飲食店の今すぐできる採用計画の立て方メイン画像

「なぜいつも、うちの店には人手が足りないのか?」
飲食店、外食企業の採用・人事担当をしているけれど、店舗ごとのスタッフ采配でいつも困っている…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

人手不足を解消し、バランスよく採用するために大事なポイントは“年間で採用計画”を立てること!

外食企業の人事担当経験者としてそのノウハウを知り尽くし、クックビズ「フードカレッジ」の講師として180社・2,000名以上の飲食人育成にあたってきた荒木 寿夫さんが、「飲食店の採用計画」の立て方を、4つのポイントで具体的に解説します。

フードカレッジ講師荒木さんの小さい顔写真

荒木 寿夫(あらき ひさお)/「フードカレッジ」講師
大学卒業後、マネジメント業務や人事業務に従事。その後飲食企業にて採用から教育まで一気通貫で携わる。クックビズ入社後、研修や人事評価・経営理念浸透のコンサルティングを通じて企業課題を解決。「クックビズフードカレッジ」講師として全国各地を飛び回り、各種メディアでも取り上げられる。

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年間の採用人数を決める

まずは店舗ごとに採用が必要な人数を算出してみましょう。
その際に大切なのは、年間に何人を採用する必要があるのか?その人数を算出することです。

初めに、前年度(1年間)の離職率を出します。

離職率

離職率 = 年度初めから1年間の離職者数 ÷ 平均在籍者数 × 100

このうちの平均在籍者数は、期初と期末の在籍者数を足し、「2」で割ると算出できます。

平均在籍者数

平均在籍者数 = ( 期初の在籍者数 + 期末の在籍者数 )÷ 2

ある企業の事例を当てはめて計算してみます。たとえば、前年度に100人の平均在籍者数がいて、10人の離職があった場合は、「11.1%」という離職率が算出できました。

離職率の計算式

次に1店舗あたりに必要な人数に店舗数を掛けて、会社全体としての「在籍必要人数」を算出します。

この「在籍必要人数」に対し、先ほど算出した離職率を掛ければ、年間で採用が必要な人数が算出できます。

年間で採用が必要な人数

年間で採用が必要な人数 = 在籍必要人数 × 離職率(前年度)

仮に1店舗当たり2人が必要で、20店舗ある場合は、在籍必要人数は40人。前年の離職率は11.1%(0.11)ですから、計算すると「4.4名」が年間の採用で必要な人数になります。

年間で採用が必要な人数の計算式

そのため、今年度は5名の採用を見込んでおいた方が良いということが導き出されます。

採用する時期を決める

次に、採用する時期を決めます。

社員やアルバイトからの退職意向が上がってきてから採用をかけると採用や入社後の教育が後手後手になってしまい、お客様へのサービスの質が低下してしまう恐れがあります。

採用した方が戦力となって現場に立てるように、入社後教育に必要な時間や採用開始から確定までに必要な時間を逆算して、採用開始時期を決める必要があります。

たとえば、12月の繁忙期に戦力として現場に立てるようになってもらう必要があるとして、入社後の研修に2ヶ月、求人募集から採用確定し、入社するまでに3ヶ月かかるのであれば、少なくとも7月には採用活動を開始する必要があります。

採用する時期の計算式

また、退職が発生しそうな時期を推測して採用活動を行うことも重要です。

昨年度の退職の発生時期や例年発生する時期を踏まえて、どのくらいの時期に退職が発生する可能性が高いのかを見越して、採用活動を行ないましょう。

退職発生予測式

採用したいペルソナ(ターゲット層)を決める

次に、採用したい人材のペルソナ(ターゲット層)を決める方法です。

誰でもいいからとやみくもに採用するのではなく、会社全体の人員構成を考慮して採用活動を行なうことで、組織構成をよりバランスのいい状態に近づけることができます。

ターゲット層を決める際には、さまざまな視点から絞り込むことができますが、「どういった層が必要なのか分からない」という場合は、最低限2つの視点で、会社に不足している層を見極めます。

それは、ポジションと年齢です。

たとえば、店長と一般社員が1名ずつ不足しているとします。現状の年齢別の社員構成を分析すると、30代後半の店長、20代前半の一般社員が少ないことが分かりました。少ないポジションと年齢層が、必要な人材であると判断するのであれば、店長候補として30代後半、一般社員として20代前半を採用したいターゲット層として絞り込みます。

ポジションと年齢層の計算式


※ただし求人募集・採用活動において、労働施策総合推進法上の原則として、応募条件に年齢制限は記載できません。求人広告を出す際は、使用する画像や求める能力、仕事内容などでターゲット層を意識しましょう。

採用に必要な年間予算を決める

最後に、採用に必要な年間予算の算出方法です。

前年度の採用にかかった費用を参考に、当年の1名あたりの採用単価を算出します。

下記の事例のように、前年度に人材紹介サービスの利用で360万円を使い、4名を採用した場合には、一人当たりの採用単価は90万円となります。

採用単価の計算式

同じように、求人広告やその他の有料の採用手法でも、採用単価がいくらだったのかを算出します。
そのうえで、それぞれの採用手法で何名採用するかを決め、それぞれの採用単価に採用予定数を掛けて、全体の採用費用を算出します。

年間で必要な採用費用

算出した採用単価に、今年度はそれぞれの採用手法で何名の採用を予定しているかを掛け算すると年間で最低限必要な採用費用を割り出すことができます。

まとめ

近年、新型コロナウイルス感染拡大の影響や人口減少、人件費・給与の高騰などにより、飲食業界へ働き手が集まりにくい状況が続いています。

採用難易度が上がっている中では特に、退職が発生したからと、誰でも良いので慌てて穴埋めの採用をする、という行き当たりばったりの方法では、真に求める人物の採用が難しい時代です。

そのためにも、離職が発生しそうな時期や人員不足が発生そうなポジション・年齢層を事前に把握しておくことが大切。「採用計画」は、採用活動のために必要な事前の準備です。しっかり準備することで、離職率を減らし定着につながる、よりよい採用活動をめざしていきたいですね。

(文章:荒木 寿夫、編集・構成:峯林 晶子)

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