
飲食店にかかってきた電話にどう対応するかで、お客様が店に対してもつ印象は変わります。
気持ちの良い電話対応だと今後も利用したいと思えるものの、対応が雑になってしまうとお客様がモヤモヤしてしまい、今後の利用をためらうかもしれません。
そこで今回は、飲食店の電話対応の基本やお客様へ好印象を残す対応のコツについて紹介します。電話対応のマニュアル作りなどを考えている方は、参考にしてみてください。
目次
飲食店の印象は電話対応で決まる!
電話対応はお客様の満足を左右する重要な接客といえます。接客というと店内でのお客様への対応だけをイメージしがちですが、顔の見えない電話でのお客様への接客も大切です。
これまで来店したことがないお客様だと、電話対応がお店の印象を左右します。電話対応で良い印象を与えることができれば、顧客獲得にもつながるかもしれません。
電話対応で心に留めておきたいのが、お互いの表情が見えないため、対面での接客と同じような話し方をしていても、受け手の印象は異なるということです。たとえば、少し微笑んで話していても声の調子だけではそれが伝わらず、「事務的」「不機嫌そう」などといった誤解を受ける可能性もあるわけです。
そのため、お互いの表情が見えないということを考えて、電話ならではの対応を身につける必要があります。
飲食店に多い電話対応の種類
飲食店で求められる電話対応にはどんな種類があるのか知っておくと、スムーズな受け答えにつながります。
飲食店に多い電話対応の種類は以下のとおりです。
予約、空席状況やキャンセルの電話
お客様から予約の電話を受けた際は、予約の日時や人数、代表者の氏名・連絡先を正確に聞きましょう。また、予約時にキャンセルの可否についても伝えておくことが大事です。
予約や当日の来店での空席状況の確認の電話はよくありますよね。すぐにお客様を案内できるように、最新情報が記載された予約台帳などを電話付近に置いておきましょう。
予約のキャンセルの電話に対しては、場合次第でキャンセル料の支払いを求めることもあるため、慎重な対応が求められます。
店舗の場所の確認
初めて来店するお客様から店舗の場所の確認の電話がかかってくることもあるでしょう。そんなときは、親切な電話対応でお店の印象を上げたいものです。
あらかじめ目印となるものなどを確認しておいて、初めて来る人でもわかりやすいようなルート説明を店舗の電話機の近くに貼っておくと良いでしょう。また、電話を切る前に「わからない場合は、再度ご連絡ください。」と伝えておくとより親切です。
イレギュラー対応の確認
補助が必要なお客様やアレルギーをお持ちのお客様への対応などについて電話で問い合わせがあることもあります。また、誕生日やプロポーズなどのサプライズ演出などの相談をされることもあるでしょう。
そのため、イレギュラー対応の方針を事前にお店で決めておくことが大切です。すぐに回答できないような場合は、お客様をお待たせしないように折り返しご連絡させていただくなどして、迅速で丁寧な対応しましょう。
無理なお願いでも、きちんと話を聞いた上で対応すると印象が格段に良くなります。逆に、話をよく聞かずに対応していると、謝罪の言葉を添えたとしてもマイナスの印象を与える可能性があるので注意が必要です。
クレーム
クレームの電話がかかってきた場合は、誠意ある態度で臨むことが大事です。まずは、お客様からの苦情をよく聞きましょう。
声のトーンや話し方から相手の怒りが伝わると少し動揺するかもしれませんが、相手の話を冷静に聞くことを意識してみてください。相手の話をよく聞くと、お客様が何に対して気分を害されているのか、また、そのことでどのような気持ちになっているのかを理解できます。
状況を正しく理解した上で、対応することが大切です。
もしも電話を受けたスタッフで解決するのが難しい場合は、すぐに責任者へ引き継ぐように指示しておきましょう。また、責任者が不在時の対応についても決めておき、それをスタッフ間で共有しておくことも役立ちます。
飲食店での電話対応の基本4つ
飲食店での電話対応は通常の対面での接客とは異なります。電話対応の基本を紹介しますので、実践してみてください。
1.ハキハキ・ゆっくり・丁寧に
明るく、ハキハキした声で応対しましょう。電話は声だけが頼りなので、相手が聞き取りやすいようにハキハキと話すことが大事です。
また、電話は表情が見えない分、声のトーンが低いと暗い印象を与えるため、意識的に明るい声にすることを心がけてください。
忙しい中で電話を取る場合、「店名」や「自分の名前」を早口で喋ってしまうかもしれませんが、早口だとお客様が聞き取りにくいので、聞き取りやすいように少しゆっくり話すことも意識してみてください。また、普段以上にていねいな言葉遣いを心がけることも感情が伝わりにくい電話での接客では大切なことです。
2.メモを取り・復唱・確認をする
電話対応では、必ずメモを取るのを習慣にしましょう。メモを取っておくと、「言った、言ってない」のトラブル予防につながるからです。
特に予約の聞き間違いは大きな損害を生むため、予約の日時や人数、代表者の氏名や連絡先などのメモを取ることが大事です。メモを取った後は、必ず書いた内容を復唱して相手に確認しましょう。
3.3コール以内に電話にでる
飲食店の電話はできるだけ早くでるようにし、相手を待たせないようにしたいものです。電話にでるまでの時間が長くかかると、相手にストレスをもたらしてしまいます。
接客中で電話が取れなかったなどといったやむを得ない事情で待たせてしまったときは、「大変お待たせいたしました。」といったひと言を必ず添えましょう。ひと言を添えるだけで印象が良くなります。
4.臨機応変な対応をする
思いがけない電話もくるので、落ち着いて対応しましょう。特にクレーム時は気持ちが焦ってしまうかもしれませんが、冷静に対処するようにします。
自分がよく知らないことについて電話で問い合わせがあった場合、曖昧な回答をしないことが大事です。事情がよくわかるスタッフに対応を相談するか、必要に応じて責任者などに電話を代わると良いでしょう。
自分では対応できないけれど、責任者や事情に通じたスタッフが電話に代われない場合も、そのまま電話口でお客様をお待たせするのは避けたいものです。連絡先と名前を聞いて、後でかけ直すようにしましょう。
飲食店での電話対応をレベルアップさせるポイント
電話対応の基本がしっかりとできていると、好印象につながります。しかし、ほかの飲食店との差別化を目指すなら、もうひとつ上の接客をしたいものです。
気持ちの良い電話応対をするためのコツを紹介しますので、お店でできることを導入してみてはいかがでしょうか。
マニュアルを作って対応を共有する
お店の一定のサービスの質を保つために役立つのが、店の電話対応に関するマニュアルを作っておくことです。
電話対応のマニュアルがあると、新人スタッフでもスムーズに電話対応ができます。また、スタッフ全員でどう対応するか情報を共有できるので間違いを防ぐことにもつながります。
ロールプレイング方式で実践する
実際にスタッフ同士でお客様役とお店のスタッフ役に分かれて電話対応の練習をしておくのもおすすめです。
お客様が店の場所を尋ねてきたとき、接客態度についてクレームの電話をしてきたときといった場面を設定して反復練習すると、実際に電話を受けたときにも慌てずにすみます。
クレームやイレギュラー対応の電話にも強くなれるので、ロールプレイング方式で電話対応の練習をするのは良い方法です。
定期的にレベルチェックを行い、慣れてきた新人を教育する
定期的にスタッフのレベルチェックを行うと、その都度スタッフが復習できるので、安定したレベルの電話対応を維持することができます。
また、最初のうちは緊張感をもって電話対応を行っていたのに、接客になれてくるにつれて対応が雑になることもあるでしょう。定期的にレベルチェックを行うと、スタッフの慣れからくるサービス品質の低下を防ぐことができるというメリットもあります。
編集後記
飲食店に電話をしたお客様が気持ち良いと感じてもらえるような電話対応をすると、お店について良い印象をもってもらえ、顧客獲得にもつながります。
電話での対応は、対面での接客以上に声のトーンや話し方に気を配り、好印象を残すような接客を心がけることが大切です。そのためには、電話対応のマニュアルなどを作成し、スタッフ全員が質の高いサービスを提供できるようにしておきましょう。