「アジアのベストレストラン50」の2018年度版リストが発表式の集合写真

レストランの格付けやランキングは数多くありますが、「世界のベストレストラン50」は、今最も注目されているレストランランキングの1つと言えます。そのアジア版である「アジアのベストレストラン50」の2018年度版リストが発表になりました!
このランキングは、アジア各国で活躍するフードライター、料理批評家、美食家等、「食」及びレストラン業界に精通する300名以上のエキスパートで構成された「アジアのベストレストラン50アカデミー」による投票で決まります。本年が第6回目となる「アジアのベストレストラン50」。マカオで行われた授賞式の画像とともに、日本勢の動向を中心にレポートします。
(写真/Asia’s 50 Best Restaurants, sponsored by S.Pellegrino & Acqua Panna.)

「Gaggan」が4年連続ナンバー1に!日本勢は過去最多の11軒がトップ50入り

10名の男女が肩を組んでいる写真

「Gaggan」は4年連続で王座に君臨。シェフ、ガガン・アナンドさん(中央)の授賞式での笑顔。

「アジアのベストレストラン50」2018年度版のトップ、アジアナンバー1の称号を得たのは、タイの「Gaggan(ガガン)」。シェフのガガン・アナンドさんはインド料理をベースにした洗練されたひと皿を提供。アジアのシェフとの交流やコラボにも積極的です。今回で4年連続のトップとなりました。

タキシードや着物など正装姿の日本人出席者の集合写真

「アジアのベストレストラン50」授賞式に出席した日本勢。

日本のレストランは過去最多の11軒がトップ50入り。国別では最多のランクインとなっています。
50位以内にランクインした日本のレストランは次の通りです。

■「アジアのベストレストラン50」2018年度版にランクインした日本のレストラン

2位「傳」(東京・神宮前)
3位「フロリレージュ」(東京・神宮前)
6位「NARISAWA」(東京・南青山)
9位「日本料理 龍吟」(東京・六本木)
17位「ラシーム」(大阪・本町)
20位「レフェルヴェソンス」(東京・西麻布)
27位「鮨 さいとう」(東京・六本木)
28位「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」(東京・銀座)
34位「HAJIME」(大阪・肥後橋)
38位「カンテサンス」(東京・品川)
48位「ラ メゾン ドゥ ラ ナチュール ゴウ」(福岡・西中州)

50位までのすべてのレストランのリストは「アジアのベストレストラン50」ホームページをご参照ください。
https://www.theworlds50best.com/asia/en/

日本勢のトップは「傳」

両手を広げて立ち上がっているTシャツ姿の男性の写真

アジアのナンバー2に輝いた「傳」。授賞式で名前をコールされた長谷川在佑さん。

「傳」は、堂々の2位にランクイン。長谷川在佑さん率いる日本料理店「傳」は、2016年度からこのランキングに登場しており、2016年12月に東京・神保町から神宮前に移転してますます世界的な人気店に。日本勢のトップであり、「日本のベストレストラン賞」の栄冠を得ました。
そのほかの日本のレストランでは、川手寛康さんの「フロリレージュ」(3位)、成澤由浩さんの「NARISAWA」(6位)、山本征治さんの「日本料理 龍吟」(9位)と、トップ10圏内に4店が入賞しています。

日本からの初ランクインは2店 「ラシーム」は「最上位の新規入賞レストラン賞」受賞

男性が二人喜んで抱き合っている写真

「ラシーム」の高田裕介さん。初ランクインで17位と高評価を得た。

3人の正装姿の男性が肩を組みこぶしを突き上げて立っている写真

「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」のルカ・ファンティンさん(左)。

今年度初ランクインとなった日本のレストランは大阪の「ラシーム」(17位)と東京の「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」(28位)。「ラシーム」は、今回のランキングに新規入賞したアジアのレストラン7軒の中で最上位の店となり、部門賞として「最上位の新規入賞レストラン賞」を同時に受賞しました。
高田裕介シェフ率いる「ラシーム」は、地元の食材を洗練されたアプローチで提供するフランス料理店。ランキング常連の「HAJIME」とともに、大阪からのエントリーとなりました。
「イル・リストランテ ルカ・ファンティン」は、宝飾品ブランド、ブルガリが経営するレストラン。イタリア出身のシェフ、ルカ・ファンティンさんが、イタリアの伝統料理を現代的に解釈した料理を提供しています。

アジア各地で活躍する日本人シェフにも注目

国内のレストランに限らず、日本人のシェフはアジア各地で活躍しており、今回のランキングでも評価を得ています。
香港「Ta Vie(タヴィ)」のシェフ佐藤英明さんは、フランス料理の修業の後、「日本料理 龍吟」で日本料理を学んだ経験の持ち主。龍吟が香港に出店した「天空龍吟」で料理長を務めた後に独立。昨年から順位を17上げて16位に入賞しています。
シンガポールの「Waku Ghin(ワクギン)」は、日本からオーストラリアに渡って「Tethuya’s」で成功した和久田哲也さんが、シンガポールのマリーナベイサンズ内に出店したレストラン。このランキングでは既に常連ですが、今回も23位にランクインしました。
台湾の「祥雲龍吟」は、「日本料理 龍吟」の支店。料理長は龍吟で修業した稗田良平さんです。今回初のランクインで、47位となりました。

個性ある部門賞 「レフェルヴェソンス」はサステナブルへの取り組みが評価される

正装姿の男性5人が肩を組み立っている写真

「レフェルヴェソンス」生江史伸さん(中央)。20位にランクインし、部門賞も受賞した。

日本のレストランは部門賞も多く獲得しました。既に紹介した「ラシーム」の「最上位の新規入賞レストラン賞」をはじめ、「NARISAWA」の成澤由浩さんは「シェフズ・チョイス賞」を受賞。この受賞は、洗練された料理およびフランス料理技法の追求、サステナブルへの取り組みと日本料理の伝統を尊重する、過去20年間に渡っての姿勢が評価されたものです。
今年から新設された「アジアのサステナブル・レストラン賞」は環境と社会的責任に関して最も高い評価を獲得したレストランに授与される賞で、「レフェルヴェソンス」が受賞しました。「レフェルヴェソンス」のシェフ生江史伸さんは、食品ロスなどレストランが取り組むべき社会的な課題に向き合い、対応し、普及啓発してきました。

今回のランキングで、日本勢は大躍進。アジアでの日本のレストランの評価の高さを実感できる結果でした。世界を舞台にしたランキング「世界のベストレストラン50」の2018年度版は今年5月に発表予定。そちらも要チェックです。

取材協力

写真提供 Asia’s 50 Best Restaurants, sponsored by S.Pellegrino & Acqua Panna.
サイト アジアのベストレストラン50(英字サイト)
 URL goo.gl/1hhhqs