2014年4月より引き上げとなる消費税率。何かと疑問や不安をお持ちの飲食店店長・マネージャーのみなさんに向けて、「消費税増税について知っておくべきポイント」をご紹介してきました。第3回のテーマは、「消費税増税に向けて!飲食現場における、4つの大切な心構え」です。

 

消費税とビジネス

1.みんな、同じ状況。だからこそ、チャンスと捉える。

「商品を値上げしたら、客足が途絶えてしまうかも知れない…」「価格を据置にして、資金繰りが悪化したらどうしよう…」と、ついついネガティブになってしまうものです。しかし考えてみれば、どの店舗も漏れなく同じ状況。

だからこそ消費税増税をチャンスと捉え、増税前と同水準の利益を確保するためにどうすべきか、現場から発信していくことが大切だと考えます。

2.原価を削減すれば良い?

たとえば、これまでよりも安価な材料を仕入れたり、代わりとなるような食材を使用したり、料理のボリュームを減らしたり。原価を抑えれば、確かに利益率は高まります。しかし、料理の品質や、お客様の満足感が落ちる可能性も十分にあります。例えば、フカヒレをやめて春雨を使って、本物の中華料理を求めるお客様が満足するはずがありません。

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もちろん、改善すべきところは、トコトン手入れをすべきです。たとえば、原価率が高いわりには、注文の頻度が少ないメニューがあったとします。それは完全にロスとなってしまいますので、見直す必要がありますよね。また、品質がさほど変わらないのであれば、1円でも安い食材を買い求めるような努力を、現場としては行うべきでしょう。

店長だけでなく、シェフやソムリエ、その他スタッフ全体で、コスト意識を強めたいところです。また、お客様の求めているものは価格だけではありません。例えば、日本政策金融公庫が発表した「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」によると、飲食店を選ぶ際の重視点としては、「入店時に時間がかからないこと」「スタッフの身だしなみ・接客態度がよいこと・スタッフが明るいこと」など、サービス面を重視する意見もかなりの割合を占めています。

引用:日本政策金融公庫「外食に関する消費者意識と飲食店の経営実態調査」

3.人件費を削減すれば良い?

確かに人件費は、もっとも大きな支出であることは間違いありません。しかし、考えなしに人員を削減してしまうと、サービスレベルの低下を招いてしまいます。かえって客足が減り、売り上げがダウンしてしまっては、本末転倒といわざるを得ません。

では、従業員一人ひとりが丁寧な接客をして、高いホスピタリティを実現してくれたとしたら?お客様の満足度は高まって、口コミなどで評判を呼び、きっと売り上げアップに繋がるはずです。そのためにも、スタッフ全員を正当に評価し、モチベーションを上げることが大切です。

ましてや近年は、景気が上向きに転じるにつれて、どの業界においても採用活動が積極的に行われています。未経験からチャレンジできる仕事も随分と多くなりました。急に人手が足りなくなっても、優秀な人材を確保するのに苦戦するかも知れませんね。

4.新・消費税増税対策とは、収支構造を見直すこと

先日開かれた、(株)河内屋主催による「新・消費税対策説明会」にて、講師を務めた(株)OAGコンサルティング田中繁明代表は、以下のように締めくくっておられます。

電卓田中氏:今回の消費税増税を機に、事業モデルを根本から見直すこと。商品構成や価格設定、使用食材を徹底的に洗い直し、収支構造を見直すこと。それが、利益獲得への道です。

今回の消費税増税は、店舗運営を見直す一つのきっかけに過ぎないのかも知れません。店長だけでなく現場の全スタッフが、利益・売り上げ・コストへの意識を高め、一丸となって店舗の価値を高めてゆければ良いですよね。

(取材・記事:金光、編集:大住)

【第1回~第3回記事にご協力いただいた皆様】
≪株式会社河内屋≫

設立:1947年(昭和22年)10月
代表:代表取締役社長 西仲 徳次
HP: http://kawachiya-web.co.jp/
事業内容: 創業60余年を誇る酒類・飲料専門商社。首都圏全域の飲食店をカバーし、物販だけでなく経営や人材採用のサポート・コンサルティング業務等、幅広く手がけている。

≪株式会社OAGコンサルティング≫
設立:2000年(平成12年)6月
代業:代表取締役社長 田中 繁明
HP: http://www.oag-c.com/
事業内容: OAG税理士法人を母体とするコンサルティング会社。中期事業計画策定支援、資金調達支援、財務デューデリジェンス、M&Aアドバイザリーサービス等、その事業領域は多岐にわたる。