こんにちは。クックビズ株式会社インターン生で大学生のlilyです。
みなさんは大学生協と聞いて何を想像しますか?
学食!と答える方が多いと思うのですが、実は学食の運営だけではなくさまざまな活動を行っているのです。
全国大学生協連合会に加盟している大学生協は日本全国に200以上あり、食堂のほかに、様々な事業を行っています。
自分の通っている大学にも大学生協はありますが、今回は、同志社女子大学にお邪魔して、意外と知られていない大学生協の取り組みと魅力についてインタビュー&学食の食レポしてきました。
同志社女子大学京田辺キャンパスに潜入!いざ、学食へ
と、いうわけで!同志社女子大学京田辺キャンパスにやってきました!
さすが140年の歴史を持つ名門女子大、キャンパスからしてもうおしゃれです。
取材というよりオープンキャンパスに来ている気分になってきました。
学食に到着!さっそく散策開始です。
同志社女子大学の友和館食堂はメニューがいろいろありすぎて迷っちゃいます。
小鉢だけでもたくさんの種類があります。
コンプリートまで何日かかるのでしょうか…
沢山ある主菜、副菜、小鉢からバランスを考えて自分で組み合わせます。
そんなこんなで、今日のお昼はこんな感じに。
- 大分名物とり天 298円
- 十五穀ごはんSS 72円
- オクラ巣ごもり玉子 82円
生協会員価格なら計452円!!安い!!
このとり天は昨年の人気NO.1メニューなんだそうです。
衣がサクサクで美味しゅうございます。
十五穀ごはんがメニューにあるのが女子大っぽいですね。
サイズもSSからMまであるので、おなかのすき具合によって選べます。
オクラの巣ごもり玉子は、温泉玉子とオクラのバランスが絶妙で、個人的に一押しです。
お昼休みの時間になると大盛況!
同志社女子大学の学食は窓が大きいので、明るくて開放的です。
そして女の子がいっぱいで華やかです。
これが女子大か・・・!
フロアの一部がガラス張りになってるので、外から見るとこんな感じに見えます。
テラスもあるので、天気のいい日には景色を眺めながらのんびりランチをするのもいいですね。
学食だけじゃない!大学生協ってナニ!?
今回は、同志社生活協同組合の女子大京田辺店の店長であり、女子大エリアマネージャーの中川紀子さんにお話を伺ってきました。
L:今回は、インタビューに快く応じてくださり、ありがとうございます!どうぞよろしくお願いします。
中:こちらこそ、よろしくお願いします。
L:さっそくですが、大学生協の事業形態について教えてください。
中:大学生協は株式会社のような企業ではなく、学生と教職員が出資し、利用し、運営している生活協同組合法人で、利益よりも学生さんたちの生活を豊かにすることを目的として活動をしています。
L:大学生協は大学単位で運営されているのですか?
中:同志社生協の場合は、同志社女子大学、同志社大学、同志社中高、同志社香里中高の2大学・2中高にお店があります。つまり、学校法人同志社の生徒・学生・教職員を組合員としている生協です。また、全国で200余りの大学生協がありますが、地域ごとで事業連合という組織を設立し、食材の共同仕入れやメニューレシピの作成を行っています。事業連合は全国に7つあり、同志社生協は、関西北陸事業連合に所属しています。それぞれの事業連合単位で共同採用活動を行ったり、給与体系や労働諸条件の統一などを進めています。パート・アルバイト職員の採用などは大学単位ですけどね。
L:大学生協って、いろいろな事業を行っていますよね。
中:そうなんです。大学生協というと学食のイメージが強いんですが、購買や書店、旅行や留学、運転免許や保険、スーツやパソコン、自転車、観劇のチケットなどを取り扱ったり、大学主催のキャリア支援や新入生の友達作りのイベントをお手伝いしたり、学生生活に関わる幅広い活動をしています。宝塚歌劇のチケットは大人気なんですよ。
L:運営資金はどのように調達しているんですか?
中:学生さんたちに大学生協に加入(出資)していただき、そのお金を運営資金としてお預かりしています。出資金は卒業時に全額お返しするんですけどね。
L:実質タダじゃないですか!タダでたくさんのサービスが受けられるなんて、めちゃくちゃお得ですね!
中:そうですね(笑)。ちなみに、同志社生協では全体の95%の学生さんに加入していただいております。
安心・安全を追求する、生協食堂のこだわり
L:生協食堂のこだわりを教えてください。
中:まず、いつでも温かい料理を提供すること。そしてやはり、食の安心・安全ですね。食品添加物の使用基準や、食品微生物基準、製造工場の衛生管理基準などに関して、国の基準以上の生協独自基準を導入しており、それをクリアしたものしか提供していません。ワゴン販売のお弁当にも防腐剤などを使っていないので、賞味期限が4時間しかないんですよ。
L:4時間!それは知りませんでした、そういった心配りがされた食事を提供されてるんですね…。
中:はい、学生さんの健康のために徹底しています。あと、先ほどのお昼ごはんのレシートを見せていただいて良いですか?
L:え?良いですけど・・・
中:値段の下のところを見てください。生協食堂のレシートには、選んだメニューのカロリーや栄養価について載せてあるんです。これをチェックすることで、その日のメニューの栄養バランスを確認することができます。例えば今日のメニューだと、緑(ビタミン・ミネラル・食物繊維)が足りてませんね。
L:なるほど・・・!これは勉強になりますね。
中:生協食堂の通常メニューには定食は無いんですが、これも社会に出る前にバランスのいい食事をとる練習をしてもらいたい、という「食育」の考え方によるものなんです。
L:そういえば、私の通っている大学の生協でも定食は見たことないです。いつも利用してるのに気づかなかった・・・
※こちらのサイトからも確認頂けます。
L:生協食堂のメニューや値段はどのようにして決まるんですか?
中:メニューの内容や値段は事業連合が配信するメニューレシピで決まります。で、管理栄養士監修のもとメニュープランナーが作ったメニューのリストの中から各大学が提供するものを選ぶ、というスタイルです。大学で独自に業者から仕入れ、ということはないですね。
L:メニューの材料って、安心・安全であること以外に何か選定基準がありますか?
中:できるだけ国産のもので、なるべく安いものを、という視点で選んでいます。例えば大学生協のお米はすべて、北海道の『ななつぼし』を契約農家から仕入れていて、学食だけでなく生協ストアのおにぎりなどにも使われています。牛乳に関しては、大学生協の独自ブランドを提供しており、組合員さん向けにしぼりたての牛乳の試飲会なども行っています。
L:同志社女子大学独自の取り組みはありますか?
中:保護者の会、卒業生の会、学生会、大学やOGさんからの援助をいただいて、毎朝100円で朝食をお出ししてます。最近は朝食を食べない学生さんも多いので、健康的な食生活を送ってほしいということで、大学側からの要請を受けて実現しました。
L:100円!すごく良いサービスですね。他にも、学生の健康のための取り組みはありますか?
中:ミールプランといって、一日に設定された金額だけ生協食堂でご飯が食べられるという制度もあります。任意にはなりますが、何を食べたかを保護者の方がインターネット上でご覧いただけるので、お子さんの食生活を心配する保護者の方にご好評いただいています。
L:学食ならではの店作りや運営の仕方というのはありますか?
中:学食や生協ストアはお昼休憩の時間に学生さんが集中するので、混む時間帯が決まっていて、しかも大混雑になるんですよ。なので、ご飯を食べられない人が出ないように、出食スピードを計ったりして、一秒でも早く提供ができるようにこだわっています。また、毎日利用される学生さんも多いので、飽きられないような店づくりを心掛けてます。
他社との競争
L:大学には、生協以外の業者やコンビニが入っていることも多いですが、やはりライバルとして意識されますか?
中:当然意識します!非営利とはいえ、赤字が続いたら学生さんへのサービスの提供ができなくなりますからね…。学内のコンビニの回転率や品ぞろえを調査したり。私たちもレジ打ちのタイムを測って訓練したりします。お客様が校内の学生ということもあって、リピートし続けてもらう必要がありますから、そのあたりは一般企業と同じ、それ以上の意識を持って取り組んでいるつもりです。
L:大学生協が赤字になったらどうするんですか?
中:組合員の学生さんたちのために、できるだけ踏ん張ります(笑)。もしもそうなったときに一番困るのは学生さんですから、メニューの見直しなどを行い、経営を建て直します。
L:学校に入っている他社に比べて、生協の強みは何なのでしょうか。
中:長年大学とともにやってきたことによるノウハウの蓄積ですね。大学って、夏休みや春休みには一気に人がいなくなるので、一般企業だと採算が取れなくて撤退することも多いのですが、大学生協はそれを前提とした仕組みを作り上げてます。また、コンビニとは違って学生さんに特化した商品を共同仕入ができるので、安い値段で提供できるのも強みですね。同じ商品でも、大学生協の方が安いものも多いですよ。
L:では逆に、他社に比べて弱いなと感じていることはありますか?
中:情報の発信力不足ですね。例えば、先ほどの安心・安全への取り組みなども、学生さんに知られていないことが多いんです。性質上、宣伝にあまりお金をかけられないという事情もあるんですが、これからの課題だなと思っています。
L:大学生協でお仕事をされていて、嬉しかったことは何ですか?
中:毎年、卒業の際に返却する食器のところに感謝のお手紙を添えて下さる学生さんがいるんですよ。それを見た時が一番うれしいですね。また、部外者立ち入り禁止の大学なので、安心して働けるということもあって、離職率も低いです。
L:日々当たり前に利用している生協ですが、実際に取り組まれている事をお聞きできて、少し見方が変わった気がします。本日はありがとうございました。
中:いえいえ、ぜひまた遊びに来てください!
あとがき~憧れの同女パフェ~
インタビューを終えたら小腹がすいてきたので、京田辺キャンパス友和館4Fにあるカフェテリア『オリーブ』にお邪魔して、名物の同女パフェをいただきました。
同志社女子大学京田辺キャンパスでは、毎年在校生によるパフェコンテストが行われ、優勝したパフェは実際に商品化されるんだそうです!
うわさの同女パフェを食べながらまったり。
私はお昼ごはんにはいつも自分の通う大学の生協食堂か生協ストアを利用しているのですが、組織形態や学生の食育のための取り組みなど、知っていたようで知らないことがたくさんあったんだなぁと感じました。
大学生協の思いや取り組みを、皆さまにもっと知ってもらいたい!伝えたい!と思いました。
以上、同志社女子大学の大学生協取材レポートでした。