
入社後の早期離職を防止するために
せっかく採用したのに、入社後にすぐに辞めてしまわれた経験があおりの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん私もその経験があります。
人を採用して店舗での研修を実施する場合、求人広告の掲載費や人材紹介の手数料など目に見えるコストだけでなく、面接に要した時間や現場の教育担当者の時間や労力といった目に見えないコストもたくさん掛かります。
そのため、早期離職は起こらないようにしたいというのが本音だと思います。
入社後の早期離職につながる要因として2つ挙げられます。
1つは業務内容が原因での離職で、もう1つは入社後のフォロー不足による離職です。
それぞれに対策が違いますので、その方法を記載します。
業務内容が原因の離職の場合
この場合は、採用選考時にお伝えしている内容に不足している点があるか、もしくは違っている点があるかのどちらかです。
内容に不足している点があれば、面接の会社説明時の内容を整理し、離職理由につながってしまった不足している点を追加するようにします。
また、人事としてはこれ以上説明することがないと思っている場合でも、求職者はそう思われていないこともあります。
そうならないために、直近で入社した社員に会社説明時の説明内容に不足している点がなかったかをヒアリングしてみるのも良いと思います。
内容に違いがある場合は、次の会社説明時には間違いがないようにする必要があります。
明らかに違った内容をお伝えすることで早期離職につながってしまっては、元も子もありません。
それよりは、仮に不採用や選考辞退になってしまったとしても、事実を明確に伝えることで早期離職を避けていく方が効率的です。
もちろん、入社後に聞いていたことと違うという指摘があれば、面談の場を設け、きちんと話をして解決をしていくことが重要です。
入社後のフォロー不足による離職の場合
この場合は、店長や教育担当者と入社者とのコミュニケーションが不足していることが原因です。
入社後の研修スケジュールを事前に作成する際に、1週間後、2週間後、1ヶ月後といったスパンで店長や教育担当者との面談日時を事前にスケジューリングしておき、コミュニケーションが取れる状態にしておきます。
また、日々の業務の振り返りを店長や教育担当者と必ず実施してもらうことで、コミュニケーションロスを防止します。
また、店長や教育担当者には言いにくいことも出てくるはずです。その悩みを解決するためにも、人事担当者が別途面談の機会を設けることも効果的です。
とにかく、入社者が孤独感を感じないように対応していくことが重要です。
中途で入社される方は、多かれ少なかれ不安を抱いた状態でご入社されます。その不安がどこにあるのかを察知できるように普段からコミュニケーションを密にしていくことが、早期離職を防止することにもつながります。
特に、既存社員の感覚で、「これくらいは言わなくていいだろう」とか「これくらいは社会人経験があるから分かるだろう」と思い込んでしまい、それらの内容の共有が疎かになってしまうことが、中途入社の方にとっての不安につながります。
小さな「不安」の積み重ねが大きな「不満」となり、それが爆発することで離職になるケースがほとんどです。
入社された当初は、これでもかというくらいのコミュニケーションを図り、不安を取り除くように努めることで、早期離職は起こりにくくなります。