、宮崎 剛次さんというシェフには本当にお世話になりましたね。料理も美味しいし、仕事ぶりもとても綺麗で、また人間的な部分で普段から生活の全てをさまざまサポートしていただけました。また、現在務める「81」のオーナーシェフの永島も非常に飲食業界ではかなり独自性溢れる感性を持つ料理人ですので、学びの連続です。

白竹さん:料理人なので、その方の料理や店にもちろん興味があるのですが、コロナの不安が続く中で、スタッフを守って取り組もうとされていたオーナーさんの動きには、非常に感銘を受けましたね。Facebookなどでそういった取り組みを見るたび、経営者として人材を守るということの重要性を非常に実感しました。

クックビズ世古:お二人は、将来このようになっていきたいと、考えてらっしゃることはありますか。

白竹さん:昔は独立したり、自分の店を持ちたいという気持ちでいましたが、今改めてこのような状況になり、自分のやりたい料理ができて、お客様が来て喜んでくださるのが幸せだと改めて感じます。年々いろいろと変わっていくので、今後自分が料理人としてどうしていくのか?は、世の中の変化を感じながら、変わっていくものなのかなと。

松島さん:私も、業界に入ったばかりの頃は、料理人のゴールは独立だという想いがあったが、それだけがゴールではないと感じてはいます。特にコロナ禍から、日々状況が変わっておりますので、何が大切で何がゴールなのか、一つの解はないですし、個人としての取り組みだったりも大事になってくるのではないかと。

クックビズ世古:「次どうなるのか」が見えづらくなった今、お二人とも今後についてはさまざま思慮を巡らせている段階なのですね、本日は長時間に渡りありがとうございました。

まとめ

本日のお二人は、いずれも高校の調理科を経て、調理専門学校に入学され、幼い頃から料理人になると決めて歩んできたお二人でした。座談会では今回ご紹介した内容だけでなく、料理人の方が知りたい情報とはどのようなものか?などもディスカッションさせていただきました。

インタビュー記事をお読みいただき、興味を持たれた方は、お二人がお勤めの店舗にもアクセスいただければ幸いです。

<協力>

店名 フランス料理 PERTICA(ペルティカ)
店名 81(エイティーワン)