参加者の集合写真

旅行予約サービス「楽天トラベル」登録宿泊施設の中から、日本一の朝ごはんを決める「朝ごはんフェスティバル2018®︎」ファイナルステージが10月28日(水)に東京都渋谷区の服部栄養専門学校で開催されました。全国各地、約1300の宿泊施設の朝ごはんの頂点を決める白熱の戦いをレポートします。

朝ごはんフェスティバルとは?

朝ごはんフェスティバルの公式画像

今年で9回目の開催になる「朝ごはんフェスティバル®」は、日本全国の楽天トラベル登録宿泊施設が競い合う朝ごはんの料理コンテスト。
朝ごはんに力を入れているホテルや旅館、各メニューに反映された地域の食文化、そして“朝ごはんをきっかけに行く旅”の魅力を広く紹介するために、楽天トラベルが2010年より毎年開催しています。ファーストステージ(一般ユーザーによるweb投票及び楽天トラベルに寄せられた宿泊者の食事評価)・セカンドステージ(一般審査員約600人による試食・投票)・ファイナルステージ(審査員による審査)と3段階で進んでいくイベントです。

日本のベスト6の朝ごはんから頂点を決定するファイナルステージ

今回レポートするのはファイナルステージ。
ファーストステージ・セカンドステージを勝ち進んできた日本のベスト6の宿泊施設のシェフたちが、自慢の朝ごはん2品を審査会場で実際に調理します。調理された朝ごはんを、審査員が実食し、日本一の朝ごはんが決定されます。

■審査項目は全部で7つ

  • 美味しさ
  • コンセプト(料理のテーマや背景の面白さ、思いの強さ)
  • 表現力(視覚的な美しさ、楽しさ)
  • 独創性
  • 地域性(地元の食材や郷土料理をいかに取り入れ、旅行への関心につなげているか)
  • 朝ごはんとしての適切性(朝一番の食事としての食べやすさ、栄養)
  • 技術(調理技術の高さ)

■審査員

  • 神田川俊郎 氏 「神田川本店」店主 全日本調理師協会名誉会長 日本食普及の親善大使
  • 落合務 氏   「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」オーナーシェフ 日本イタリア料理協会 会長
  • 浜内千波 氏   料理研究家
  • 武田和徳 氏   楽天株式会社 副社長執行役員 コマースカンパニー プレジデント

ご当地自慢の朝ごはんメニューの審査

■審査員による調理審査

調理スペースにたくさんのシェフがいる会場の様子

審査では、宿泊施設ごとに別々のスペースで調理が行われます。

島根県 国民宿舎千畳苑のアンコウの写真

写真は、島根県 国民宿舎千畳苑のアンコウ。
どこの宿泊施設も地元の自慢の食材を持ち込み、試食審査に向けて調理を進めていきます。

香川県 小豆島温泉 リゾートホテルオリビアン小豆島の「カリッとモチっと♪小豆島ガレット」の写真

香川県 小豆島温泉 リゾートホテルオリビアン小豆島の「カリッとモチっと♪小豆島ガレット」の調理過程。
ひとつひとつ丁寧に形作られていました。

審査員に説明する参加者の写真

途中、審査員(写真左:料理研究家の浜内千波 氏)が各調理スペースを回り、シェフたちに調理方法や食材について熱心に質問をしていたのが印象的でした。

■宿泊施設による料理プレゼンと審査員による試食審査

栃木県 那須温泉 ホテルエピナール那須のプレゼンの様子

栃木県 那須温泉 ホテルエピナール那須のプレゼン。

料理が完成した後には、腕によりをかけてつくった2品の朝食について、調理施設ごとにアピールする時間が設けられます。メニューに込めた想いやこだわり、食材や調理方法など、審査員の前で熱くプレゼンが繰り広げられます。

三重県 ホテル 季の座の料理を試食する審査員の写真

三重県 ホテル 季の座の料理を試食する審査員

熱心に耳を傾け、時には質問をしながら試食する審査員は、真剣な面持ちで評価シートを記入していました。

ファイナルステージを競った6施設の朝ごはんメニューと審査員評価

では、ファイナルステージでお披露目された6施設の朝ごはん合計12品をご紹介しましょう!

島根県 国民宿舎千畳苑

国民宿舎千畳苑の朝食

「ノドグロの炙り朝寿し」「浜田アンコウの道具汁、芋煮仕立て」

ノドグロやアンコウは高級食材として知られますが、多く獲れる島根では安く提供することができます。実際に国民宿舎千畳苑を訪れたお客様からも、普段はなかなか食べる機会がない食材を口にできると好評なメニューだとか。食べやすさを考慮して、アンコウはつみれになっています。
また、美味しい日本酒が多い島根県らしいしじみの出汁を使った道具汁は、飲んだ翌朝の朝ごはんにぴったり!と審査員の方にも高評価を得ていました。

栃木県 那須温泉 ホテルエピナール那須

那須温泉 ホテルエピナール那須の朝食

「大地の恵み♪ほうれん草のチャウダー」「いちごのフレンチトースト」

ほうれん草のチャウダーに入る野菜は、30種類とたっぷり!普段はなかなか多くの種類の野菜を摂ることは難しいですが、宿泊いただくお客様の健康を気遣ったメニューをつくりたいという想いから生まれたメニューだそう。いちごのフレンチトーストは2日間しっかり漬け込み焼き上げていて、中までしっかり味が染み込んでいます。
フレンチトーストと一緒に野菜のスープがあることで、甘いものも罪悪感なく楽しめると唯一の女性審査員の浜内千波さんからも好評でした。

三重県 ホテル 季の座

ホテル 季の座の朝食

「三重の旬材!地鶏らんらん(卵卵)蒸し」「農家の朝獲れ野菜と時季鮮魚の塩煮郷土汁」

らんらん(卵卵)蒸しはシェフではなく、女性従業員からの発案メニュー。餌にもこだわった地鶏卵でつくられています。女性ウケが良くなるように、見た目や舌触りになんども工夫を重ねたそう。
シェフ自身が小さな頃から野菜が嫌いだったこともあり、野菜が苦手なお客様にも食べやすくしたいということ、さらにシンプルな郷土料理のかたちで地元野菜を食べてもらいたいという想いから郷土汁にしたそうです。

岐阜県 岐阜都ホテル

岐阜都ホテルの朝食

「あゆ雑炊〜香ばしい鮎チップを添えて〜」「奥美濃古地鶏の朴葉味噌焼き」

あゆの旨みが優しくシンプルに味わえる雑炊は、あゆの香りも印象的。味に深みがあり、美味しくて珍しい一品と審査員にも好評でした。
コクのある旨みが特徴の奥美濃古地鶏をクルミが入った朴葉味噌で焼き上げた一品は、海外からの宿泊客にも人気で、朴葉味噌をパンに塗って食べる方もいるそうです。

長野県 白骨の名湯 泡の湯

白骨の名湯 泡の湯の朝食

「じっくりコトコトまろやか温泉粥」「女将の気まぐれ小鉢」

“三日入れば三年風邪をひかない”と言われる白骨の名湯の温泉水を使った温泉粥。口に入れる瞬間に、ほんのり温泉の香りが広がります。今回は宿で普段提供する時と同様の土鍋を持ち込んで炊いたそう。「質素で地味ながらもここ(ファイナル)まで来れたのは、本当に美味しいものだから」という女将さんの言葉が印象的でした。

香川県 小豆島温泉 リゾートホテルオリビアン小豆島

小豆島温泉 リゾートホテルオリビアン小豆島の朝食

「カリッとモチっと♪小豆島ガレット」「島鱧・せとうち海鮮味噌汁」

小豆島素麺を使用したオリジナルのガレットと小豆島の鱧を使った海鮮味噌汁。
ガレットは、 小豆島特産そうめんをベースに、魚のすり身、ちりめん、刻み野菜、オリーブオイルなどを混ぜ合わせています。トッピングのソースも3種類お好みで。
海鮮味噌汁は、オリーブオイルを入れるとまろやかになり、また違う雰囲気が楽しめます。

決定!日本一の朝ごはんは「岐阜県 岐阜都ホテル」

岐阜県 岐阜都ホテルの方と審査員の集合写真

審査の結果、第一位は、岐阜県の「岐阜都ホテル」に決定!
受賞メニューは「あゆ雑炊〜香ばしい鮎チップを添えて〜」と「奥美濃古地鶏の朴葉味噌焼き」です。

表彰される岐阜都ホテルのシェフの写真

受賞した「岐阜都ホテル」のシェフからのコメント
セカンドステージからは、『奥美濃古地鶏の朴葉味噌焼き』の朴葉味噌の味調節を特に気にかけていました。本番はいつも通りに調理することだけを考えていましたね。優勝が決まった瞬間はとても嬉しかったです!優勝が決まってから、表彰式やインタビュー取材が続いて、私自身はまだホテルで待っている社員とは連絡を取っていないのですが、ずっとポケットの中の携帯がなっています(笑)。日本一ということでとても光栄です
メニューに対するこだわりと、優勝した喜びに溢れたコメントをとても生き生きとした様子で語ってくださいました。

第二位からの順位は次のとおりです。

第二位 三重県 ホテル 季の座

「三重の旬材!地鶏らんらん(卵卵)蒸し」「農家朝獲れ野菜と時季鮮魚の塩煮郷土汁」

ホテル 季の座のシェフがコメントしている様子

受賞コメント:「キッチンにいるメンバーだけでなく、全員野球で勝ち取った準優勝だと思っています」とホテルの社員全員はもちろん、地元の農家さんや漁師さんにも感謝されているコメントが印象的でした。

第三位 長野県 白骨の名湯 泡の湯

「じっくりコトコトまろやか温泉粥」「女将の気まぐれ小鉢」

長野県 白骨の名湯 泡の湯の女将がコメントしている様子

第四位 島根県 国民宿舎千畳苑

「ノドグロの炙り朝寿し」「浜田アンコウの道具汁、芋煮仕立て」

第五位 香川県 小豆島温泉 リゾートホテルオリビアン小豆島

「カリッとモチっと♪小豆島ガレット」「島鱧・せとうち海鮮味噌汁」

第六位 栃木県 那須温泉 ホテルエピナール那須

「大地の恵み♪ほうれん草のチャウダー」「いちごのフレンチトースト」

まとめ

今回「朝ごはんフェスティバル®︎2018」に登場した朝食メニューは、季節にもよりますが、各宿泊施設で実際に味わうことができます。どこの施設も、地元の良さをアピールする熱意に満ちていて、宿泊施設としてだけでなく地元を代表しているという気持ちで大会に臨んでいるだけあって、どのメニューも個性的で魅力にあふれていました。
審査員の中には「こんなに雰囲気が良いコンテストはなかなかない」という声もあったくらい、競い合う大会にもかかわらずピリピリした空気はなく、自信たっぷりの朝ごはんをアピールしようとする気持ちが溢れるコンテストでした。

地元の新鮮な食材をふんだんに使ったメニューの背景には、ホテル内だけでなく、生産者の方の協力もあってこそだと語るシェフがとても多かったことも印象的でした。このコンテストをきっかけに、地方の宿泊施設と工夫を凝らした朝食メニューに注目が集まり、多くの観光客を惹きつけることが、さらなる地域活性化に繋がることでしょう。
今後も「朝ごはんフェスティバル®︎」に目が離せません。

取材協力

イベント名 楽天トラベル 朝ごはんフェスティバル 2018