
飲食店の運営において、丁寧な接客はなくてはならない重要な要素です。
いくら料理の味が良くても、接客の質が悪ければお客様の満足度は低くなり、リピーターになってもらうことは難しいでしょう。
とはいえ、誰もがきちんとした接客を行えるわけではありません。
とくに飲食業界が初めてのスタッフの場合、さまざまな接客業務をすぐに覚えることは簡単ではないでしょう。
今回は、飲食店運営における接客のコツについて、基本的なポイントを整理しました。接客が不慣れなスタッフへの教育に、ノウハウとして参考にしてみてください。
目次
基本となる接客のポイント
飲食店や小売店など、お客様とスタッフが直に関わる接客業においては、来店時の対応は非常に重要な要素です。
お客様の入店やお店の第一印象に関わることであり、スタッフは常にお店の入り口へ意識を向けておく必要があります。
この項では、お客様が来店されたときの接客ポイントについて、入店~案内まで順に紹介します。
笑顔でお出迎え
飲食関係者なら説明するまでもありませんが、接客業において「笑顔であいさつ」は基本です。
スタッフが笑顔で「いらっしゃいませ」とあいさつすることで、お客様は入店しやすくなるでしょう。
笑顔は単に雰囲気を良くするだけでなく、「お客様を歓迎していますよ」というお店側の意思表示の意味もあります。
ホールスタッフはもちろん、キッチンスタッフも笑顔であいさつすることで、より好印象を抱いてもらいやすくなるでしょう。
スタッフの身だしなみ
スタッフの身だしなみは、接客においては非常に重要です。
人の第一印象を決定づける要素ですが、そのほとんどを視覚情報が占めているといわれています。それだけに、身だしなみはあいさつ以上に注意すべき部分だといえるでしょう。
飲食店においては、清潔感のある身だしなみが基本です。
スタッフの服が汚れていたり乱れていたりしていれば、お店の印象も不衛生でだらしないものとなります。
スタッフ全員が清潔でしっかりした身だしなみを心がけていれば、「綺麗でしっかりしていそうなお店だな」と、お客様の安心感につながります。とくに新規のお客様が入店しやすくなるでしょう。
言葉遣いに注意
丁寧で正しい敬語を使うことも接客業の基本であり、これはプロ意識が高いことの表れでもあります。
しっかりとした言葉遣いはお客様の安心感につながるだけでなく、お店のブランディングにおいてもプラスの影響を与えるでしょう。
また、言葉遣いだけでなく、声のトーンにも気を配ることが大切です。
暗いトーンでは雰囲気も暗くなってしまいます。お客様は食事を楽しみに来られているので、お店のカラーに合った明るいトーンで接客するよう、スタッフには丁寧な指導を行いましょう。
とはいえ、記事冒頭でも述べたように、未経験でいきなり正しい敬語を使いこなすのは難しいです。
接客業未経験者や敬語に問題のあるスタッフに対しては、まずは「接客7大用語」を覚えてもらいましょう。
接客7大用語を以下にまとめたので、接客指導の参考にしてください。
- いらっしゃいませ
- かしこまりました
- 少々お待ちください
- お待たせいたしました
- 申し訳ございません
- 恐れ入ります
- ありがとうございました
人数の確認
飲食店では、グループのお客様に対しては来店時に人数確認を行うのが一般的です。
スムーズな対応のためにも、人数確認は「いらっしゃいませ」と同時に行うようスタッフへ指導しましょう。
また、満席時の対応も忘れてはなりません。
「満席時はまず謝罪を行い、お客様にお待ちいただけるかをうかがう」など、一連の流れや言葉遣いなどをマニュアルにしておくと良いでしょう。
本記事で紹介した以外にも、来店時の接客ポイントはさまざまあります。
クックビズでは、飲食店経営者向けの採用ノウハウを動画にて公開しています。
本記事では紹介できなかった接客時の具体的なコツなども紹介しているので、ぜひ指導の参考にしてみてください。
クックビズの採用ノウハウ
「アルバイト向け研修動画」
「飲食店の基本」
ホール業務をスムーズに回すポイント
ここまでは、お客様来店時のポイントについて紹介しました。
次は、来店後の接客対応について解説します。
ホール業務の流れを見直す
もしもホール業務がうまく回っていないと感じるなら、まずは業務全体の流れを見直しましょう。
現在行っているホール業務すべてのリストアップを行い、それぞれ細かく分析します。
各業務を分析することで、「人手不足」「作業導線の悪さ」などといった原因が見えてくるようになります。
その分析結果をもとに、業務効率化に最適な対策を立てていきましょう。
業務の優先順位をつける
オーダー、料理の提供、会計、後片付けなど、飲食店ホールスタッフの業務は多岐にわたります。
しかし業務に不慣れな新人などの場合、やるべき業務が多いと混乱しやすくなるでしょう。
スタッフが仕事を滞りなく行えるようにするためにも、ホール業務の優先順位を明確にしておくことが大切です。
優先順位が明確になれば、スタッフはやるべき業務をすぐに把握できて接客がスムーズになります。接客がスムーズになれば、そのぶんお客様を待たせることが少なくなるので、結果としてトラブルやクレームを防ぐことにつながるでしょう。
とはいえ、優先順位に縛られすぎるあまり、融通のきかない接客になってしまっては問題です。
スタッフには「優先順位の重要性」は認識しつつ、その時の状況に合わせて臨機応変な対応を行っていく必要もあるという部分も含めて伝えておくといいでしょう。
役割分担
ランチタイムをはじめ、その店舗のピーク時になるほど、役割分担の重要度は高くなるといえます。
お店の規模にもよりますが、飲食店はチームワークが必要不可欠といえる業態です。
スタッフが個人個人の業務を遂行しつつ全体の連携がうまくいくように、それぞれの役割を明確にしておくことがポイントです。
また、いつでも上司に相談しやすい雰囲気など、フォロー体制をしっかり作っておくことも大切です。
編集後記
飲食店運営において、良質な接客は来店やリピーター獲得に影響する重要な要素です。
安定した飲食店経営のためにも、来客時の対応やホール業務など、経営者や店長はスタッフの接客指導を徹底しておく必要があります。
スタッフ全員が水準以上のサービスを提供できるように、本記事などを参考に、接客のコツについて改めて確認しておくのがおすすめです。