
コロナ禍の離職もゼロ!「ずっと働きたい」と思える環境を生み出す方法とは
──人気店を支えるスタッフさんについて聞かせてください。
うちでは、アルバイトの高校生から高齢のスタッフまで幅広い層が活躍しています。正社員は13名で、定着率はかなり高いですね。このコロナ禍にも離職したスタッフは一人もいませんでした。
コロナ禍ですが経営は安定していましたので、社員の雇用を止めたり、給与を減額したこともありません。スタッフ一人ひとりが安心して働ける環境づくりには、これからもこだわっていきたいです。
スタッフが定着する理由は、宮本曰く「特別なことをしないこと」だそうです。でも私の目からは、宮本がスタッフを思う気持ちはかなり強いと感じますね。なにかトラブルを起こしたりするスタッフがいても「3年は見守ろう」とあたたかい気持ちでいつもどっしり構えているんです。
──スタッフさんとどんな風にコミュニケーションをとっていますか?
いまはコロナ禍なので難しいですが、それ以前はずっと業務時間外のコミュニケーションも大切にしていました。一緒に食事に行って仕事とは関係のない話をしたり、そんななにげない時間が宮本もスタッフも大好きなんです。宮本が店舗に顔を出すと、仕事の話が終わっても、みんな宮本と一緒に食事にいきたくて帰らずに待ってるんです(笑)。
この時代、そういうコミュニケーションが苦手な子ももちろんいるので無理強いはしていないのですが、なぜかうちにはそういう子が集まってくるんですよね。「今日はどこに連れていってくれるんですか」なんてスタッフから声をかけている姿をよく見ますし、「一生ついていきます」なんて言っているスタッフもいるくらい、代表とスタッフの距離が近いです。
宮本はそんなスタッフたちのことを「宝物のように思ってる」といつも話してますね。愛を持って一人ひとりと接している姿は、創業当時から変わっていないです。
──代表は、なぜそういった考えに至ったのでしょうか。
昔は、若いころに少しつまずいてしまったとしても、また新たな場所で頑張れる機会が与えられていたけど、今はそうじゃない。宮本はそこを変えたいと思っているんです。別の場所で失敗したとしても、もう一度しっかり歩き出そうと考える若者がいたとき、そのチャンスを与えられる場所をつくりたいと思っていたそうです。
だからこそ、そういう子を応援する気持ちで、経験が浅いスタッフや県外からの入社も歓迎しているんです。宮本はスタッフ一人ひとりのことを本当に大切にしていますね。その愛情がスタッフにしっかりと伝わっているから、これだけ慕われているんだなと感じます。
──石川さん自身が思う、「つじ半」で働く上での魅力はなんですか?
僕自身は、明確なポジションがないことが魅力の1つかなと思っています。役職という役職もないからこそ、全員がフラットなんです。立場や経験年数に関わらず、どんな業務にもチャレンジできるし、マニュアルにとらわれない働き方ができることはうちの特徴ですね。
──逆に課題はありますか?
実はいま挙げた魅力は、私たちの弱みでもあると感じていて。現在の「つじ半」は、宮本や僕が「やろう」と口に出したことを全員でかたちにしていくスタイルなんです。でも、僕たちはスタッフ一人ひとりにもっとアイデアを出してほしいし、主体的に動いてほしい。明確なポジションが「店長」までしかない分、そこから上を目指しにくくなっているんだと思います。
どの店舗も繁盛しているからこそ現場は忙しく、目の前の仕事でいっぱいいっぱいになっています。今後も出店予定がありますし、組織が大きくなるに伴って人員体制も強化していく段階に入っています。これまでにはなかった明確なポジションも用意して、それぞれが自分の仕事をたのしみながら、そこを目指せる環境をつくっていきたいですね。
これからも、一歩一歩。目の前のお客さまに“宝物”を届ける仕事を続けたい
──今後のことについて聞かせてください。
うれしいことに色んなところから出店のお誘いをいただいていますが、僕たちはこれからも一歩一歩進んでいきたいという想いがあります。勢いに任せるのではなく、出店場所や近隣の環境もしっかり吟味していきたいですね。近年はフードコートなどへも出店しましたが、やはり神楽坂や前橋のように路面店のように独立した店舗でないと、僕たちが思うクオリティを維持するのが難しいとも感じています。今後は路面店を中心に、着実に進んでいきたいですね。決定しているところだと恵比寿や勝どき、あとは関西への出店も視野に入れています。
店舗が増えても大切にしていきたいのは、“宝物”のようなスタッフと“宝物”のような一杯を大切にしていくこと。それがこれから先も続けられたら最高だなといつも感じています。そのためには質を落とさずにお客さまの満足度を維持し、愛され続けるお店づくりに注力し続けたいですね。
編集後記
統括マネージャーとして各店を取りまとめ、代表と共に新規出店やデリバリーなどの新規事業の立ち上げにも奮闘する石川さん。そんな多忙な毎日のなかでも、スタッフ一人ひとりと向き合い、コミュニケーションをとることを大切にされているそう。その行動には、代表の宮本さんと同じようにスタッフを「宝物」のように大切にする想いが現れています。
2021年秋には、事務所も移転。新たな人員体制を整えるタイミングでもあるそう。流れに任せるのではなく、“一歩一歩”を踏みしめながら進む「つじ半」。今後もその「宝物」のような海鮮丼で、多くの方を笑顔にし続けるでしょう。
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