
日本でもハロウィンを祝うイベントの規模が年々拡大し、クリスマスに次ぐ経済効果をもたらすまでに成長しているとも言われています。
リクルートライフスタイルが2017年に実施したハロウィンの参加意向や飲食予定の調査によると、ハロウィン行事への参加予定者が回答した参加行事の1位は「飲酒主体の店での飲食、パーティー、イベント」でした。
では、飲食店関係者はハロウィンを商機としてどのように捉えているでしょうか。
昨年と今年の各飲食店でのハロウィン向けのサービスやイベント実施状況や今年の売上予測など、日本全国の飲食店を対象にアンケート調査をクックビズ総研が実施しました。
目次
今年のハロウィン向けサービス実施予定は飲食店の39.3%(前年比6.4%増)
今回のアンケートに回答した飲食店92店舗のうち、ハロウィン向けサービスを実施した店舗は昨年実績(2017年)32.9%でしたが、今年の予定(2018年)は39.3%と前年比6.4%アップする勢いだとわかりました。
これは、ハロウィンを商機として強く意識する飲食店が増えてきていることの現れといえます。
Q.昨年(2017年)ハロウィン向けのサービスをしましたか?
Q.今年(2018年)ハロウィン向けのサービスを実施する予定がありますか?
昨年ハロウィンに売上げアップを実感した飲食店が42.3%!
では、実際にハロウィン向けのサービスを実施することは、飲食店にとって経済効果をもたらしているのでしょうか?
昨年ハロウィン向けサービスを実施した飲食店に聞いたところ、飲食店全体のうち、ハロウィンの方が「普段よりも売上が良かった」が42.3%、「普段と売上は特に変わらなかった」が53.8%、「普段よりも売上が悪かった」が3.8%という結果でした。
サービスの提供内容にもよりますが、4割以上の飲食店がハロウィン効果を実感したようです。
Q.ハロウィン企画の売上貢献はいかがでしたか?
(2017年ハロウィン向けのサービスを実施した店舗のみ対象)
王道はハロウィン特別フードメニューや仮装来店促進の企画
ハロウィンに具体的にどんなサービスや企画を行うのか、今年実施予定の飲食店に聞いたところ、「ハロウィン向けのフードメニュー」がもっとも多く全体の62.9%を占めています。
続いて、「店内のハロウィン装飾」が45.7%、「ハロウィン向けのドリンクメニュー」と「ハロウィンのイベント」がそれぞれ20%、「従業員のハロウィン仮装」が14.3%となっています。
さらに、お客さんが仮装して来店した場合に料金割引などのサービス特典を設けることで、「ハロウィンの来店促進サービス」を企画している飲食店も8.6%あります。
Q.今年はどんなハロウィンサービス・企画を行う予定ですか?
昨年好評だったハロウィン企画について、具体的な内容をいくつかご紹介します。
- 「ハロウィンにちなんだ料飲の提供、お子様へのプレゼントが集客に繋がりました。」(石川県/ホテル・旅館)
- 「お昼や土日にたくさん来る子供達向けに、季節ものの折り紙カードを手作りしています。 去年はジャック・オ・ランタンやお化けの折り紙カードを作成。キャンディやゼリーも小学生以下の子供達にプレゼントしました。」(東京都/うどん・そば)
- 「ハロウィン限定のお得なコース料理、プレゼントを出しました。店内をハロウィン風の飾りつけにして、店員がハロウィン衣装を着て、ピーク前には店頭で飴を配りました。目立つようにしたことで、集客につながりました。」(海外/居酒屋)
- 「オバケやカボチャの抜き型クッキーとさつまいもとカボチャのペーストを使ったマドレーヌの詰め合わせやカボチャのモンブランが好評でした。1人用のケーキにはオバケチョコを飾り、店内もハロウィン仕様に飾りました。どちらも手書きだったので子供に人気でした。」(千葉県/パティスリー)
ハロウィン期間中の客層変化を実感した飲食店は19.8%
ハロウィン向けサービスの実施有無にかかわらず、ハロウィン期間中は客層が普段とは異なると感じた飲食店は、全体の19.8%です。
ハロウィン向けサービスの実施予定がある飲食店に限ると、さらに多く、40%の飲食店が客層の変化を実感しています。
Q.ハロウィン期間中は、普段よりも来店客層に変化がありますか?
1.アンケートに回答したすべての飲食店
2.今年(2018年)ハロウィン向けサービスを実施予定の飲食店
具体的な客層の変化としては、「若年層の来店が多い」がもっとも目立つ結果になっています。つづいて、グループ来店(27.78%)、カップル来店(22.2%)の増加もハロウィン期間中の集客特徴のようです。
「その他」(38.9%)の中には、「ファミリー層と学校関係」の集客の増加も挙がっていました。
Q.客層にどんな変化がありましたか?
まとめ
飲食店のハロウィン向けサービスの実施状況や集客への影響などについて、アンケート結果からは次のようなことがわかりました。
- 今年(2018年)ハロウィン向けサービス・イベントを予定している飲食店は全体の39.8%。(昨年2017年の32.9%よりも増加)
- 昨年(2017年)のハロウィン向けサービスによって、売上げアップを実感した飲食店は実施店のうち42.3%
- 昨年(2017年)のハロウィン向けサービの実施内容で一番多かったのは、ハロウィン限定フードメニュー(62.9%)。ハロウィン限定ドリンクや子供向けのプレゼントサービスも好評
- ハロウィン期間中は、若年層・グループ・カップルの来店が増える傾向にある
ハロウィンが秋の一大イベントとして浸透していく中、いかにそれをビジネスチャンスとして上手に売上げアップにつなげられるか、各飲食店が様々なアイディアを競っています。クリスマスや忘年会に続き、ハロウィンが多くの飲食店にとってさらに重要な商機となるのもそう遠くないでしょう。
■調査概要
調査名 | 「飲食店のハロウィン向けサービスに関する実態調査」 |
調査対象 | 全国の飲食店 |
有効回答数 | 92 |
立地内訳 | 首都圏40、近畿圏28、その他24 |
展開店舗数内訳 | 1店舗:27、2−10店舗:34、11−100店舗:20、101店舗以上:11 |
調査期間 | 2018年9月11日~2018年9月18日 |
調査方法 | インターネット調査 |