店長に雑務はさせない!徹底した現場至上主義。ルールに縛られてばかりでは、飲食店の面白みを味わえない

ファッズ社員

藪ノ:店長になりたいと思うのは何故でしょうか?どこに違いがあるとお考えですか?

佐野氏:そうですね…、余所の店長業務とうちを比較した場合、圧倒的な違いがあるのは職務管理的な部分じゃないですかね。本部への報告や事務・総務といったことは最低限のことだけで、基本的には店の営業に専念してもらいます。

営業主義といいますかね、店長は営業が強くあるべきなんです。飲食業が好き、お客様と話すのが好きというスタッフが店長になるわけです。店長になっていきなり管理業務が増えると、仕事が面白くなくなってしまう。店長にやりがいや仕事の楽しみを感じてもらえるよう、営業重視の体制を貫いています。

藪ノ:店長になるための、明確な指標はあるのでしょうか。

佐野氏:そうですね。店長業務は店長になってから覚えればそれでいいので。例えば日々の営業をしっかり頑張っているか、他スタッフからの信頼はあるか、そういった点をクリアしていれば、店の運営くらいはできると思いますけどね。店長とはこうあるべきだ!いろんな細かいチェック項目があってそれをクリアしてから、とかそんなのはないです。店長になってからも店長自身の能力を測るような、そんなチェックシートは導入していないですね。

藪ノ:今後拡大していく中で、いずれかの時期をみて大手が導入している評価シートやマネージメントシステムを導入する必要性は感じられていますか?

佐野氏:今のところ、導入は考えておりません。例えば、個人のすごく良い雰囲気の居酒屋に行って。そこに大将が居て。その大将が、数値に強いとか組織人だとか、別にそんなことないじゃないですか。でも、店の運営はルール通りに、常識の範囲内でやれるわけじゃないですか。

本来、チェーン店でもそうじゃないと面白くないと思う。一律の評価シートやマネージメントシステムを作ってしまうと、それを入力すること、報告することが目的になってしまう。その結果、各店長の個性がそぎ落とされた店舗経営になってしまっては、これから生き残っていけないと思うのです。各店長の個性、人間性を活かした店舗経営を、店舗数が増えても続けていきたいと思っています。

藪ノ:一律の評価基準に当てはめてしまうのではなく、あくまで自主性を伸ばしていくマネジメントということでしょうか。

佐野氏:そうですね。この7年の間にマニュアルを作ったこともありましたが、結局上手くいかなくて最低限の必要な部分を除いてやめてしまいました。一律の型に当てはめるのではなく、あくまで各店長の自主性と、それを伸ばしてもらうための柔軟なマネジメント体制を築いていく。それが私の役目だと思っています。

藪ノ:学生時代、アルバイトなどで店長や社員さんと関わって飲食業界を経験しても、卒業後に飲食業界を就職先として選ぶ、というのは実際に少ない傾向だと思いますが、目指してもらえない問題点というのはどのようにしたら解決されていくとお考えですか?

佐野氏:面白くないからですよね。本来営業っていうのは楽しいもので、飲食がやりたい人は好きで入ってきている業界なのに、中にはどんどん面白くなくなっていく人もいる。改善をしながら規模を拡大していくことと、楽しさを維持していくということの両立は難しいですよね。どうしても作らきゃいけないルールやマニュアルは最低限に抑えていく努力が必要ですかね。

持ち味であるアナログ感を失うことなく上場へ。人材成長=企業成長に繋がると信じ、これからも走り続ける

ファッズ佐野氏

藪ノ:上場を目標にされているとHPに記載されていますが。目標とされる理由はなんですか?

佐野氏:現状、飲食から上場してる企業ってすごく少ないじゃないですか。それをやりきった人はやっぱり格好いいと思うんですよ。自分たちもやりきってみたいって。具体的な時期は決めていませんが。多少は勉強していますけど、メリット・デメリットという点よりは目指したい。

藪ノ:御社にとって、店長の個性であったりという部分が管理体制を強化することで削がれる可能性がデメリットとして挙げらるかもしれないですね。そういう管理体制を最小に抑えることによって魅力が損なわれない形で上場できれば、すごくいいなと思います。定規杓子にやってしまうと、面白くない会社になる可能性もありますよね。

佐野氏:そうですね。人と人が向き合う部分、アナログな部分の管理体制を大切にしていきたい。システムを導入する事によって、例えば、店長とスタッフが苦労して作成していたスケジュールは、システムにポンといれてPCで確認するだけとか、アナログのやり取りの部分をシステムで全てやってしまっていいのか、とは思っています。アナログさは残しつつ、売上・出店増加に向けて管理体制をどう組んでいくか、私自身の課題ではあると思っています。

藪ノ:御社に入社される方は、独立志向とキャリアアップ志向、どちらの方が多いのでしょうか?

佐野氏:うちは最初に独立志向で入ってきても、実際には独立しない方向に変わるスタッフが多いですよ。実際独立したいって言うのは1割くらいかな。

藪ノ:キャリアアップを目指されている方が沢山おられるということですね!今後全国的に人口が減っていく社会情勢の中で、今のように成長を加速させたり、新しく会社やお店を作ったりするのではない、なんでもかんでも独立といった風潮ではなく、キャリアアップを可能な業界にしていった方が優秀な人材も流入してくるのではと考えているのですが、佐野様は今後の飲食業のあるべき姿についてはどう思われていますか?

佐野氏:その通りだと思いますよ。だけど実際問題としてポストを用意する為には、組織の規模、会社が成長し続けることが重要になりますよね。出店することでポストが空いて、新しい仕事が生まれてくるわけですから。そうして飲食以外の異なった専門分野を持つ人も入りやすくなってきたり。どういった形にせよ、成長を止めてはイカンなって思いますけどね。

藪ノ:キャリアアップを目指す飲食業界で働く人にとって、何が必要あるいは何が大事だと思われますか?

佐野氏:自分のなりたい姿(ビジョン)を思い描き、その理想に向かってひたむきに努力すること。別に参考書を買って勉強しなきゃとかそういうことじゃなく、日々の営業の中で業務をおろそかにせず、自分にできることを真剣に考えながらやっていればノウハウも自然と身についてくると思いますよ。本気で自分はこうなりたい、よしやったろう!という「気持ち」をもつことではないでしょうか。

藪ノ:本日はありがとうございました。

佐野氏:ありがとうございました。

編集後記

ファッズ佐野氏・クックビズ藪ノ

大手飲食企業でキャリアを積み独立した佐野氏。お会いする迄にお写真で拝見していた飲食創業社長の豪快な印象とも、そのバックグランドから来る完成されたマネジメントシステムの構築…といった印象とも異なる、とても自然体な雰囲気でインタビューが進みました。

また、店舗展開も自社の納得いく店作りを優先させており、一部のチェーン化を急ぐ新興企業にありがちな危うさも見られませんでした。 インタビュー後も、私のような若輩者を自店舗まで送っていただいたり、スタッフの方も同席の上で、色々なお話をして頂いたりしてもてなして頂きました。

上場を目指す佐野氏。今のスタイルのままどこまで規模を拡大していけるのか、とても楽しみに思いましたし、クックビズとしてもご支援できることは何なりとしたい。そう感じた名古屋出張インタビューでした。
(取材:クックビズ藪ノ)

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