イメージ:コックコートとイメージ:コックコートとコック帽をかぶった20代前半ほどの男の子と、白いシャツを着た同年代のショートカットの女性が二人並んでガッツポーズをとっている

昔は当たり前だった「見て覚えてもらう」といったやり方ではうまくいかず、スタッフの育成について悩みを抱える店長や教育担当者の方も多いのではないでしょうか。

通常の業務をこなしながら新しく入ったスタッフに仕事を教えるのは、非常に手間のかかる作業です。

しかし、スタッフ育成に力を入れているお店は、新しいスタッフの定着率も高く、スタッフ同士も良好な関係を築いている傾向があります。

この記事では、飲食店におけるスタッフ育成のメリットや、スタッフ育成の手法、スタッフ育成を実施する上で気をつけるべきポイントを解説します。

飲食店でスタッフを育成するメリット

これまでスタッフ育成を実施したことがないお店では、スタッフ育成の必要性や、スタッフ育成をおこなうことでどのような効果を得られるのかわからない方も多いかもしれません。

まずは、スタッフを育成する必要性やスタッフを育成することで得られるメリットを紹介していきます。

こんな悩みがあるならスタッフ育成に力を入れよう

あなたのお店で、このようなお悩みはありませんか?

「新しく入ってくるスタッフに毎回仕事をイチから教えるのが大変」
「新人教育に初めて携わるけど何をすればいいのか?」
「スタッフが主体的に働いてくれるにはどうすれば・・・」

このような状況が分かっていても、どう対処すべきかが分からず、お客様の不満やクレームにつながってしまったり、お店の大事なスタッフが辞めてしまったりしたという経験がある人もいるのではないでしょうか。

このような事態を防ぐためにも、スタッフの育成に力を入れてみてはいかがでしょうか。

スタッフ育成に力を入れるメリット

これまでスタッフ育成をしてこなかったお店では、スタッフ育成の必要性をあまり感じていない方も多いでしょう。しかし、どんなお店でもスタッフ育成をすることで得られるメリットがあります。

ここでは、スタッフ育成するメリットを3つ紹介します。

1.お店の信頼を得られる

新人スタッフの中には、学生や、社会人経験が浅い人もいます。そのため、社会人としてのマナーや正しい言葉遣いが分からないという場合も珍しくありません。

このような背景があることからしっかり育成しておかないと、お客様に失礼な応対をしてしまいかねません。

お店に対するイメージはスタッフの接客態度と大きく結びついているため、新人スタッフであっても一定の基準は満たさなければなりません。

そのため、スタッフ育成の一環として社会人のマナーや常識を身に着けてもらえれば、お客様への接客態度が良くなるだけでなく、お店に対する信頼感も高められます。

「信頼感」や「安心感」は、お客様がお店を選ぶ際の基準のひとつにもなりますので、スタッフ育成は重要だといえるでしょう。

2.お店の生産性を高められる

スタッフ育成をおこなうことによって、お店の生産性を高められる効果が期待できます。なぜなら、スタッフ育成によってそれぞれのスタッフがスキルアップするからです。

一人ひとりのスタッフのスキルが向上すれば作業効率が良くなるため、お店全体の生産性も上がります。

求人を出しても応募者が集まらず、人手不足に悩んでいるというお店でも、既存のスタッフがスキルアップすることで、新たな人員を採用しなくても業務を回せるようになる可能性もあるでしょう。

3.優秀な人材の定着につながる

人が働く上でモチベーションを保つために必要な要素のひとつとして、「やりがい」があります。仕事にやりがいを感じられなくなると、自ら進んで成長しようとする意欲がなくなり、職場に対する不満も抱えやすくなります。

やりがいを感じられないために、優秀な人材がもっと活躍できる職場を求めて退職してしまうかもしれません。

しかしスタッフ育成を行えば、それぞれのスタッフに合わせて課題を与えて、スキルアップする機会を提供できるため、仕事のやりがいも自然と感じやすくなります。

新しい仕事を任されたり、スキルアップできる機会を与えられたりすることは、スタッフの向上心を刺激し、仕事へのモチベーションを高めてくれます。

そのため、職場への不満による離職を防ぎ、優秀な人材が定着してくれる効果が期待できます。

飲食店におけるスタッフ育成の手法3選

イメージ:机の上にノートパソコンを置き、頬杖をついて考え事をしている女の子の写真

お店全体の生産性を上げ、優秀な人材を定着させる効果が期待できるスタッフ育成。では、飲食店ではどのような方法でスタッフ育成を実施するとよいのでしょうか。

ここでは、飲食店におけるスタッフ育成の手法を3つ紹介します。

マニュアル作成

マニュアルは仕事をするときの目安となる行動指針です。店舗全体で共通認識をもつためのツールにもなります。マニュアルを作成しておくと、仕事のクオリティを安定させるのにも役に立つでしょう。

作成しておくとよいマニュアルは以下になります。

  • 業務フロー
  • 接客マナー
  • キッチン業務
  • トラブル時の対応

紙のマニュアルだけでなく、動画や画像にするとわかりやすくておすすめです。基本マナーやアルバイト向けの研修動画は、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

クックビズの採用ノウハウ:動画講座|採用ノウハウ

OJT(研修)

OJTとは、実際の業務を通しておこなう教育研修を指しています。

研修制度があると、新人スタッフの安心感につながるだけでなく、教えるスタッフのスキルアップにも役立ちます。

OJTはお店で実施できるため、コストがほとんどかからないのもメリットのひとつです。

OJTを実施する際の手順は以下になります。

1.業務リストを作成

業務フローを考えて、覚えてほしい作業をリスト化し、チェックシートなどを作る。

2.計画を立てて共有する

スタッフの経験やスキル、労働時間などを考えて研修の計画を立てる。

3.実践する

手本を見せる→説明する→やらせてみる→フィードバックの順におこなう。

評価制度

スタッフに自身の成長・スキルUPを実感してもらうために、評価制度をつくる方法もあります。

評価制度があることで、目に見えて結果を把握できるようになるので、モチベーションを高めたり、やる気を維持しやすくなったりします。

具体的には、基本業務や業務別スキル、店舗の行動指針などで大きく分け、それぞれ評価項目を明示した評価シートをつくりましょう。

スタッフ育成に活用する評価制度は、昇格を判断するための評価と、昇給するための評価と連動させると、さらにスタッフのモチベーションを高められます。

スタッフ育成で気を付けるべきポイント

イメージ:レストラン店内で男女4名の若いスタッフが集合してガッツポーズ

スタッフ育成では、実施する際に気を付けるべきポイントが4つあります。

コミュニケーションを怠らない

新人スタッフが店長や既存スタッフとうまく関係性が築けないと、スタッフ育成がうまく進められないだけでなく、早期離職しやすくなる傾向があります。

新人スタッフの早期離職を防ぐためにも、先輩スタッフが新人スタッフに教育する仕組みを取り入れるなど、日常的にコミュニケーションが取れる機会を組み込むと良いでしょう。

継続的に課題を提示する

スタッフ育成は一通り教えて終了ではなく、継続的に課題を提示してスタッフをスキルアップしていくことが大切です。

現状の課題に応じて解決策を考えてもらったり、スタッフ間でノウハウを共有しあったり、お互いが成長し合える機会を作りましょう。

企業理念を伝える

スタッフ育成を実施する目的を伝えておかないと、上司の理想を押し付けられていると感じるスタッフも少なくありません。

そのため、スタッフ育成を実施する前には、スタッフ育成の目的をしっかりと伝えておきましょう。

また、オーナーがどんな思いでお店を経営しているかも伝えることで、スタッフに当事者意識や責任感を持ってもらう効果も期待できます。

ほかの店舗の育成手法を参考にしてみる

どのような手法でスタッフ育成を実施すればいいか迷ったら、ほかの店舗の事例などを参考にして、自分のお店に取り入れてみるのも良いでしょう。

飲食人のためのニュースアプリ「ククロ」を活用すれば、ほかの店舗が実践しているスタッフ育成などの情報もチェックできますよ。

また、アプリ内にある「1分de学び」では、ビジネスの基本や社会人としてのマナーなどを学べるので、スタッフ育成の資料としても役立てられるでしょう。

編集後記

スタッフ育成はお店全体の生産性を高めるだけでなく、お客様からの信頼感を高め、優秀な人材の流出を防ぐ効果があります。

しかし、スタッフ育成を成功させるためは新人スタッフだけでなく、店長や既存スタッフとの関係性も大切にしなければなりません。

スタッフ育成に悩んだら、ぜひ「ククロ」をご活用ください。ほかの店舗の実例を参考にしながら、自店にあった育成方法を試してみてください。

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