アルバイトが定着する飲食店の作り方

お店のアルバイトスタッフが「すぐに辞める…」「なぜかみんな続かない…」という悩みは、飲食店経営でよく聞かれると同時に大きな課題でもあります。

せっかく新しいスタッフを採用しても、早期離職になってしまっては、いつまでも採用に時間とコストをかけなければいけないという「負のスパイラル」に陥ってしまいかねません。

この「負のスパイラル」を解消するために最も大切なのが、「入社時の受け入れ体制を整えておくこと」です。特にアルバイトスタッフを多く抱える飲食店では、入社時の受け入れ体制が整っているかいないかが、その後のスタッフ定着率を左右する大きな理由のひとつといわれています。

では「入社時の受け入れ体制を整える」には、一体何をすればいいのでしょうか。

外食企業の人事担当経験者としてそのノウハウを知り尽くし、クックビズ「フードカレッジ」の講師として180社・2,000名以上の飲食人育成にあたってきた荒木 寿夫さんが、人材の定着につながる「入社時の受け入れ体制」の作り方を、2つのポイントで具体的に解説します。

フードカレッジ講師荒木さんの小さい顔写真

荒木 寿夫(あらき ひさお)/「フードカレッジ」講師
大学卒業後、マネジメント業務や人事業務に従事。その後飲食企業にて採用から教育まで一気通貫で携わる。クックビズ入社後、研修や人事評価・経営理念浸透のコンサルティングを通じて企業課題を解決。「クックビズフードカレッジ」講師として全国各地を飛び回り、各種メディアでも取り上げられる。

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入社後すぐの「OJT研修」で定着率をアップ

転職者が新しい職場に入社した際は、どんな職業であれ少なからずの不安を感じるものです。「職場の人間関係や雰囲気に溶け込めるか」という不安を持つ人が、非常に多いといわれています。さらに、新しい職場で仕事についていけるかという不安もあるでしょう。

ですから新しい人材が入社した際は、「コミュニケーション」や「研修」で、これらの不安を払拭することが非常に重要になってきます。

■コミュニケーション方法は相手によって変える

管理職の場合は、新しく入社した社員やアルバイトスタッフとコミュニケーションを取る際には、10人のスタッフがいたら10通りのコミュニケーション手法を取ることを心がけてください。

また、指導する際にも同様に10人いたら10通りの指導方法を身につけておくことが重要だと言われています。内容や相手のレベル感によって、指導方法を使い分けることがとても効果的です。

■マニュアルで「正確な情報」を伝える

企業・店舗共通のマニュアルは、日々の人材育成に一役買ってくれる強い味方です。

「人によって教わる内容や言っていることが違う」状態は、新しいスタッフにとっては大きなストレスになることも。入社したばかりの時期は、まずは何が正しく、何が間違っているのか、”正確なこと”を知りたいと思うものです。

その”正確なこと”を、より分かりやすく理解してもらえるツールとしてマニュアルが存在します。マニュアルがなければ、今から作成しても遅くはありません。

実際にオペレーションに携わるスタッフと協力しながら、日々の何気ない業務を可視化していくことが大切です。

また、マニュアルの置き場所は必ず固定してください。新しいスタッフ、既存スタッフが、いつでも確認できるようにしておきましょう!

■レベルに合った研修スケジュールを

新人教育をする際には、入社者のスキルが現時点でどのレベルなのかを見極め、場合によってはレベルに合わせた研修スケジュールに組み替えることも必要となります。工夫を惜しまない姿勢が、新しいスタッフの定着に繋がるといっても過言ではありません。

お盆をもった飲食店スタッフ二人

アルバイトスタッフの育成こそが「繁盛店」のカギ

飲食店では、正社員に対して、アルバイトスタッフへの研修が手薄だったり、ほとんどなかったりと、整備が遅れがちな傾向があります。

営業時間内の店舗において、お客様と一番接しているのはアルバイトスタッフです。言い換えれば店舗の「顔」であり、応対そのものが店舗の印象になると言っても過言ではありません。そのため、正社員だけでなくアルバイトスタッフへの研修・育成が、繁盛店をつくる非常に重要なポイントとなります。

下記のアンケートは、飲食業界でアルバイトをしている、もしくはアルバイトをしていた方にその仕事を辞めた理由を聞いたものです。

辞めた理由のトップが「人間関係が悪い」ということからも、いかにアルバイトやパートの定着に、職場内のコミュニケーションが大切かがわかります。
そこで、アルバイトスタッフの育成で大切なポイントをご紹介します。

■簡単なことから、ひとつずつ教える

あれもこれもと欲張らずに、1つひとつ丁寧に教えましょう。
新しいスタッフは、1つ教えられただけで頭の中はいっぱいになります。教える側は、「早く一人前になって欲しい」との思いから、あれもこれもと欲張る傾向がありますが、焦ってはいけません。相手のペースに合わせることが大切です。

また、比較的分かりやすく簡単な業務から教えることが基本です。
小さな達成感を積み重ねて、自信を持ってもらうこと。「出来た!」という成功体験が、仕事に対しての「やりがい」になり、その体験を積み重ねていくことが長期就業に繋がります。

■仕事ぶりを見極める

人それぞれに得意なこと不得意なことがあるように、アルバイトスタッフにも向き不向きがあります。
適材適所に配置することが店舗を効率良く運営することへの近道となりますので、仕事ぶりをしっかり見極めてください。
まずは得意な業務を任せ、過度なストレスを与えないようにしましょう。

■質問や相談がしやすい「心理的安全性」環境作り

職場環境に心理的安全性を意識することも大切です。覚えたことを実行したことで、「褒められるのでは?」と思ったことが、逆に「何をやってるの!」と怒られた時のストレス、落胆は計り知れないです。これが退職理由の大きな理由にもなります。

不要なストレスをためないために、いつでも質問や相談ができる環境をつくりましょう。そういった環境を、受け入れ側が作ってあげることも大切です。

そして、スタッフには常に笑顔で接しましょう。笑顔は、相手に対する尊重の気持ちの表れです。経験の差・年齢差に関わらず、人として尊重の気持ちを持って接してください。笑顔と挨拶はコミュニケーションの基本です。

そして、自分の新人時代を思い出し、されて嬉しかったこと、気持ちが楽になったことを、新しいスタッフにもしてあげてください。あなたの励ましひとつで、前向きで明るい気持ちになれることは間違いありません!

■育成計画や状況はスタッフ全員で共有する

まずは、無理のない計画を立て確実に育成することを心がけましょう。
計画を立てたら、店舗スタッフ全員で共有しておくことが大切です。
育成担当者が不在時でも、何を教えればいいのか、何ができて何ができないのかを具体的に把握できます。そのため、育成も滞らず、無理なく計画を進めていくことができるのです。

まとめ

会社や店舗にとって必要な人材を定着させるには、採用したらそれで終わりではなく、入社後のフォローがとても大切です。

日常的なコミュニケーションを通して、モチベーション向上につなげていくには、店舗主催のスタッフイベントなどで仲間同士のつながりを持たせたり、店長との定期的な振り返りを行なうといった対策も良い方法です。

こういった工夫こそが安定的な人材の採用と定着に結びついていくはずです。

(文章:荒木 寿夫、編集・構成:一柳 梨絵・峯林 晶子)

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