「不要不急の外出を控えるように」という政府の呼びかけから約2カ月。外食をする人は激減し、日本中の飲食店が先行きの見通せない現状に頭を抱えています。
クックビズ総研が2月中旬に実施したアンケートでは、すでに7割もの飲食店に影響が出ていて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染増加に伴い、飲食店の業績下降の影響は長引くことが予想されます。そこで、政府や各自治体が発表している飲食店経営者を救済するための補助金や助成金について紹介します。
※記事は、2020年4月5日時点での情報となります。最新情報につきましては、厚生労働省や首相官邸、各自治体など公的機関が発信する情報をご確認ください。
1)「貸付・支援」に関する施策支援制度
■日本政策金融公庫
コロナウイルス感染症特別貸付
新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来している旅館業、飲食店営業および喫茶店営業を営む方が対象。経営を安定させるために必要な運転資金について相談が可能です。北海道から沖縄まで全国各地に支店があります。はじめての方は、リンク先に記載の事業資金相談ダイヤルまでお電話を。
【日本政策金融公庫ホームページ「新型コロナウイルスに関する相談窓口」】
「新型コロナウイルス感染症にかかる衛生環境激変特別貸付」
新型コロナウイルス感染症の発生により影響を受けた旅館業、飲食店営業および喫茶店営業を営む方向けの衛生環境激変特別貸付制度です。利用条件は、最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少していること、または、業歴3カ月以上1年未満の場合は、最近1月の売上高が過去3か月(最近1か月を含む)の売上高の平均額に比較して10%以上減少していることに加え、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれることです。
■経済産業省
「セーフティネット保証」
新型コロナウイルス感染症の影響から、全国的に業況の悪化している中小企業を支援するための支援措置。飲食店が適用となる「5号」では、対象業種の追加指定も行われています。2月以降で直近3カ月間の売上高が算出可能となるまでの間は、直近1カ月の売上高とその後の2カ月間の売上高等見込みを含む3カ月間の売上高等の減少でも可能とする時限的な運用緩和が行われます。
■事業支援に関する相談窓口(経済産業省)
日本政策金融公庫や商工組合中央金庫、商工会議所および各地方経済産業局等に「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」が設置され、貸付や経営上の相談を受け付けています。
【新型コロナウイルスに関する中小企業・小規模事業者支援の相談窓口】
2)雇用に関する施策支援制度
■厚生労働省
「雇用調整助成金」
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、雇用調整助成金を実施しています。追加特例措置が今後も拡大される予定ですので、最新情報を随時チェックしてください。要件が緩和されて、現在は雇用保険被保険者でない方の休業も対象となります。現時点では、新型コロナウイルスの影響で休業した場合、上限額「対象労働者1人1日当たり 8,330円」で助成される支援策となっています(令和2年4月4日現在)。
「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金 (労働者を雇用する事業主の方向け)」
令和2年2月27日から3月31日までの間に 、新型コロナウイルス感染症への対応として臨時休業等をした小学校等に通う子どもや、新型コロナウイルスに感染した又は風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある小学校等に通う子どもの保護者である労働者に対し、有給休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主に対する助成金制度です。
■雇用調整助成金の問い合わせ先(都道府県別)
各都道府県に雇用調整助成金に関する問い合わせ窓口が設置されています。(申請先が異なる場合があります)
3)納税猶予や都道府県別の支援制度
■国税庁
「新型コロナウイルス感染症の影響による国税の猶予」
新型コロナウイルス感染症の影響により国税を一時に納付することが困難な場合には、税務署に申請することにより、一定期間の猶予が認められます。まずはお電話で所轄の税務署にご相談を。
■日本年金機構
「厚生年金保険料等の猶予制度」
厚生年金保険料等を一時に納付することにより、事業の継続等を困難にするおそれがあるなどの一定の要件に該当するときは、納付すべき保険 料等の納期限から6カ月以内に管轄の年金事務所へ申請することにより、 換価の猶予が認められる場合があります。猶予制度を利用するには、年金事務所へ申請書の提出が必要です。 詳しくは最寄りの年金事務所までご相談を。
■各自治体の支援制度
各地方自治体でも制度を設けて支援を実施しています。例えば、東京都では中小企業の緊急融資制度として「新型コロナウイルス感染症対応緊急融資」を設置し、東京都中小企業制度融資取扱指定金融機関をはじめ、都内商工会議所などで受け付けています。
特に、感染者数の多いエリアについてのリンクを掲載します(緊急事態宣言の対象7都府県)。
<参考>
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(国内事例)の状況(PCR検査陽性者数の累積)」※2020年4月6日時点(単位:人)
東京(1040)、大阪(409)、千葉(238)、神奈川(226)、兵庫(195)、埼玉(174)、福岡(109)
- 東京都:新型コロナウイルス感染症対応緊急融資について
- 大阪府:新型コロナウイルス感染症 制度融資について
- 千葉県:新型コロナウイルス感染症 中小企業者支援について
- 神奈川県:中小企業金融支援制度
- 兵庫県:中小企業等融資制度(制度融資)
- 埼玉県:中小企業者向け融資について
- 福岡県:福岡県制度融資「緊急経済対策資金」による支援
■支援依頼先がわからない場合は
どの制度に該当するのか、どんな援助が受けられるのかわからないときは、日本政策金融公庫が開設する「新型コロナウイルスに関する特別相談窓口」を活用するのがオススメです。「新型コロナウイルスに関する特別相談窓口」は、中小企業関連団体、支援機関、 政府系金融機関など1,000か所以上の拠点に設置されています。
【経済産業省:日本政策金融公庫による新型コロナウイルスに関する特別相談窓口の開設とセーフティネット貸付の要件緩和について(相談窓口一覧)】
4)衛生対策関連のサポート
■一般社団法人日本フードサービス協会
「新型コロナウイルス・インフルエンザ等に関する衛生対策」
外食産業関連で最大規模の組織(農林水産省認可、1974年設立)が、農林水産省の公表したガイドラインをもとに「外食店における新型コロナウイルス感染者 発生時対応に関するガイドライン」をまとめました。外食店舗の従業員が感染した場合の対応、外食産業に携わる人々の健康管理と各店舗の衛生管理についてまとめています。まだの方は、ご一読ください。
お客様に安心して外食を楽しんでいただくために外食企業が取り組むべき新型コロナウイルス・インフルエンザ対策について具体的に紹介しています。
【感染拡大期における外食産業のための新型コロナウイルス感染症対策】
【外食店における新型コロナウイルス感染者 発生時対応に関するガイドライン】
■農林水産省
「食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の 対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」
新型コロナウイルス感染者の報告が増加していることから、食品を取り扱う事業所の従業員に新型コロナウイルス感染症の患者が発生した時に、保健所と連携した感染拡大防止を前提として、食料安定供給の観点から、業務継続を図る際の基本的なポイントがまとめられています。
【農林水産省「食品産業事業者の従業員に新型コロナウイルス感染者が発生した時の対応及び事業継続に関する基本的なガイドライン」 】
クックビズによる飲食店支援策(無料)
■アルバイト求人掲載枠を無償提供
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年3月18日(水)より求人サイト「クックビズ」において、アルバイト求人掲載枠の無償提供提供がスタートしました。1社あたり2求人まで掲載が可能で、提供期間は~2020年5月31日まで。
【クックビズ アルバイト・パート求人無償掲載枠 お申込みフォーム】
■飲食店向け無料オンラインセミナーを開催
クックビズでは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、影響を受けている飲食店を支援すべく、トリプルグッドグループ トリプルグッド株式会社との共催で2020年4月8日(水)に無料のオンラインセミナーを開催。「コロナショックを乗り切る!飲食店が使えるコロナウイルス関連の融資を徹底解説」と題し、感染予防対策から、飲食店が使えるコロナウイルス関連の融資について、また売り上げアップ施策まで各分野の専門家からお話をうかがいます。
<開催概要>
日時 | 2020年4月8日(水)14時〜15時にライブ配信 |
接続方法 | YouTube Live(予定) |
参加費 | 無料 |
対象 | 飲食関係者 ※同業他社の方の参加はご遠慮お願いします(人材サービス会社、採用代行会社など) |
<クックビズ株式会社>
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0120-20-9912(平日:10時~19時)▼Webからのお問合せはこちら
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まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大という世界的な危機により、日本も大きな不安が広がっています。
今後の先行きも不透明な現状ですが、今回ご紹介した政府や各行政の助成金や支援制度が、この局面を飲食業界全体で乗り切るための一助となることを願っています。