小銭が積み上げられていく画像

2020年はコロナ禍の影響もあり、大きなダメージを受けた飲食業界。例年通り10月に全国最低賃金改定が行われましたが、据え置きの都道府県もみられました。(地域別最低賃金の全国一覧/厚生労働省
今回は、2020年に求人サイト「クックビズ」で実際に掲載された求人を元に、飲食業界における一般的な職種・業態の平均給与をまとめました。

職種・エリア別平均給与(正社員)

正社員・職種別の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計(集計期間:2020年1月~12月)

正社員・職種別の前年比の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計

■ 概況

全国的には、給与の平均金額は増加傾向でした。
職種・エリアによって差はあるものの、全体的には約+6,000円平均給与はアップしました。
職種別にみた際に、「店長・マネージャー(候補)」が+17,058円、「料理長・シェフ(候補)」が+10,914円、「製パン、ブーランジェ」が+10,176円と大幅にアップしています。
体制の立て直しや、コロナ終息後を見据えての役職者の募集に力が入れられていたと考えられます。
また、2019年は「製菓・パティシエ」が最も給与額が上がっていましたが、2020年はその反動か少し下降傾向となっていました。

※クックビズ総研「2020年はどうなる?2019年飲食業の平均月給は、関東25.2万円、関西24.9万円」参照

職種・エリア別平均給与(アルバイト・パート)

アルバイトパート・職種別の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計(集計期間:2020年1月~12月)

アルバイトパート・職種別の前年比平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計

■ 概況

冒頭で述べた通り2020年10月の全国最低賃金改定では7都道府県では据え置きとなっています。全国加重平均額は902円と+1円アップしています。

アルバイト・パートの時給も2019年に比べ、全国平均が+5円アップしました。
しかしエリア毎に見ると関東以外では、全体的に少し下がっているようです。

業態・エリア別平均給与(正社員)

正社員・業態別の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計(集計期間:2020年1月~12月)

正社員・業態別の前年比の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計

■ 概況

2019年と比べると、軒並み上昇傾向でした。
業態別では、「カフェ」「創作・ダイニング」「食品・小売・流通」「焼肉」が大幅にアップしました。
また次いで「中食(惣菜・宅配など)」がアップしています。
コロナ禍で中食の需要が増えたことや、換気機能がもともと設置されている焼肉の業態が、2020年以降大きく変化を見せていきそうです。

業態・エリア別平均給与(アルバイト・パート)

アルバイトパート・業態別の平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計(集計期間:2020年1月~12月)

アルバイトパート・業態別の前年比平均給与データ

※クックビズに掲載された求人情報より平均給与額を集計

■ 概況

2019年に比べ、全国平均が+11円アップしました。
業態別でもエリア毎に見ると関東以外では、全体的に少し下がっているようです。
しかしながら、2019年よりさらに平均時給があがっており、時給1,000円未満では応募がつきにくい地域もでてきそうです。

まとめ

2020年においては、職種業態問わず、全体的に給与水準が前年より上がっていました。
しかし九州では、全体的に前年比で平均給与は低下しており、コロナ以外にも7月に起きた集中豪雨なども大きな痛手になっているようです。

2020年1~11月の飲食店の倒産件数は計736件に上り、年間で最多だった2019年の732件を既に越え、年間ベースで最多記録を更新したことが帝国データバンクの調べで明らかになっています。
コロナ禍で求人媒体への掲載数は確実に減りましたが、この一方でこれを機に体制を整えている企業もあったようです。

仕事に対して、見つめなおす求職者がふえた2020年。
これからの就業先を探すにあたり応募先を選ぶ基準として、給与や休日、待遇面は今まで以上に大きなポイントになりそうです。
有利に採用を進めるためにも、まずはデータ収集して基準を定めることが、いい人材を集める第一歩といえるかもしれませんね。

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クックビズでは飲食・フード業界に特化し人材採用、人材育成の課題解決を支援する様々なサービスをご用意しております。興味をお持ちいただけた方は、気軽にご相談ください。