レジでお会計をしている女性の画像

2020年10月から開始された「Go To Eat キャンペーン」。予約サイト経由のポイント付与事業については、受け付け終了となりましたが、「Go To Eat キャンペーン」のプレミアム付き食事券の事業については、実施期間の延長などの調整に入ったとの報道がありました。(2020年12月2日)
※詳細は農林水産省の「Go To Eat キャンペーン」ページをご覧ください。

今回、飲食に関する業務についている方を対象に「Go To Eat キャンペーン」について、アンケートを実施しました。
今後どのような施策が続くのか気になる段階ですが、現時点までの参加の有無やその反響について実態をお知らせします。

アンケート対象について

アンケートの期間は2020年11月6日(金)から12日(木)で、有効回答数は464件ありました。
※転職活動中の方は直近の勤め先の内容で回答

調査名 「Go To Eat キャンペーンの反響アンケート」
調査対象 日本全国の飲食店関係者
有効回答数 464
調査期間 2020年11月6日~2020年11月12日
調査方法 インターネット調査

■回答者の勤務先の業種

勤務先の業種についての内訳の円グラフ

「Go To Eat キャンペーンに関するアンケート調査」クックビズ調べ(2020年)

■回答者の従事している職種

就業している職種についての内訳の円グラフ

「Go To Eat キャンペーンに関するアンケート調査」クックビズ調べ(2020年)

■回答者の勤務先の業態 ※複数選択可

業態 回答数
1 居酒屋 67
2 カフェ 43
3 洋食全般 39
4 フレンチ 35
5 イタリアン 34
6 日本料理・割烹・懐石 31
7 食品・小売・流通 28
8 和食全般 27
9 その他業態 23
9 介護・病院 23
9 焼肉 23

以下、「給食・社員食堂」「ラーメン」「パティスリー」「ホテル」など。

■回答者の勤務先の客単価

客単価 回答数 回答率
1,000円以内 87 18.75%
1,001~3,000円以内 179 38.58%
3,001~5,000円以内 93 20.04%
5,001~7,000円以内 35 7.54%
7,001~10,000円以内 28 6.03%
10,001~30,000円以内 35 7.54%
30,001円以上 7 1.51%

「Go To Eat キャンペーン」の参加率は全体の45%

「Go To Eat キャンペーン」への参加について伺ってみると、「参加している」という回答が全体の約45%、「今後、参加予定」という回答が約7%と、全体の約半数以上が参加の意思を示しました。

<「Go To Eat キャンペーン」の参加有無>

Go To Eatへの参加率を表した円グラフ

「Go To Eat キャンペーンに関するアンケート調査」クックビズ調べ(2020年)

■「Go To Eat キャンペーン」に不参加の理由

今回、参加していないと回答したのは、全体の約30%。
その中で参加しない理由として多かったのは、「予約システム」や「手続き」の問題が約30%。「キャンペーンの効果への期待がもてない」という回答が次いで12%でした。

他には「既存のお客様を大切にしたいから」「売り上げが特に減っていないから」という回答もありました。

■業態別の参加率

業態ごとに参加率を集計すると、居酒屋業態の参加率が67%、次いでフレンチ業態の参加率57%カフェ業態の参加率34%と、業態によって参加率が異なりました。

居酒屋業態の参加率が高かったのは、宴会の予約に対応するため、オンライン予約を導入済みだったためと考えられます。

ちなみに、参加しない理由は、フレンチ業態では「効果が期待できない」、カフェ業態では「既存のお客様を大切にしたい」という回答が多くありました。

■客単価別の参加率

参加しているお店の客単価ごとに見ると、参加率が一番高かったのは「客単価3,001~5,000円以内」のお店で参加率62%、一番低かったのは「30,001円以上」のお店で参加率14%でした。

客単価 参加率
3,000円以内 36%
3,001~5,000円以内 62%
5,001~7,000円以内 57%
7,001~10,000円以内 57%
10,001~30,000円以内 57%
30,001円以上 14%

客単価が「3,000円以内」の店舗で参加していない理由では、「参加手続きが煩雑だから」「オンライン予約をしていない」の回答が高く、客単価が上がるにつれ「効果が期待できない」の回答が増えていく傾向が見られました。
手続きや店舗のオペレーションの手間を考慮し、参加を見送ったと考えれます。

〇か✖か迷っている2人のイメージ画像

「Go To Eat キャンペーン」参加店舗・企業の90%以上で利用されていた!

「Go To Eat キャンペーン」に参加している店舗・企業(有効回答数:212)のうち、91%が「利用があった」と回答しました。
その中でも、「11~30組」の利用があったという回答が約28%、次いで「6~10組」の利用が約19%、「101組以上」と答えたのが約16%と、集客に繋がっていることがわかります。

<「Go To Eat キャンペーン」を利用しての来店数>

「Go To Eat キャンペーン」を利用しての来店組数を表したグラフ

「Go To Eat キャンペーンに関するアンケート調査」クックビズ調べ(2020年)

■キャンペーン利用のお客様の特徴

来店されたお客様の特徴について伺ったところ、「初めての来店」「地元のお客様」「滞在時間短い」「ディナー利用が多い」「客単価低い」という回答が多く得られました。

その他には

  • 家族での利用が多い(日本料理・割烹・懐石/料理長)
  • アルコールの注文が少ない(フレンチ/店長・マネージャー職)
  • リピーターになるお客様が一定数いる(中華料理/店長・マネージャー職)

などの回答がありました。

「Go To Eat キャンペーン」の継続希望は約70%!

「Go To Eat キャンペーン」の継続については、67%が「継続してほしい」と回答しました。

<キャンペーン継続の希望>

Go To Eatの継続希望を表した円グラフ

「Go To Eat キャンペーンに関するアンケート調査」クックビズ調べ(2020年)

■継続して欲しい理由

  • 明らかに客数が増えた(イタリアン/SV・エリアマネージャー)
  • 売り上げにつながるから(ブーランジェリー/販売スタッフ)
  • 外食しやすくなり回数が増える(多業態/その他飲食関連)
  • 新しいお客様がちょっとでも多く興味を持ってくれたら嬉しい(カフェ/調理・キッチンスタッフ)
  • 自分で利用して見て、新しい店を見つけることができて良かった(焼肉/調理・キッチンスタッフ)

など、キャンペーンをきっかけにダメージを受けていた飲食業界の、好機となっている回答が多数ありました。
外食を控えていたお客様の来店のきっかけになり、集客や売上げに効果があったことがわかります。

また、なかには一個人として「自分自身も利用したい」「なかなか行くことのできない店にもいける」という、お得なキャンペーンのため、自分が利用したいという回答も、多く見られました。

■継続して欲しくない理由

まだまだおさまる兆しのない新型コロナウイルスを懸念して

  • 落ちついたら(カフェ/店長・マネージャー)
  • 感染防止のため(寿司/調理・キッチンスタッフ)

という回答が多数ありました。
また、導入にあたり

  • 仕組みがよくわからない(洋食全般/調理・キッチンスタッフ)
  • 手続きや制度が難しい(外食企業/店長・マネージャー)
  • キャンペーンの制度がしっかりしていないから(日本料理・割烹・懐石/調理・キッチンスタッフ)
  • 予約から来店までの時間が短すぎて対応出来ない場合があるため(居酒屋/料理長)

とシステム面での問題もあります。

予約後にすぐに来店されたお客様への対応や、会計時の対応などでオペレーションが変わるため、売上があってもメリットが薄いのでは?と感じている方が一定数、存在することがわかります。

まとめ

今回のアンケート結果から「Go To Eat キャンペーン」では、地元のお客様が来店されるきっかけになっていたケースが多いことがわかりました。
飲食店の営業では、地元密着の営業方針が有利です。お店の近隣が生活圏内のお客様に一度利用してもらえば来店頻度が高くなり、お客様に「地元にあるいいお店」と感じていただければ、固定客化もしやすいです。

日々、刻々と状況が変わる中ではありますが、感染予防対策を万全に行いつつ、リピートされる取り組みを進めて行きましょう。