カウンターに立つ山下さん

インタビュー2.若手育成という分野を開拓していく想い

<料理長 大川 智一さん>
福島県出身。「寿司居酒屋 番屋 銀座本店」料理長

――料理人としての経歴を教えてください。
福島県から就職で上京し、まずはお寿司屋さんに勤めました。働きながら懐石料理に興味を持ち、転職して日本料理一筋でやってきました。20数年の経験があります。
大東企業株式会社に入社して10年ほどです。

――懐石料理のいちばんの魅力はどこですか。
まず料理というよりも当時の親方に惚れたんです。元々日本料理に興味はあったんですが、親方の背中がかっこよくて。昭和の親父さんって感じで怖かったんですが、人間性も素晴らしいし、技術もすごかったし、総体的にすごい人でした。そんな人が作る料理ってかっこいいんですよ。繊細な懐石料理が生まれる過程にハマりました。
この会社に入社したきっかけは、結婚して子どもが生まれて、人生の転機があったからです。安定した企業であることと、入社前に食事したんですが「ここで働きたい」と思ったんですね。総合的にレベルの高さを感じました。

寿司を握っている

――料理人として大切にされていることはありますか?
やはり基本に忠実というか、当たり前のことを当たり前にということは信念をもっています。温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいままお出しするという。普段当たり前にしていることなので、改めて聞かれると難しいですね(笑)。お客様に喜んでいただけるように丁寧な仕事をすることです。

――今の考えに至るのにはどれくらいかかりましたか?
今思い返すと、20代の時は適当だったなと自分でも思います(笑)。でも若い時からしっかりしないと!と気負わなくてもいいと思います。
先輩に「基本に忠実にを大切にしなさい」と教えられ、自然と身についたんです。28歳くらいのときです。だから教えてもらったことを少しずつ自分のものにしていければ成長に繋がるんです。
今の若者の意見やアイディアってすごいですよ。私たちに思いつかないことも沢山あるので、どんどん意見を聞くようにしています。

――若手職人の育成について教えてください。
昔とは違って修業・下積み時代のようなことはせず、皆でゼロからスタートして教育しながら進めていくという環境をつくっています。合理的な考え方をベースに、要望に添えるようなカリキュラムを調整中です。
1人だけが抜きんでるということではなく、チームとして育ってほしいと願っていますし、若手は料理人全員で育てていきたいですね。これまで会社が強くなかった若手育成の分野を開拓していきたいです。

――海外志望の若手へ向け、大川料理長から一言いただけますか?
どんどん挑戦して欲しいです!うちの会社は、私が「人材育成のためにも、番屋2号店を出して欲しい」と要望を出したらすぐ動いてくれました。
このように、なぜそうしたいかを伝え、挙手すると挑戦させてくれる風土なんですよね。すごくフランクですし相談しやすい。自由人の私が長く勤めているのも、この風土が好きだからです。

メッセージはひとつです。私たちと一緒に日本料理の素晴らしさを世界に発信してくださる方を待っています!

大東企業の新店の内観

世界中で大東企業の板前が活躍する未来

■板前の育成が社会貢献だと捉えている環境

同社担当者は「板前をめざしたい人がうちを土台にして成長して欲しい。それが日本料理界全体の活性化に繋がると信じています」という想いを貫く同社。
また外国人留学生の就職先としても注目されている同社。調理師学校の先生方から、外国人が日本料理を学びたくても受け入れてくれる企業がないと相談を受けることも多く、それならば働きながら学んでもらい、日本料理を世界中に輸出してもらおうと考えたそうです。
同社の研修機能である大東企業オープンスクールと併用してもらうことで、さまざまな角度から料理人の育成を行い、日本料理界を盛り上げていくという、いわば社会貢献の役割も担っています。

そのために必要不可欠なのは育成側の体制。同社には数多くの調理人が在籍している強みを活かして、大東企業オープンスクールを作り上げることができました。

■「銀座から世界へ」にかける想い(大東企業株式会社より)

日本料理界の大きな課題に高齢化があります。急務は次世代へのバトンタッチ。若い人たちの新しい価値観があれば、海外へのチャレンジも実行可能だと考えています。記事内でも紹介しましたが、当社出身の料理人が海外で評価されています。その背中を追い、5人、10人と多くの料理人が活躍し、評価される未来。それが私たちにできる日本料理界への恩返しです。

バンコクの新店の外観

まとめ

今回の取材では、GMの廣瀬さん、料理長の大川さん、料理人の山下さんにお話を伺いました。日本料理という私たち日本人が誇る文化を継承しているだけでなく、料理を通じて気遣いや心遣いが学べることなど興味深いお話が聞けました。
日本料理にかける想い、若手育成のための準備、海外への挑戦など、NEXT FOOD CULTURE GLOCALLYという新しいパーパスは、大東企業株式会社だけでなく日本料理界全体の方向性を示しているのではないでしょうか。
コロナという飲食業界に大打撃を与えた時代。逆転の発想で「今会社にないものをつくり、チャンスを拡げる」という組織風土こそ、日本料理界を支える存在になるのかもしれません。

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