「前例が無いから、挑戦できる。」と書かれた厨房の写真

新たに生まれた社内独立のキャリアプランの可能性を、今後も強化していく予定

コロナ禍による自粛期間を有効活用しようとして生まれたこの研修が、社内独立に向けた新たなキャリアプランの可能性として進化していった今回のケース。

APHDでは、この期間で得られた知見を活かし、研修OJT+営業の機能を持ったお店を、近い将来に構想、準備もしている段階とのこと。その店舗では、お店のコンセプトとして大々的に「研修生がやっているお店」であることを打ち出し、訪れるお客様の理解がある環境で、店舗運営に挑戦できる場所としての機能を持たせるようです。個人にフォーカスした店づくりのために、個性が活きるための意見をしっかり反映したお店の箱はしっかりとAPHD側で構築していただけ、そこで実際に働くスタッフの意志も注入しながら、食材であったり、人材であったり、個性的なお店をどんどん増やしていくこともゆくゆくは視野に入れているとのことでした。

今後同社が目指していく方針としては、付加価値ある食材を安定して確保できる仕組みは踏襲しつつ、社員に経営権を与えること。一人一人がフードクリエイターになり、現場社員の裁量を大きくすることで、個人店のように店主のオリジナリティが光る店舗展開の方法も構築していこうと考えているようです。

自社の養鶏場で鶏を抱えている

食の未来を広げるフードクリエイター集団を目指す(APHDより)

マニュアル通りに進行すれば、育成自体はできるかもしれませんが、マニュアル以上の人材にはならないと思っています。飲食店は、運営する個人やスタッフの技量によって可能性の世界がどんどん広がっていく業界です。
美味しい料理、居心地のいい空間、お店の雰囲気や価値など、その全てを生み出すのは人。だからこそ、なによりも“個”が光る人材が育つような育成方法、展開方法を今も試行錯誤し続けています。

アフターコロナでは、これからおいしいものを食べにいきたいという人、そして「こんなおいしい料理を食べたことがない」と言っていただけるチャンスが増えていきます。
当社のこの考え方や想いに共感する店主や店舗を増やしていくことによって、食の未来を広げるフードクリエイター集団として世間に認知させていきたい。それがこの研修の最終目的地となればと考えています。

第二創業期の今、もっと多くの社員に経営に参加してもらいたい、というのが当社の想い。一緒に働く仲間には、当事者意識を持って挑戦する姿勢を期待していますし、「自分の手でブランドを育てたい」「新業態を立ち上げたい」など、やってみたいことに貪欲に取り組んでもらいたいです。
一人ひとりのその動きや想いを会社として実現させることが、店舗をより良くし、会社を一段と成長させ、業界にイノベーションをもたらすことに繋がるはずです。

APHDのロゴ

まとめ

今回の取材では、APHDが行う研修で学んだ人材だからこそ、同じ職場で働くスタッフに対する指導においても同じようにロジック立てた、寄り添った指導を継承&実現していることがよくわかりました。全くの素人である記者である私に対しても、解りやすく表現していただいたことも印象に残っています。

初めは時間を有効活用せんと生まれた研修が、今では新たなキャリアプランの可能性としてカタチになりつつある。どんな行動がその環境の未来を形作っていくか、本当にわからないからこそ、この事例は非常におもしろいケースだと思いました。

この研修が将来的に形作られれば、そこから続く世代や関わっていく関係者に対しても、株式会社エー・ピーホールディングスの想いが広がっていく。そうと思うと非常にワクワクするのではないでしょうか。今回の事例を皮切りに、どんどん構想は加速化していくとのことですので、チャンスは多くなっていきます。職人として、店主として活躍する未来は、案外近くにあるのかもしれません。


>この記事をはじめから読む