イメージ写真:鉄板の上に乗った熱々のハンバーグが半分に割られ肉汁が流れ出している

いまや飲食店で集客をするにあたり、グルメレビューサイトで店舗情報を掲載したり、SNSを運用したりすることが当たり前になってきました。とはいえ、アピールしているにも関わらず、思うようにお客様が来ないといったお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そのようなときには、集客の工夫として動画を取り入れるのも効果的です。アピール性の高い動画で、集客アップを目指しましょう。

今回は飲食店で動画を活用した集客を行うメリットや、活用事例についてご紹介していきます。

飲食店で動画を活用する3つのメリット

最初に、飲食店が動画を集客に活用するメリットを紹介します。

1.「食べたい!」という気持ちを引き出しやすい

飲食店にとって動画を活用する最大のメリットは、見る人の「食べたい!」という気持ちを引き出せることです。

動画であれば料理のシズル感を伝えることができます。シズル感とは料理の美味しさを音や見た目で効果的に伝える表現のことをいいます。例えば、お肉がジューと焼けて肉汁がしたたる様子や、ピザを持ち上げて熱々のチーズがとろっと伸びる様子などを指します。

できたての料理や調理の過程などを動画に加えるとお客様の食欲をそそり、自然とお店に足を向けさせることができるでしょう。

2.記憶に残りやすい

動画で見た料理や食べ物はインパクトが強く、記憶に残りやすいのも、飲食店にとってのメリットのひとつです。

動画は視覚と聴覚の両方に訴えかけるため、チラシや看板広告といった静止画像を使った媒体よりも強いイメージを印象づけることができるでしょう。

3.どんなお店かを伝えることができる

動画であれば、店内や外観の様子、料理や働いているスタッフなどを、より分かりやすく伝えることができます。お店を知らない人や足を運んだことがない人にも、文字、音や映像といった多くの情報を発信できて、実際の雰囲気を感じ取ってもらうことが可能です。

お店のコンセプトをアピールすることもでき、お店のブランディングにも役立ちます。

動画を活用した宣伝方法

イメージ写真:デニムシャツを着た女性。レストランのカウンターでスマホを使って料理の撮影をしている

飲食店が取り入れやすい、動画の活用方法を5つ紹介していきます。

それぞれの特徴を比較して、お店にとって取り入れやすいものを選ぶと良いでしょう。
 

公式サイト

お店の公式サイトなどを作り、CM動画を掲載する方法です。

サイトのなかで動きをつけることでお客様の興味を引き、お店の雰囲気を伝えることで、集客アップが見込めます。動画を見ることで視聴者の滞在時間も延びるため、公式サイトへの集客にも良い効果を発揮してくれるでしょう。

グルメサイト

グルメに関する情報サイトや検索サイトのなかでも、「meeats.」や「eata」など、動画を掲載できるものがあります。

お店の動画を載せてもらうことで、美味しそうな料理や、店内の雰囲気を動画で知りたいと考えているユーザーにお店をアピールすることができます。魅力が伝わる動画をアップロードすることで、新しいお客様も獲得できるかもしれません。

SNS

InstagramやTwitter、FacebookなどのSNSにお店のアカウントをつくり、動画を投稿する方法です。

店内や店舗から見える景色、新商品やおすすめ商品の紹介などを動画で伝えるなど、効果的な宣伝ができます。SNS上には多くのユーザーがいるため、お店のことを知らない人にもアピールすることができるでしょう。

それぞれ「ストーリー(Instagram)」や「フリート(Twitter)」「ストーリーズ(Facebook)」といった、15秒程度の短い動画が投稿できる機能があるので、まずはこれらの機能を使って店内や料理の動画を投稿してみるのもおすすめです。

最近では動画が話題になって一気に広まる「バズる」という現象が起こることもあるので、積極的に活用すると良いかもしれません。

動画配信

YouTubeやニコニコ動画など、WEB上で動画をアップロードする、効果的な宣伝方法です。

動画共有サービスの活用は、映像のプロでなくても気軽にできるので、初めてでも手間がかからず動画配信ができます。

撮り溜めした動画をストックしておくこともできるため、頻繁に撮影する時間を取る必要はありません。

交通広告

電車やタクシーといった、交通機関のプラットフォームに出稿する方法です。

電車内の液晶画面にCM動画を流すトレインチャンネルは、店舗周辺の沿線にターゲットを絞ったマーケティングが実現するため、無駄がありません。

また、タクシー広告は車内の後部座席に設置したモニター画面にCMを流して配信します。外食利用が多いビジネスマン層をメインにアピールができます。

飲食店で動画を活用するときの5つのコツ

イメージ:自宅のソファに寝転んでスマートフォンでネットショッピングを楽しむ女性

それでは、飲食店で動画を活用して集客する際の注意点を紹介していきます。

動画は宣伝効果が高いとはいえ、無計画に取り入れるのはNGです。お客様に訴えかけることを重視して、アピール性の高い動画を作ってください。

1.お店の基本情報は忘れずに

動画を作る際は、お店の基本情報を忘れずに含めることが大事です。メニューのアピールだけでなく、店名や最寄り駅、連絡先などもしっかり掲載しましょう。

おすすめ料理や価格なども動画に入れておくと、見た人が不安なく来店できます。

2.調理中の様子を載せる

動画の最大のメリットであるシズル感を効果的に伝えるためには、調理中の様子をコンテンツに含める必要があります。臨場感やインパクトを伝えて興味を引きつけ、見た人を「行ってみたい」という気持ちにさせましょう。

また湯気が立つ、料理ができた瞬間の一番おいしい状態を見せることで、よりシズル感が高まります。

3.お店や料理をアピールする

動画を使った集客では、お店や料理をアピールすることが大事です。メニューだけにこだわらず、お客様が知りたい店内や店外の雰囲気も忘れず撮影しましょう。

お店の客層なども動画に含めておくと、見た人が来店しやすくなります。

4.料理を映すときは光を意識する

動画撮影では、光を意識しておいしさをアピールする必要があります。光には、逆光で撮るとシズル感が出る、サイド光で撮ると立体感が出るなど、映像の印象を大きく左右する効果があります。

自然光で撮るのが一番きれいに見えやすいですが、飲食店の場合は室内の撮影が多いため、スポットライトやLED照明なども活用すると良いでしょう。

5.音にこだわる

映像だけでなく、音にもこだわることをおすすめします。最近は映像よりも音にメインをおいた、「ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)動画」が人気です。

ASMRは自律感覚絶頂反応を指し、動画の音による感動がユーザーの評判を呼んでいます。

そのため、動画を作る際には調理中の音を強調しましょう。店内の音をクリアにし、ノイズ音や耳障りの悪い音はカットすると、より動画が見やすくなります。

6.はじめはスライドショーがおすすめ

初めて集客に動画を活用するなら、スライドショーから始めるのがおすすめです。撮影した数枚の写真、文字、音楽などを組み合わせるだけで簡単に作れるので、特別な機材がいらず初心者向きです。

容量が比較的小さくするため、インターネット環境によらず、スムーズに再生できるのも嬉しいポイントです。

また、スマホがあれば動画撮影から作成までできます。慣れてくれば挑戦してみるのも良いでしょう。

飲食店の動画活用事例

イメージ写真:ミニチュアモチーフ。ビデオカメラのミニチュアとその横に置かれた5つのダイス。ダイスにはそれぞれ一文字ずつ「MOVIE」と書かれている

実際に動画を集客に取り入れている、飲食店の事例を紹介します。

江戸懐石 若福

東京都の亀戸天神に店を構える日本料理店「江戸懐石 若福」では、YouTubeで初めて来店する方向けの動画配信をしています。

板前が調理する様子を中心に撮影し、お店の情報や雰囲気、料理の紹介などをわかりやすく伝えることで心理的なハードルを下げ、新規顧客獲得につなげています。

YouTube:「【江戸懐石 若福】東京・亀戸天神の日本料理店」(edokaiseki Wakafuku)

sio

フレンチレストラン「sio」のYouTube動画は、シェフの明るいキャラクターを活かしているのが特徴です。レシピ動画配信サービスのYouTubeチャンネルで投稿されています。

プロが料理をする過程を撮影し、お店で働く人の露出をすることで親しみやすく、「お店で食べてみたい」「あのシェフの料理が食べてみたい」という気持ちを引き出すことに成功しています。

YouTube:「100万再生超え】ミシュランシェフが教える名店の味「最高明太子パスタ」【#おうちでsio​ vol.1】」(kurashiru [クラシル])

さぼてん

都内にある下町感あふれる雰囲気のお好み焼き店「さぼてん」のYouTube動画は、店内でお好み焼きを焼く様子と、女将さんの話を織り交ぜた動画になっています。

趣のある店内の様子に重ねて、女将さん自身によるお店やお客様に込められた想いをうまく組合せることで、写真だけでは伝えられないなんともいえない雰囲気の良さを表現しています。

YouTube:「さぼてん 店舗紹介篇」(Toyosu Movie)

Cafe de Iwacco(カフェドイワッコ)

大阪にある昔ながらの有機栽培豆を使った喫茶店「Cafe de Iwacco(カフェドイワッコ)」のYouTube動画では、お店の外観や店内など全体を移した動画で紹介することでお店の雰囲気が伝わってきます。

また、バリアフリー対応していることについても動画内で紹介することで、お店の魅力だけでなく、見ている側がふと気になることを動画で解消しているのもポイントです。

YouTube:「Cafe de Iwacco(カフェドイワッコ)店舗紹介」(2416 Bass Labo)

動画を活用する際の注意点

「目的・ゴール」のイメージ写真。徒競走のレーンで、ゴールを見据えて立ち並ぶスーツ姿のサラリーマンのミニチュア。

飲食店が動画を集客に活用する際は、動画を作る目的を明確にしておくことが大切です。アピールしたいターゲット層や動画の方向性も決めておき、コンテンツ作りをスムーズに進めましょう。

内容は凝ったものではなく、できるだけシンプルにするのがおすすめです。情報を詰め込みすぎるとわかりにくくなるため、気をつけてください。

テキストや写真コンテンツも、上手に取り入れると良いでしょう。すべてを動画で完結させるとインパクトにかけるため、伝えたい内容に応じて使う素材を選び、アクセントをつけることをおすすめします。

また、動画を使った集客をするなら、飲食業界のトレンドを知っておくことも大切です。コンテンツ作りにも、またお客様を引きつけるメニュー作りにも、最新の情報は欠かせません。

情報を入手する手段はさまざまありますが、なかでも飲食人のための情報収集アプリ「ククロ」は、最新の集客方法や、人気のある飲食店の施策についても知ることができて便利です。

動画制作のアイデアを得たいなら、ぜひ「ククロ」を活用してみてください。

編集後記

魅力ある動画は、飲食店の集客力アップに貢献します。集客方法のひとつとして、ぜひ取り入れてみると良いでしょう。

飲食業界のトレンド情報を知るためにも、飲食業界の情報に特化したニュース配信アプリ「ククロ」の活用をおすすめします。