グループの成長を支える即戦力を求めます

───ロイヤルグループは、2期連続で増収増益を実現されるなど、目覚しい実績を上げておられますね。それに伴い、採用活動も積極的に行なっておられますが、最近ではどのような人材を採用されましたか?

船橋さん:直近では、6名の方に内定をお出ししました。いずれも、飲食経験7年以上のベテランばかりです。当社では、「ロイヤルホスト」「てんや」などのチェーン、専門店のほか、機内食事業やホテル事業などを展開しており、あらゆる領域で人材が必要となっています。全体の組織バランスとしては、20代・30代の割合を高めたいところですが、40代・50代のベテランの方々にも活躍の場はたくさんあります。

───御社の採用ニーズである若手人材には、どのようなことを期待されていますか?

船橋さん:特に今後は、「てんや」の店舗数を拡大し、空港やSA、病院などでフードサービスを提供する「コントラクト事業」を積極展開する計画です。成長エンジンであるこれらの事業を担う人材として、若手層には店舗経験を積み、成長していただきたいですね。

新卒で入社して以来、30年のキャリアを持つ船橋さん

新卒で入社して以来、30年のキャリアを持つ船橋さん

くよくよせず、最後までやり抜けるかどうか

───御社では、SPI試験や3次面接も実施されているそうですね。各段階で、御社ならではの評価基準やこだわりはありますか?

船橋さん:1次面接で留意しているのは、これまでの経験の中で成果があったことを、ちゃんと言えるかどうか。結果がダメだったとしても良いんです。大切なのは、やり抜いたかどうか。私が面接担当を務めているのですが、具体的なエピソードをお話しいただいています。

これはホールスタッフだけではありません。調理の採用においても、人の指導・管理経験が評価対象となります。「包丁一本さらしに巻いて・・・」といった職人気質の方は、当社にはマッチしません。あとは、退職理由も聞かせていただいています。

───SPI試験では、どのような点を重視されるのでしょうか?

船橋さん:性格適性検査です。基礎能力はあまり見ていません。性格に関しては、「達成意欲が高い人」「身体活動性の高い人」、そして「自責性の弱い人」がいいですね。

───自分を責めないほうがいいんですか?!

船橋さん:はい。自責性が低いと、くよくよしないんですよ。人のせいにしたとしても、最後までやり抜く力があればいいですよね。ロイヤルグループ社員の診断結果を見ると、全体的に自責性が非常に低いという結果が出ています(笑)。

2次・3次面接は人事部長と現場の管理者が担当するのですが、ほとんどフィーリングで決まります。具体的には、しっかり受け答えができるか、挨拶ができるか、時間を守れるかといった、ごく基本的な部分を見ています。

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一番は、ウソをつかないこと。ルールを守ること

───では、御社にとって、優秀人材とはどのような方を指しますか?

船橋さん:キャベツの千切りが早いとか、パンのカットが上手だとか、蕎麦が打てるとか、「優秀」の定義にはそのようなものもあるかも知れません。しかし私たちにとっては、コミュニケーションを円滑に図り、人を使って結果を出せることの方が大切です。

同時に、人を教えるためには、信頼されなければなりません。そして、信頼されるためには、ウソをつかないこと、ルールを守るということが一番だと思っています。お店が崩れるパターンというのは、大体店長が嘘をついてしまうんですよね。期日までにシフトを出さないとか、挨拶をしましょうと言いながら、店長本人が挨拶をしないとか。信頼を失い、下の人はついて来なくなる。本当に基本的なところですが、ここがおざなりだと、どんなスキルがあってもダメでしょうね。

ロイヤルホールディングス東京本部。一階にはロイヤルホスト桜新町店

ロイヤルホールディングス東京本部。一階にはロイヤルホスト桜新町店

誰もが快適に働ける環境を追求し、離職率5%へ

───近年、飲食業界は採用不況にあると言われています。それに対して、どうお考えですか?

船橋さん:飲食のイメージが非常に悪くなっていますね。そこがもっとも厳しいところでしょうか。これまでの飲食企業は、食品の価格を抑えるために、マスの論理で店舗の数を増やしたり、営業時間を延ばしたりしてきました。それで人手が足りなくなると、アルバイトを雇って戦力化し、コストを下げてきました。こうしたモデル自体が、時代と合わなくなってきているように思われます。なぜなら、お客様と従業員のどちらにも負荷がかかってしまうからです。

当社では変わらず質重視のスタンスを守ってきたため、ここ3年くらいの間に既存店が売上を伸ばしています。そのスピードに、採用が追いついていないのが現状ですね。

───何か具体的な施策は考えておられますか?

船橋さん:まずは離職率です。飲食業界では、離職率の平均が30%だと言われています。一方、当社は2年連続5%。残業手当を1分単位で支給し、残業時間を月80時間から15時間まで抑えた結果です。

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本社1階の受付には、歴史と品格を思わせるインテリア

船橋さん:働く環境の改善にも取り組んでいます。40年前より使用してきたガスレンジをリニューアルし、時間と温度で解決できるものは、電子機器に頼ることにしました。味を左右するフライパンや鉄板などは、従来どおり使用しています。これにより、ガスを使う量が減って、厨房内の温度が低くなりました。

───御社では20代の47%を女性が占めるそうですね。労働環境に気を配られているのも納得です。

船橋さん:女性が働ける環境にしておかないといけないと思うんですよね。今後人口は減っていきますから、女性の労働力なくしては立ち行かなくなってしまいます。
今年の4月1日からは、外部のベビーシッターサービスと契約をしました。これで、お子さんが体調を崩しても預かってもらえますし、ご自身が寝込んでしまっても、代わりにお子さんを迎えにいってもらえます。ちなみに、24時間365日利用可能です。

採用したい人物像5

───制度と言えば、業態をまたいだジョブローテーション制度があるそうですね。

船橋さん:はい。店長になって、マネジメントがきちんとできるようになれば、本人の希望によって挑戦することができます。ちなみに、当グループが運営するリッチモンドホテルの支配人は、6割がロイヤルホスト出身です。

───業態やブランドが異なると、勝手が違うため、混乱するようなことはないのでしょうか?

船橋さん:そこはあまり問題になりません。仕組みや店舗運営の方法は違っても、人をマネジメントするということ自体は、どこに行っても変わりませんから。それに、サービスに関する考え方というのは、ブランドのコンセプトによって変わってきます。たとえば、ホテルなら丁重な接客、「ロイヤルホスト」や「てんや」では、ある程度フレンドリーな接客が好まれます。これらのコンセプトさえしっかり理解できれば、どこに勤めても通用しますね。

───入社後も、活躍の場はどんどん広がっていくということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

編集後記

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新卒で入社して以来、30年のキャリアを持つ船橋さん。入社後は半年もの間、店舗で皿洗いの毎日を過ごされていたそうです。

そこからは、6店舗で店長を経験し、地区長、ロイヤルホストの教育担当を経て、本社人事部へ。

1年間のキッチン経験もお持ちとのことで、すべての現場を把握されている稀有な方と言えます。そんな船橋さんだからこそ、採用に対する想いは誰よりも強いはず。取材者である私に対しても、各事業や組織構造、採用スタンスについて、紙に図を描きながら丁寧に説明してくださいました。

会社・店舗紹介

ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」でおなじみ、ロイヤルホールディングス。質の高い食とホスピタリティの提供にこだわり続け、外食産業の不況下において、2期連続の増収増益を記録しています。他にも、「てんや」「カウボーイ家族」など外食事業で培ったノウハウを活かし、コントラクト事業、機内食事業、ホテル事業を展開。活躍の場を広げています。

  • 企業名:ロイヤルマネジメント株式会社
  • 設立:2005年
  • 事業内容:グループ会社の経理・人事業務の受託
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