こんにちは。「クックビズ総研」編集部の峯林です。

2000年の創業以来、注目を集めてきた大阪、谷町六丁目のイタリアンレストラン「オステリア アバッキオ」。

生パスタやその日仕入れた天然の鮮魚、和歌山産直の野菜などにこだわった上質なイタリアンを小さくあたたかな空間で提供するレストランです。

大阪のマイナーエリアだった「谷町6丁目」に腰を下ろして十数年、ゆっくりとファンを広げ、今やおしゃれスポットとなったこの界隈全体を代表するお店として注目を浴びるようになりました。
そんな「アバッキオ」では、2013年11月にクックビズからの採用が決定!

「アバッキオ」のファンだった方が今活躍されています。オーナーシェフである古田さん、採用されたスタッフの森下さんに「イタリアンレストランで正社員になる」をテーマにお伺いしました!

「アバッキオ」のオーナーシェフである古田さんとスタッフの森下さん

スタートは、面接の前から

───人材の出入りの激しい飲食業界でスタッフを定着させるのは、なかなか難しいといわれます。「アバッキオ」では、採用の際に、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

古田さん:私はその人の持っている今の技術よりも、「アバッキオ」がどんな店で、どんな料理を提供しているかを理解してもらうことが大事だと思っています。「アバッキオ」で働いてもらう場合も、面接の前に、まず食べに来てもらっているんです。今回、クックビズから応募してくれた方にはすべてそう伝えて、実際食べにきてもらってから面接していました。

───そうなんですね!「食べに来い」と言って、実際に応募された方たちはお店にいらっしゃったんですか?

古田さん:もし来なかったらそれまでですが、幸いにも来てくれる方も多数います。今回は3人が食べに来てくれたんですが、来てくれると、うれしいですね。11月に採用した24歳の森下君は、実は、以前から何度も「アバッキオ」に来てくれていたお客様だったんです。それは好都合?と、スムーズに面接までいき、実際に話をしたら、彼はイタリア料理の経験者で、将来は自分の店を持ちたいという、しっかりとした目標を持っていることが分かったんです。

「アバッキオ」の入口

───なるほど!お店にきてもらうことを条件にしていたら、タイミングよく、お店のファンにたどり着いたんですね(笑)。森下さんを面接されてみてどうでしたか?

古田さん:森下君は「アバッキオ」の味や店を好きでいてくれていることもあるのですが、経験者でもあるので飲食業界の大変さも知っているし、何より独立という目標のために技術をみがいたり、さまざまなことを学びたいという、真剣な思いと意欲を感じました。「アバッキオ」のキッチンは、ベテランのアルバイトもいるのですが、正社員としては私と2人なので、確実に大変になることも分かっています。「とにかくついてきてほしい!」と思いました。

───採用されてから、まだ3ヶ月経っていないですが、一緒に働かれてみてどうでしょうか?

古田さん:今、ドルチェと前菜を担当してもらっていますが、ほかにも、食材の扱いや知識などが身につけれるようなことにもチャレンジしてもらっています。ぐんぐん吸収していってるので、3年がんばれば、大きく成長すると思います。さまざまなことを身につけながら、将来の目標に向かっていってほしいですね。

───スタッフを育てるにあたっての何か方針はありますか。

古田さん:何をどう教えて、という決まったものはないですが、知りたい、やりたいということはすべて受け入れて、私が伝えられるかぎりのことは受け継いでいってもらっています。これはダメとかは言いません。そこで何を学ぶかは自分次第ですが。

───お店を増やす計画はないのでしょうか。

古田さん:今のお店を大きくしたいとは考えていませんが、森下君のようにお店を持ちたいといって、実際に独立したスタッフもいます。そんな目標のあるスタッフには、私のできる限りで、応援していきたいとは思っています。

「アバッキオ」の店内

ずっと好きだったイタリアンレストランに就職しました!

───森下さんはもともと「アバッキオ」のお客様だったとうかがいました。

森下さん:そうです。調理学校を出て19歳で就職したときに、先輩と初めて訪れました。最初はたまたまだったんですが、料理の味はもちろん、丁寧なサービスやお店の雰囲気が好きで、5年間の間に何度も食べに来ました。だから、転職活動中に「アバッキオ」の求人を見つけたときは、それまで働いていたイタリアンレストランをやめて、すぐに応募しました!

───「アバッキオ」に入って3か月足らずですが、どうですか?

森下さん:以前いたお店は、加工品を扱った簡単な調理しかできなかったんです。「アバッキオ」では、これまでにやったことのないこと、みたことのないものに触れる、すごく新鮮な毎日です。たとえば、生のポルチーニを触ったのも、ジビエに挑戦したのも僕は初めてなんです。

「アバッキオ」の厨房

───ジビエ!面白いですか?

森下さん:面白いですよ(笑)。カモ肉をカモの毛から毟るなんてことを、今までしたことありませんでした。「アバッキオ」では、食材の持ち味を生かすというオーナーの考えがあるので、産地やブランドなどのこだわりがちゃんとあって、料理の世界の面白さ、技術、奥の深さを、ぐんぐん吸収している手ごたえがあります。

───他に学んでいることってありますか?

森下さん:今まで僕はクローズキッチンでしか仕事をしたことがなく、オープンキッチンのお客様との距離の近さや風通しの良さにもやりがいを感じています。
「アバッキオ」はサービスもよくて、なんといってもサービス担当のオーナーの奥様のサーブがきれいなんです。

───最後に。将来はどんなお店を持ちたいですか?

森下さん:僕自身はまだまだ足りないものばかりですが、「アバッキオ」のようにオーナーの手がすべてに行き届き、オープンであたたかなお店を、将来持てればと思います。

───古田さん、森下さん、ありがとうございました。森下さんの【転職成功ヒストリー】も掲載中!ご一読ください

面接の前に、まずはお店に行こう!

年々丸くなってきたという笑顔の穏やかなオーナーシェフの古田さん。

2000年に「アバッキオ」をオープンさせた当時の谷六は、今よりずっとお店も少なくて、お寺かオフィスしかない場所だったそうです。
「この場所で飲食店はやっていけないよ」というようなことも言われたとか・・・。

そんな中、着実にファンを増やし、今やおしゃれスポットとなった界隈全体を代表するお店として注目を浴びるようになった「アバッキオ」。
その人気のヒミツは、「働く人にはまずは店の味を知ってほしい」という思いにも裏付けられる、料理に向かう真摯な姿勢なのかもしれません。

「アバッキオ」に限らず、飲食店への就職・転職は、どんなお店か、どんな料理かを実際に体感してみることは、就職に失敗しないためにも、非常に大切なポイント。

就職活動中のみなさんも、ぜひ面接の前に、お店を訪れてみてください!

[店舗紹介]
■オステリア アバッキオ
大阪市中央区谷町6丁目6-5 谷六コープ 1階
06-4304-2529
http://abbacchio.net/

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