大学生の食生活を支える「学生食堂」。一般利用できるところもあり、安くて美味しい穴場スポットとしても注目されています。そんな学生食堂に、近年、外食企業が参入する動きが活発化しています。

食事中の大学生

少子化が進む中、学生獲得を狙い学生食堂の改善に力を入れる大学側と、ターゲット拡大など新しいマーケットの開拓を図る外食企業とのニーズが一致。
ファストフードからホテルまで、幅広い企業が出店しています。

ケンタッキーフライドチキン「関西学院大学店」2014年4月28日オープン

関西学院大学創立125周年記念事業の一環として、兵庫県西宮上ケ原キャンパス構内に、KFC初となる学食形態店舗を出店。
フードコート出店で培ったノウハウを活かした店舗で、同店限定の学生向けセットメニューや、昼の時間帯限定として「ケンタ丼」といったご飯メニューなども提供する予定だそうです。

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※引用:日本KFCホールディングス株式会社

はなまるうどん「麗澤大学学生食堂店」2014年4月1日オープン

讃岐うどんのさらなる需要掘り起こしの場として、社員食堂に続いての、うどんチェーン初の大学構内出店となります。

新たな若者向けメニューの開発にも取り組むとのこと。店舗運営は、株式会社グリーンハウス
慶應義塾大学の学生食堂からスタートし、学食・社食はじめ幅広いフードサービスを展開している企業です。

大阪王将「阪大宙店」2013年3月オープン

大阪王将を展開するイートアンド株式会社が、大阪大学豊中キャンパス学生食堂内に出店。

学生食堂の域を超えた本格中華を提供するとともに、若者ニーズを捉えた商品開発にも役立てる考え。
学生から好評を集め、1日に300~350食が出ているそうです。

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※引用:イートアンド株式会社

プリンスホテル「鴨台食堂」大正大学内に2013年4月オープン

大学からの働きかけにより実現した、プリンスホテル初の学内レストラン。本格的なメニューを、学生食堂ならではのリーズナブルな価格で提供。

同店と同時期に学内に新設された「すがも鴨台観音堂」への参拝者や、近隣住民などが多数利用しているそうです。

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※引用:Cafe&Dining「鴨台食堂

また、未来の飲食業界を担う人材を輩出するかもしれない、学生食堂ならではのこんな取り組みも。

◆千葉商科大学・学生ベンチャーによる学生食堂、2011年4月よりスタート

千葉商科大学では学生の起業支援の一環として、飲食店経営希望者を学生から募集。

コンペに勝ち抜いた学生が、キャンパス内で飲食店を運営しています。
現在は、現役学生による洋食店、カナダでホットドッグ屋台を経営していた学生OBによるホットドッグ店、本場中国で修業した学生OBによる中華料理店の3店舗。
中華料理店は市川駅前に2号店を出すほどの成功を収めています。

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※引用:千葉商科大学

学生食堂への参入には、販路拡大という意味だけではなく、今後消費の核となる若者層への認知拡大、若者ニーズを見据えた商品開発、テストマーケティングの場となるなど、外食企業にとって多彩なメリットがあるといえるのではないでしょうか。

(記事作成:大住)

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