渋谷、神泉にある和食店「日本料理 いまここ」。
石川県能登の新鮮な魚をはじめ、黒毛和牛の能登牛など、こだわりの食材を使用しながらも、肩肘張らないスタイルで、幅広い世代から愛されるお店です。
“いま、ここの場所を心から楽しんでほしい”
店名にもこめられたこの思いは、足を運んだすべての方に感じてもらうために、丁寧なおもてなしで体現しています。
そんな「日本料理 いまここ」でオーナーシェフを務める大角 公彦さんから、お店の魅力や一緒に働くスタッフについてお伺いしました。
▼プロフィール
大角 公彦(おおかど きみひこ)さん
1980年生まれ。幼少時代を海外で過ごし、和食に対する強い思いを持ち料理の世界へ。帰国後「なだ万」や「グランドハイアット東京」などの有名日本料理店やホテルで修業を積む。2012年に南米にて日本大使館公邸料理人を務め、「優秀公邸料理長」として表彰された。その腕を振るう場所として2013年6月に「日本料理 いまここ」を開店する。
日本料理の良さを伝えられることが誇り
──自己紹介をお願いします。
「日本料理 いまここ」のオーナーシェフをしている大角です。18歳から料理人の世界に入り、「新宿 なだ万」や、グランドハイアット東京「旬房」で日本料理を学んだのち、2年間南米のボリビアで日本大使館の公邸料理人として勤務していました。帰国後は、外務省から優秀公邸料理長として表彰をいただいたりと、公邸料理人の仕事はとても大きな経験となっています。
現地の政財界要人を日本料理でもてなし、「とても楽しい食事だった、日本の素晴らしさがわかったよ」と多くの方に言っていただけたことは今でも私の誇りです。
──「日本料理 いまここ」はどんなお店ですか。
いまここでは、「里山里海 能登の恵みを余すことなく」をテーマに、私のルーツである石川・能登の食材を使った料理を提供しています。料理だけでなく、日本酒をはじめとしたお酒、器、そしてシーンに適した席を選べる空間まで、全ての人をおもてなしできるようこだわりを持ったお店です。
旬の食材の持ち味を最大限活かしながら、形にとらわれない発想を加えて、常に新しい料理に挑戦しています。きっと美味しい驚きに出会えると思いますよ。
「美味しく楽しい」がテーマの日本料理
──店舗で働いているスタッフさんはどのような仕事をされていますか。
キッチンの仕事は、まず各地から届いた食材の検品から始まります。ただ注文した品と合っているかを見るだけでなく、お客さまに出せる品質かどうかまでしっかりとチェックしていきます。その後は3日分ほどの仕込みを行います。
ホールの仕事は、店内をおもてなしの空間に整えることを大切にしています。特にお手洗いの掃除は徹底していますね。触れるところ、目に入る場所はしっかり掃除をしてオープンを迎えます。お客さまが幸せな気持ちで帰ってもらえるよう、それぞれに合ったサービスを提供するようにしています。
──料理には厳選された食材を使用しているとのことでしたが、どのように選ばれているのですか。
魚、野菜、日本酒に至るまでルーツである石川のものを使用しているのですが、自分ひとりで選ぶだけでは意味がないと思っています。
そこで、一緒に働くスタッフにも食材のことを知ってもらおうと、年に一度はみんなで石川に行くことにしています。そこで生産者さんと顔を見て話し、体感したことをお客さまに伝えてもらいたいと思っています。
料理を通して、誰かに幸せを届けられる仕事
──店舗ではどんな人が働いていますか。
キッチンでは修業時代から一緒に働いていた仲間が料理長を務めています。20年以上の長い付き合いなので、お互い何も言わなくてもわかるような関係です。その他のキッチンスタッフには、お店のレシピ本を見て、実際にお店に食べに来て、ここで修業したいと言ってくれた子がいます。
ホールはアルバイトの方が多いのですが、俳優を目指している子もいれば、お店を開きたい子もいたりと、みんな何か目標を持ってここで働いていますね。
──一緒に働く人には、どんな人が向いていると思いますか。
素直であること、これ一点!知識がなく、未経験な状態でも、伝えたことをどれだけ素直に受け止めてくれるかが大切かなと思います。あとは時間をかければ、どれだけでも成長できると思います。
キッチンも、ホールも、料理を食べてもらって幸せを届けられる素敵な仕事です。料理の世界が少しでも気になる方はぜひ挑戦していただきたいですね。
まとめ
オーナーシェフの大角さんをはじめ、明るいスタッフさんが多く、非日常を感じられるお店ながら誰もが利用しやすいお店の雰囲気は、働いている人たちから作られていると感じました。
「日本料理 いまここ」が提供する繊細で優美な盛り付け、上品な味わいの料理の数々は、これからも多くの人に日本の食文化や食事の素晴らしさを伝えていくことでしょう。