
2012年、東京・日本橋に誕生した海鮮丼専門店「つじ半」。器からはみ出さんばかりの海鮮をのせた「ぜいたく丼」一本で勝負し、多くのお客さまに愛されるお店へと成長しました。
コロナ禍でもその勢いは衰えず、行列ができる店舗も複数あります。そして、コロナ禍で新たにオープンした店舗でのテイクアウトや既存店でのデリバリーも好調!
そんな「つじ半」の人気の秘訣やこだわり、高い定着率を誇るチームづくりの方法について、広報兼統括マネージャーの石川 敬雅(いしかわ たかまさ)さんにお話を伺いました。
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「海鮮丼をもっとたくさんの人に食べてほしい」その想いから、人気店をつくりあげるまで
──まずは自己紹介をお願いします!
「株式会社MTK」で統括マネージャーをしている石川です。2012年9月に入社し、本店の立ち上げから現在に至るまで「つじ半」の運営に携わっています。
「つじ半」日本橋本店を立ち上げる際に、私の父が代表の宮本から「料理長をやらないか」と声をかけられたことがそもそものきっかけですね。私はその当時も飲食業界で働いていたので、その経験を買ってくれた代表が、父を経由して僕を「つじ半」のチームに誘ってくれたんです。そこで僕もチームに合流し、「つじ半」の立ち上げから携わることになりました。
現在は都内だけでなく埼玉や名古屋にも出店をしているため、全店舗の統括業務も行っています。
──創業当時のことを教えてください。
「つじ半」は、ラーメンの「つじ田」の創業者である辻田 雄大と、「日本橋 天丼 金子半之助」の創業者・金子 真也、そして「株式会社MTK」の代表を務めている宮本の3名で立ち上げたんです。辻田と金子がもともと人気店を運営していたので、そのノウハウを集結し、新たに立ち上げたのが「つじ半」ですね。
「つじ田」も「日本橋 天丼 金子半之助」も、メニューの数で勝負するのではなく、ラーメン、そして天ぷらの“一点勝負”というスタイルをとっていた。だから「つじ半」でも、さまざまな海鮮丼を提供するのではなく、「ぜいたく丼」一点勝負でスタートすることになりました。
はじめは、材料費のあまりの高さに苦戦しました。最終的に、3人の共通の知人が代表を務める北海道の水産会社「キョクイチ」とタッグを組むことで、新鮮で高品質な海鮮を使用した「ぜいたく丼」を生み出すことに成功したんです。
内装は京都のデザイナーに依頼をして、木をふんだんに使用した高級すし店のような内装を手掛けてもらいました。そして2012年9月、日本橋に1号店を無事オープンしたんです。
──すぐに現在のような人気を獲得できたのですか?
いいえ。実は、オープンから半年ほどは鳴かず飛ばずだったんです。だけど僕たちは当初から「一度食べてもらえれば絶対においしいと思ってもらえる」という自信があった。でも、その最初の一回を生み出すことに苦戦しましたね。
いろいろと試行錯誤をして辿り着いたのが、現在のメニュー構成です。「ぜいたく丼」という海鮮丼1種類で勝負をしていますが、松竹梅と特上というトッピングの量や具材などが少しずつ異なる4タイプをつくりました。当初は、それがなかった。本当に1種類のみ。そこで現在のメニューに変更したところ、メディアに取り上げてもらえるチャンスもあり、話題になりました。そこからはもう、ありがたいことに客足も売上も右肩上がりです。
一瞬の盛り上がりで終わらない!「人気店」であり続けるための極意
── 一度人気が出たとしても、それを維持するのは難しいのでは?
たしかにそうですね。ですが僕たちが当初考えていた通り、一度来てもらえればまた来たいと思ってもらえる。そのチカラが「つじ半」の丼にはあると考えています。私たちは日々たくさんのお客さまに「ぜいたく丼」を提供していますが、お客さまにとって“数多くの丼のなかの一杯”ではなく、わざわざ足を運んで食べにきた“特別な一杯”です。だからこそ、日々一杯一杯に想いを込めてお出ししています。なにがあっても質を落とさないように、その一杯にこだわりを詰め込んでいますね。
そうした考え方は、代表の宮本が創業当時からこだわり続けている大切な点です。それぞれの店舗で働くスタッフへも、その想いは大事なタイミングで何度も共有していますよ。
一度来てくださった方はご本人がリピーターになってくださるだけでなく、「おいしかったよ」とご友人やご家族などにも広めてくださるんです。だからこそ、多くのお客さまに愛されるブランドへと成長することができました。
お客さまの年代も幅広いですね。若い方だけでなく、年配の方も長い行列にならんでくださるんです。本当にいつもありがたい気持ちでいっぱいです。「日本に行ったらここは外せない!」と海外のサイトや旅行本などに掲載されているそうで、コロナ禍に入る前はインバウンドのお客さまも沢山いましたよ。
──新型コロナウイルス感染拡大の影響は受けましたか?
商業施設では客足が減った時期もありましたが、コロナ禍でも黒字経営を維持することができ、路面店ではコロナ禍以前の売上を担保できています。こうした結果につながったのは、これまで通り「目の前のお客さまに最高の一杯を食べてほしい」という想いを絶やさなかったから。これから先、時代にどんな変化が起きようと、そこは変わらずに進んでいきたいですね。
──コロナ禍にも出店や新たな取り組みにチャレンジしていますよね。
2020年9月に東京ミッドタウン店、2021年4月にららぽーと富士見店をオープンしました。六本木にある東京ミッドタウン店は「つじ半」ではじめて、テイクアウトの商品も販売しています。はじめは海鮮丼ではないお弁当のみをテイクアウト商品として用意する案もあったのですが、やはり自分たちのこだわりである「ぜいたく丼」でいこう!と試行錯誤しました。
苦労したのは、あたたかいご飯と新鮮な海鮮、そしてイートインでも出しているシメの出汁茶漬けの出汁、その3つをどうバランスよくテイクアウト用の商品として完成させるのか。あとはショーケースでの魅せ方や並べ方にも工夫をして、テイクアウトでも「つじ半」のこだわりを感じていただけるよう努力しました。
──デリバリーも開始されたとか。
はい。2020年に「出前館」と「Uber Eats」による出前もスタートしました。これも実は、はじめは上手くいかなかったんです。お客さまから「いくらの汁がこぼれてた」というお声をいただいたいたことも。ですがそんなお客さまの声が本当にありがたかったです!ご意見をいただいたらすぐに、「いくらは別添えにしよう!」と改善。そのほかにも食べ方を細かく説明した紙を同封するなど、家にいながらにして「つじ半」の味をお楽しみいただけるよう工夫しました。
いまでは、「Uber Eats」を利用していただいている方からも「お店と同じ味を家で食べられてうれしい」というお声をいただくことも。僕たちの想いがしっかり届いていると感じられて、とてもうれしい瞬間ですね。
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