居酒屋のアルバイトの女性

こんにちは。社会保険労務士の小松です。
私は仕事柄、社会保険労務士として数多くの飲食店経営者の方とお会いします。

そのような経営者の方の話をお聞きすると、飲食店の店長に求める能力がだんだんとわかってきます。
色々なことを求めているのですが、やはり経営者として、一番は「利益を創出する能力」を求めています。

「売上」よりも、「いくら儲かったか??」

経営者は店長に利益を求めているのです。店長は、ひとつの店舗運営を任されているいわば同じ。経営者としての感覚を持って働いてほしいと思っているのですが、残念なことにきちんと利益まで把握している店長は少ないのが現状のようです。

それでは質問です。

アルバイトを1名採用するのに実際いくらのコストがかかっているか?皆さんご存知でしょうか?
店の立地や業態にもよるでしょうが実際に計算してみましょう。

アルバイトの応募には求人サイトや求人誌を使います。それらの求人媒体も無料では求人広告を載せてはくれません。

高額なものであれば10万円とか場合によっては100万円などもかかってきます。
通常、アルバイト採用の費用=求人の掲載料と考えがちですが、実はその他に4つの見えないコストも発生しています。

その4つの見えない採用コストについて今回はご説明します。

1.広告出稿にかかる準備時間のコスト

求人広告を出すには原稿が必要です。
時給はどれ位で、どんな職場なのか?

どんな内容で載せるかによって応募人数は違ってきます。

この原稿を考えるのは小さい飲食店では経営者が担当です。
仮に1時間かけて考えたとして、経営者の1時間当たりの時間給が発生します。

求人サイト・求人誌の担当者とも打ち合わせを行います。その時間も1時間程度はかかるでしょう。

2.応募者対応にかかるコスト

そして実際に広告が出て応募者からの応募がありました。
たいていは電話が店にかかってくるでしょう。当然その電話にも対応する時間がかかります。

電話対応する女性

仮に10人から電話があったとして、その電話がたまたま店のピーク時にかかってきたりすることも。

10人電話対応するだけでも結構な時間です。
その時間だけでも人件費と言うお金がかかっているのです。

3.面接にかかるコスト

次に面接をします。10人と面接するのは店長でしょう。

10人面接するのも結構な時間がかかります。
店長の人件費がかかります。

面接の様子

場合によっては面接の時間を遅れて来る応募者がいたり、面接に来ない応募者がいたりなど待っている時間も人件費がかかります。

4.育てる・教えるコスト

そして採用した後にすぐに即戦力としてバリバリ働いてくれることなんてありません。
当然ながら最初は教育や研修を行う必要があります。

仕事を覚えてもらう時間にも時給が発生しますので、これもまた人件費が多くかかるのです。

皆さんのお店ではどうでしょうか?
1.2.3.4.のコストを含め、一体いくらの経費がかかっていますでしょうか?

一般的にアルバイト1名を採用するのに1万円程度コストがかかると言われています。

笑顔で接客する女性

1万円の利益を生み出そうとすると、10万円程度売り上げをアップさせなければいけません。
10人採用する経費は、店の売り上げ100万円といっしょなのです。

それほどのお金を使って採用したアルバイトを教育もせずにほったらかしにし、すぐに退職されたりしてまた採用に経費をかけていては、どんなに売り上げを上げたとしても利益が残らないという悪循環・・・・

飲食店の経営者は確かに店長に売り上げを求めていますが、実際には利益を求めているのです。

最後に

ただでさえ売り上げアップが難しい状況で余計な経費をかけていては意味がありません。
まずは何にどれくらいのお金がかかっているのかを知ることが店長には求められています。

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