こんにちは。クックビズ総研編集部の杉谷です。

先日、お伝えしたイベント「S1エキシビジョン2014」潜入ルポから、とっておきのネタをもうひとつ!
同イベントでは、第2部で接客スタッフ日本一を競う「S1サーバーグランプリ」 ※主催/NPO法人繁盛店への道」で高い成績を修めた女子らによるトークディスカッションを実施。
熱いガールズトークが繰り広げられました。

その中から「S1女子」の目線からみた、

  • いいお店のチェックポイント
  • 本当の気遣いができるお店とは
  • 女性スタッフのやる気をアップさせるコツ

についてご紹介します!

S1女子全景1

「S1女子」出演者

★写真右から順に★ ※左2名は司会進行スタッフ

◆伊藤愛子さん(もつ鍋・地鶏「塚田農場 水道橋西口店」
男女両方の気持ちがわかるニューハーフ・新人教育担当

◆中尾亜希子さん(株式会社ケントク サービスマネージャー)
第7回S1サーバーグランプリ関西地区大会ファイナリスト

◆中原美保さん(株式会社ファロンダイニング 総括マネージャー)
第7回S1サーバーグランプリ九州地区代表

◆大谷尚子さん(四季彩食 えびす座)
第5回S1サーバーグランプリ優勝者

いい飲食店のチェックポイントは

伊藤さん:私は、おいしいという評判は大前提の上で店に行きます(笑)。まずは接客態度をチェック!ニューハーフという立場上、男女両方の目でチェックできるのが私の強み♪

全員:ハハハハ

大谷さん:入った瞬間の「いらっしゃいませ」が一番のポイントですね。心温まる笑顔で迎えてくれたら、あとのサービスも期待できる。逆に、二度と行きたくないお店は、お手洗いが清潔でないこと。

全員:ウンウン、女性のお客様を増やしたいと思ったら、ここは最大のポイントですよね。

大谷さん:あとは頼んだものがなかなか来ない、こちらの質問に的確に応えられないなど、お客様に不安を与えるお店は、いくら料理がおいしくっても、ちょっと…。

全員:そうだよね~。飲食店は料理だけじゃなく、お店の雰囲気やサービスも含めて総合評価されるからね。全て含めて魅力的かどうか。この辺、女子のチェックは厳しいものがある(笑)。

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大谷さん:職業上からかもしれないけど、棚の皿の並び方や、スタッフの足音も気になります。どちらかというとお客様が見ていないところに、各飲食店の素顔が出ているような気がしますね。

中原さん:そうですね。私は視察もかねて行くんですが、盛り付け、お皿のチョイス、皿の温度、照明や空間デザインまでチェックし、良いと思ったことは、自分の店にすぐに取り入れるようにしています。

全員:なるほどね。お客様においしく味わっていただくための最大の配慮がなされている店は気持ちがいいですものね。

ドン引きする飲食店、本当の気遣いができる飲食店

伊藤さん:おきまりの接客ではなく、本当の気遣いができるお店はいいですよね。そういえば、昔、超ドン引きしたお店があったわよ~。

全員:なになに~???

伊藤さん:私のお誕生日にお店を利用した際のことなんだけど。いきなりそこのスタッフが、セールス風のスマイルを浮かべながらノリノリで近寄ってきてね、「お客様は〇〇さまですか~? は~い、お誕生日おめでとうございま~す!!!!」と店内中にひびく声で…。なんかこっちが恥ずかしくなっちゃって、うれしさもどこかに吹き飛んだわよ。

IMGP3957 ▲伊藤愛子さん(もつ鍋・地鶏「塚田農場 水道橋西口店」

全員:わかる==!! あからさますぎてもね~。

伊藤さん:例えば、うちの店では、トイレに「〇〇さん、お誕生日おめでとうございます!」って掲示しておくの。トイレは誰もが利用するので効果的。「トイレサプライズ」はお客様にも好評ですよ。

中尾さん:そうね。確かに「出過ぎないサービス」というのもありますよね。お客様の半歩先を行くぐらいがちょうどいい。たとえばコーヒーのおかわり自由のお店などでは、何度もテーブルにこられて「おかわりいかがですか?」と聞かれるより、お客様が飲んでいるカップの角度をみて、カップの底が見えるほど上がりきったところで、もう一杯いかがですかとたずねるのがスマート。うちのスタッフにもそう教えていますね。

大谷さん:私は、さりげなく気遣いができるように、お客様ノートをつけてます。顧客情報が集約され、ほかの接客スタッフにも役立っているようです。

中原さん:百人のお客様がきたら、百通りの接客があるってことなんですよ~。

IMGP3951 ▲写真右/中尾亜希子さん(株式会社ケントク サービスマネージャー)
▲写真中央/中原美保さん(株式会社ファロンダイニング 総括マネージャー)

男性上司必読!女性スタッフのやる気をアップさせるコツ

伊藤さん:これまで男性上司の中に、とにかく執拗に同じことをきいてくる人がいたのよ。もう~分かってるって~って感じ。あとは上司だからこそ気兼ねもあって、さりげな~くSOSを送っているのに、まったく気づかない人!!

全員:アハハハ。それもありそう。

伊藤さん:あと、ありがとうを言わない男性上司も多い気がする。

全員:うんうん、そうそう(笑)。叱り方もまずい人がいますよね~。

中原さん:叱り方といえば、なんといっても、そのスタッフと信頼関係を作ってから叱ることが大切ですよね。私は仕事の事だけでなく、後輩のプライベートの話もよく聞くようにしています。

大谷さん:こっちから、後輩スタッフに踏み込んであげるようにした方がいいですよね。

中尾さん:逆にほめる時は的確にキチンと…。男性上司はその辺りもマズイ人が多い気がします。「いつもがんばってるね」とかじゃなく、「ココの、この部分が良かったよ」って具体的にほめてあげることが大事。

全員:そのとおり!

中原さん:女の子は、プライベートがすぐに顔に出てしまう子が多いからね。そのままだとホールで接客に出しても、いいサービスが期待できないし。上司は、スタッフ一人ひとりの顔色をみて、察知できるようになることも大切ですね。私は、明らかにふだんと違う様子のスタッフには、店に出てもらう前に声かけをしています。

全員:なるほどね。

伊藤さん:女の子は、言い方とか伝えるタイミングが大事なのよね。後輩を教育するにしても、言い方ひとつで変わってくる。私は「接客を学ぶことは、お客様のためだけでなく、自分のためになるっていうようにしてるのよ。気配り、目配りを若いうちから身につけておくと仕事以外のシーン…例えば彼氏の両親の前でのふるまいとか、そんなところでとっても役立つんだよ」とかネ。

全員:なるほど~。

女子ディスカッション

───スタッフをより良く教育するには、一人ひとりに話を引き寄せることがポイントなんですね。いかがでしたか?S1女子ならではの本音トークディスカッション。歯に衣着せぬトークに、会場の男性陣もちょっぴりタジタジ!?ぜひあなたのお店の魅力アップにお役立てくださいね。

まとめ S1女子からのメッセージ

  • いいお店は「料理+サービス+お店の雰囲気」の総合評価で決まる!お客様のみていないところに、店の素顔が出るので気を付けよう
  • 百人のお客様がきたら、百通りの接客がある。状況によっては「出過ぎないサービス」を心得ておこう
  • スタッフ教育は、スタッフ一人ひとりの懐(ふところ)にとびこむことからスタート!具体的かつ的確なほめ方で女性スタッフのやる気アップ!

3月12日(水)は、いよいよ接客日本一を決める「S1サーバーグランプリ全国大会」。会場は、ゆうほうとホール(東京都品川区)です。
クックビズ総研編集部も取材に行きますので、またレポートをお届けします!

(取材・記事 杉谷淳子)

■詳細/公式サイト 「S1サーバーグランプリ全国大会」

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