カウンターに立つ山下さん

インタビュー1.新しい挑戦を繰り返す若手料理人の想いとは?

<料理人 山下 和輝さん>
青森県出身、入社9年目。「寿司居酒屋 番屋」勤務。
中学生の頃から料理に興味を持ち、調理専門学校へ進学。在学中は洋食業態(イタリアン)での調理を担当し経験を積む。「本気で料理をするなら日本料理を学びたい」と大東企業株式会社へ新卒で入社。同時に上京し社員寮へ入る。

山下さんのインタビュー風景

――洋食店で飲食の基礎を学び、そして、洋食から和食への転身で見えた違いはありますか?
大東企業株式会社の入社前はイタリアンレストランにて勤務していました。そこでは、洋食調理の基本や接客の基本を学びました。狭い厨房でしたが、工夫ややり方次第で上手く回せるよう、チーム全体とのコミュニケーションや自分がどう動くべきなのかを教わりました。

和食業態への転身で感じたことは、洋食とは何もかも違うということでした。全く知識のないところからのスタートでしたので、技術がないのはもちろん、包丁の使い方も分かりません。特に、包丁の刃が両刃→片刃など、仕様も使い勝手も違って、腕の動かし方から苦労しました。魚のおろし方も上手くできず、自分で魚を買っては何度も練習しましたね。
器材も洋食とは全然違い、鍋やヘラの使い方、食材の管理の仕方まで未知数でしたので、最初はどんな細かいことでもメモを取る毎日でした。

――大東企業株式会社に入社。研修時代に学んだことを教えてください。
常に「この行動にはこういう意味がある」と丁寧に教えていただきました。特に時間には厳しかったですね。いつも「逆算して時間を読みなさい」、「自分だけに時間を使うのではなく、早く終わらせて誰かのために時間を作るんだよ」と。時間を大切にすることは、周りを見ること、視野を広げることに直結しているんだと気付きました。
初めてのことばかりでしたので出来ないことは多かったですが、最初から手取り足取り教えていただけて自分は恵まれているなと感じました。

入社当初は言われたことしかできず、アルバイトと変わらないと悩みました。できることが増えて自信もついてきた頃に後輩ができ、私自身が教わったことを伝えていきました。
怒らず、ミスをしても「何が原因なのか」を一緒に考えるよう心がけています。

――山下さん自身が成長したと感じたのはいつ頃ですか?また、成長段階で影響を受けた方はいますか?
成長したと感じたのは入社から2〜3年くらいの時です。当時の料理長が退職して、新しい料理長が来られてから任せていただける仕事が増えました。食材の管理や業者発注など責任のある仕事です。当時はまだ23歳でしたので迷惑をかけないように必死でした。
特に私は洋食からの転身でしたので、どう日本食に向き合っていくかという課題が常にありました。食材の仕入れひとつにしても全く違いました。
そんな時に、他のジャンルからの転身でも、日本食に楽しくチャレンジできるように導いてくれたのが前野料理長という方でした。

――尊敬する前野料理長から学んだことを教えてください。
前野料理長とは、「寿司 北大路」の立ち上げの際に一緒に働くことになりました。とにかくめちゃめちゃ熱い人で気持ちが若くてアクティブな方です。
現在はバンコク店で料理長をしていますが、当時はいろんな事を教わりました。いちばんは「仲間を大事にしろ」ということです。

技術ももちろん教えてもらいましたが、人を想うこと、人としての振る舞いを教えてくださいました。例えば「一緒に働いている仲間なんだから、相手をどうこうよりまず自分を変えなさい」と。そういう気持ちが無ければこの先もうまく立ち回れないから、先々のことを考えて行動しなさいと教えていただきました。

そこから私自身の考え方や仲間への接し方が変わりました。
変えたら上手くいったんですね。チームワークが出来たというか、仕事が円滑に進むようになったんです。厳しい中にも愛情があり、私を想って叱ってくださっていたんだなと感じています。

山下さんが調理している様子

――現在一緒に働いている料理長はどんな方ですか?また、学んだことを教えてください。
現在は大川料理長と一緒に働いています。実は、一度退職していた時期があったんですが、「寿司居酒屋 番屋」の立ち上げのタイミングで「戻ってこないか」と声かけてくださったのが大川料理長です。
すごく芯を持っている方で、「寿司 北大路」に在籍していた時から一緒に働いてみたいと思っていました。
大川料理長には今も教わってるんですが、昔はよく怒られていました(笑)。
特に、お客様への向き合い方です。洗い物1つとっても「心がけひとつで良い仕事ができる」と。技術も大切ですが、礼儀や気遣いだったり、そういったところをすごく教えてもらっています。
「君ならできる!これから上の立場に立つべき人間だろう」という言葉にはいつも背筋が伸びますね。
現在も学びの途中。まだまだ時間が足りないですが、大川料理長は番屋2号店の立ち上げに携わってらっしゃるので、いつまでも頼ってばかりではいけないなと思っています。
人間力を磨き、いつか「山下に任せてよかったよ」と言ってもらえるように成長したいです。

――未経験から日本料理を学ぶ環境や教育体制はいかがですか。
教え方が上手く丁寧な先輩が多かったので、ひととおりの技術を学べました。料理長も真剣に、でも楽しんで仕事をしているのが印象的ですね。料理長しかできない特別なコース料理を作ってらっしゃる姿を見るのも楽しですし、私も一部を任せてもらうなど、成長機会はたくさんあります。
また、コミュニケーションをすごく重視しているので、新人をほったらかしにせず上の人たちが積極的に声をかけてくれます。特にしんどい時、悩んだ時に声をかけていただくと気持ちが軽くなりますから、とても有難かったことを覚えています。

――若手が海外で活躍できることについてどう思われますか。
とても良いことですね!私はまだまだ日本で学びたいこと、達成したいことがありますので考えておりませんが、挑戦したいという若手がいたら背中を押したいと思います。そして私が教えられることは全部伝えていきたいと思っています。
この会社は、海外挑戦のほかに、コンテストへの参加など「やりたい!」と手をあげると徹底サポートしてくるんです。ですので、やりたいことは積極的に発信できる社風ですし、「自分なんて」と消極的にならずにどんどん挑戦してください!

年齢や経験など関係なく、日本料理の料理人というプライドを持って、海外で活躍して欲しいですし、その希望を叶えてあげられる会社を誇りに思います。

――山下さんの夢を教えてください。
安心してお店を任せてもらえる人間になりたいです。料理長や店長だから偉いんだ!ではなく、お店を皆で作り上げていけるような。本質を知り、良い仕事をしていきたいです。

将来の夢は、自分のお店を持つことです。
実家が農家をしているので、兄が育てる野菜を使って料理をつくりたいんです。この会社に入って人とのつながりの大切さを実感しましたので、遠く離れている家族ともしっかり繋がっていたいです。
今まで何もしてこなかったので、家族や地元に貢献したいと考えています。

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