
雨の日に来客数が減少することは、飲食店を経営している方が抱えるよくある悩みではないでしょうか。
数日程度であればそれほど問題ないとしても、何とかしたいと考えている方は多いでしょう。
雨の日でもお客様に来店してもらうためには、どうすれば良いのでしょうか。この記事では、実践できる対策を事例とともに紹介します。
雨の日に客足が遠のいてしまう主な理由
雨の日は飲食店の来店客が減少するのが一般的です。
主な理由として、「濡れたくない」「傘を持つのが面倒」などといったものが挙げられます。
とはいえ、雨の日は客足が伸びなくても仕方ないと諦めるのは時期尚早です。
飲食店の経営者は、来店客が減少するこれらの理由を踏まえたうえで雨の日の集客について考えなければなりません。
雨の日にも飲食店に行く顧客のニーズとは
雨の日の集客をするためには、まずは雨の日に飲食店に行く顧客のニーズを理解することが大切です。そうすることで、顧客のニーズにかなった対策を講じることができます。
食べたいメニューがある
雨の日であるにもかかわらず飲食店に行きたいと思うのは、食べたいメニューがあるからという理由が考えられます。
看板メニューがあるものの人気店でいつも混雑しているお店だと、普段は行きたいと思ってもなかなか行けないものです。しかし、雨の日ならすいているので行きたいと考える人がいるかもしれません。
また、雨の日限定のメニューがある飲食店も、顧客にとって魅力があります。そのような飲食店は「雨の日だから行きたくない」ではなく、「雨の日だからこそ行きたい」という気持ちにさせるものです。
料理を作りたくないとき
雨なので食材の買い出しが面倒とか、料理を作りたくないといったときも飲食店に行くことが考えられます。
この場合は、まだ行ったことのない新しいお店に行くよりも、近隣の行きつけの飲食店に行くことが多いでしょう。
既に約束や予約をしていたとき
友人や知人と前から食事の予定をしていた場合、雨だからといって必ずしも予定をキャンセルするとは限らないでしょう。
既に約束や予約をしていたとき、予定どおりお店に行って食事をする人がいるかもしれません。
雨宿りや家にいて時間があるとき
外出中に雨が降り出して雨宿りしたいときに飲食店を利用する人もいます。また、家族で遊びに行く予定があったものの雨でなくなったので、「食事でも行こうか」と話がまとまることもあるでしょう。
このような場合は、多少濡れても大丈夫なように、雨対策がきちんと取られている飲食店だと入りやすいです。
今すぐ実践したい雨の日対策とは
雨の日でも顧客のニーズを満たすようなサービスを提供すれば、集客につなげられるでしょう。
今すぐ実践できる雨の日対策を紹介します。
雨の日の限定サービスを行う
雨の日にその店で食事をするメリットがあると、天気が悪くても来店するという選択肢が増えます。そのため、雨の日限定サービスは集客において効果的な方法のひとつといえるでしょう。
具体的なサービスの例は以下のとおりです。
- 雨の日限定メニュー
- 雨の日限定の割引サービス
- スタンプ2倍サービス
など
これらのサービスを行うことで、雨の日でも集客が見込めるでしょう。
実際に雨の日限定サービスを導入しているお店の事例を紹介しますので、サービス導入のヒントにしてみてはいかがでしょうか。
事例1:汐留の有名ホテル
汐留にある有名ホテルでは、24階のダイニングにて雨の日キャンペーンを実施しています。
キャンペーン内容は、当日朝9時の時点で東京23区の降水確率が30%以上であれば、ランチビュッフェが20%オフになるというもの。
贅沢なホテルビュッフェを割引料金で食べられるため、お得感があります。
事例2:市ヶ谷の人気中華料理店
ふたつ目は、市ヶ谷の人気中華料理店が行っている雨の日限定サービスです。このお店では、昼と夜で異なる内容の雨の日サービスを実施しています。
ランチタイムでは次回の来店時に使える50円の割引券を配布、ディナータイムではその時のドリンクを100円割引するサービスを行っています。
このように雨の日に来店してくれたお客様に向けてちょっとしたサービスを提供すると、喜んでもらえるでしょう。
事例3:麻布十番の肉料理ダイニング
最後に紹介するのは、麻布十番の肉料理ダイニングです。このお店では梅雨の期間中は特別コースを提供しています。
人気メニューである厚切りローストビーフを含め、全10品がお値打ち価格で食べ放題です。
梅雨は雨が続いて外食が面倒になる時期ですが、期間限定の特別コースがあることで、行きたいという意欲を高められるでしょう。
雨の日でも入りやすい環境を整える
雨の日でも入りやすい環境を整えることも、集客を増やすのに役立ちます。
以下は雨の日に備えた店内環境を作るためにできることの例を載せているため、お店で実施しやすいものから取り入れてみましょう。
傘を席ごとに分けて管理する
出入り口に傘立てがあっても、利用をためらうお客様もいます。特に高価な傘やお気に入りの傘だと、紛失・盗難・取り違えが心配で傘立てを利用したくないと感じる方もいるでしょう。
また、食後に雨が止んでいた場合、出入り口に傘を置いていると忘れてしまうこともあります。
傘を席ごとに分けて管理すれば、そのような心配がなくなります。
タオルや置き傘を用意する
雨で濡れたお客様のために、おしぼりと別に乾いたタオルを用意しておくと喜ばれます。
また、食事の後に急に雨が降り出した場合に備えて、置き傘を用意しておくこともひとつの方法です。お客様に喜んでもらえるだけでなく、傘を返却するためにもう一度来店してくれる可能性があります。
このようなちょっとした配慮が集客につながるでしょう。
雨で濡れた床をこまめに掃除する
雨の日は濡れた靴や傘のせいで店内の床が濡れて滑りやすくなります。そのため、店の入り口にマットを敷いたり、傘袋を用意したりするなどして、床がビショビショにならないような工夫をしましょう。
また、床をこまめに掃除することは、お客様の転倒防止につながります。
雨の日対策を行うときの注意点
実施している雨の日対策を集客につなげるためには、いくつかの注意点があります。
雨の日対策を行っていることを周知する
せっかく雨の日対策を行っていても、そのことが周知されていなければ来客数アップにつながりません。
雨の日対策を行っていることをアピールすることが大切です。
既存のお客様にはDMを送る、初来店のお客様には看板やSNSを活用するなど、どんなサービスを行っているのかを知らせましょう。
そうすることで、「雨の日でも行ってみようかな」と思ってもらうことができます。
雨の日のための対応マニュアルを作っておく
雨の日にやることのマニュアルを作って、すべての従業員が均一の対応をできるようにしておきましょう。
主に以下の項目を意識しておくことが大切です。
- 傘立ての準備
- 雨の日の挨拶
- 雨の日サービスの説明
天候や状況に応じたスムーズな接客を心がけることで、顧客満足度が高まりお客様にリピーターとなってもらえる可能性が増します。
雨の日対策の情報を常に入手しておく
雨の日対策としてできることはさまざまです。どんなことができるのか常に最新の情報を入手しておくことで、より雨の日の集客を高めることができます。
飲食関係者向けのニュースアプリ「ククロ」なら、接客サービスに関するほかの飲食店の工夫などの情報も得られるため、より良いサービスを提供するためのヒントを得ることができるでしょう。
雨の日対策の情報入手のために、「ククロ」をぜひ活用してみてください。
編集後記
雨の日は濡れたくない、傘を持つのが面倒といった理由で客足が遠のいてしまいがちです。しかし、ちょっとした工夫次第で集客につながる可能性があります。
雨の日限定のサービスを提供したり、雨の日でも入りやすいと感じてもらえるような環境を整えたりすることに取り組んでみてはいかがでしょうか。
雨の日に利用するとメリットがある、雨の日でもストレスなく利用できると思ってもらうことで、客数アップにつながるかもしれません。
また、雨の日対策としてほかの飲食店がどのようなサービスを提供しているのか、常に最新の情報を入手しておくことも大切です。集客につなげる対策を打ち出すヒントが得られるでしょう。