
未経験・年齢・性別オールフリー。人材を人財にすることで人が辞めない会社に
──2年間、離職者ゼロとお聞きしてますが、なぜでしょう。
なぜでしょうね(笑)。上に立つ僕らが楽しんでいるので「楽しいから」というのはあるかもしれません。先ほどお話しましたが、未経験のスタッフも自分で気づかない潜在能力を僕らがどんどん引き出していくのでやりがいはあると思います。
あと働き方って人それぞれなんですよ。こちらが「月●●時間働いてほしい」から、それに見合う人を見つけるというより、どちらかというと僕らが社員の望む働き方に合わせにいってるだけなんです。残業がないようにとか、しっかり休みもとれるというのは当たり前の話で、安定して働きたい人には安定した働き方を用意して、キャリア志向の人にはステップアップしやすい働き方を用意しています。

自分に合わせた働き方ができ、それに見合う給与アップの仕組みもある。
──だから女性も働きやすいんですね。居酒屋業態でスタッフの6割が女性というのは珍しいと思います。
僕は感性が女性に近いと思っていて、細かいところが気になるんです。たとえば「洗い物するのに手袋があったらいいんじゃないかな」とかね。女性スタッフの要望は共感することも多く「店のお手洗いにウォシュレットをつけては?」なども即対応しました。男性スタッフからはそういう細かい改善案ってあがってこないんですよ(笑)。
それと僕はロジカル重視で理屈っぽいです。男性が上司の場合、「やっといて」という言葉だけで説明がなかったり、指示がざっくりしている人も多いんじゃないかな。
──確かに女性は「腑に落ちる」と行動しやすいかもしれません。
飲食業界が男社会になりがちなのもそういう部分だと思います(苦笑)。当社では性別も年齢も関係ないです。「店長を目指したい」と言っていた20歳の女性スタッフには20歳で店長になってもらいました。もちろんスキルはみています。

「店長やマネージャーなどで力を発揮してくれるバリキャリ志望の人も大切ですし、ノンキャリ志望でも長く働いてくれて、安心して接客を任せられる人も大事なんですよ」。
でも色々言う男性陣もいるんですよ。たとえば女性が店長になったら生理で体調悪くてよく休むとかね。だから当社では1店舗あたりの正社員を増やして、社員の誰が急に休んでも問題なくまわせるような人員配置をしています。
飲食店って人に依存してる業界なんですよ。女性にとって働きやすい会社を作ったというより、男女の区別なしに働きやすい会社をつくっていったら、自然と女性が増えたというのが実際のところです(笑)。
──男性も育児休暇を取ったと聞きました。
男性も取得してますよ。産休育休を経て復帰した子育て中のスタッフもいます。さすがに夜の勤務は無理なので、ランチタイム中心です。当社では「ここで働きたい、こんな働き方がしたい」といわれたら、その働き方ができるかどうかを真っ先に考えます。最初から無理とは絶対いわないです。
僕の基本は「人重視」。何店舗あっても人がいなければ会社としては機能しないし、人が充実していれば1店舗でも会社は機能するんです。「人が会社だよ」とずっと言っています。

今後も取り組む姿勢は変わらず、面白い会社にしていきたい
──今後、飲食業界はどうなっていくと思いますか。
コロナ前、コロナ禍、そしてその後の時代も、「美味しいもの食べて感動したい」という消費者の行動はなくならないと思うので、僕の中でやることは何も変わらないと思っています。今は2極化がすすんでいて、「安いお店」を選ぶ人、「あの店に行きたい」「○○を食べたい」というはっきりした目的をもって来店する人に分かれています。
当社では目的をもって来店される店をめざし、「非日常」という要素も盛り込んでお客様をお迎えしたい。韓国居酒屋をステップに、2022年夏には、また新たな業態にゼロから挑戦していきたいと初のイタリアン「COMMA,(カンマ)梅田店」を出店。2023年からは和食業態などにチャレンジする予定です。
今後も、「美味しい料理」「気持ちのいい接客」そしていつもと違う「非日常的な空間作り」に励み、1つ1つの業態と向き合い、得意分野を増やすべく、ひたすらブラッシュアップしていきますよ。今スタッフの増員計画も立てているので、新しく入ってくる社員も一緒になって面白い会社をつくっていければと思っています。
──今日はお忙しい中、ありがとうございました。
まとめ
「人は大事にすれば成長する」と話す柴田代表。未経験、若手、女性が働きやすいのも納得の取材でした。自身も高卒で社会に出て無我夢中で学んだからこそ、今があるとのことで、会社に学校のような側面をもたせて「学び」の時間を作っていきたいと夢を語ってくれました。
休みの日は、身体を動かしたくてサーフィン、ゴルフ、フットサルを楽しんでいるそう。スタッフにもいつも健康であってほしいから、将来的には社員食堂を開設したり、朝の健康ヨガを開催するといったユニークな福利厚生の案がいっぱいあるようです。5年後の2027年までに50店舗をめざす株式会社ANF。これからますます面白くなりそうな会社です。
<インタビュー・記事作成:杉谷 淳子、撮影:久岡 健一、画像協力/株式会社ANF>
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