こんにちは。lillyです。
大人になればなるほど、和食を作法良く、きれいに食べられるようになりたいと思う方は多いでしょう。
そこで今回は、和食のマナーについてご紹介します。

「和食のマナーって自信ないなぁ」という方は、ここで勉強して、いざという時に困らないようにしておきましょう!

まずは姿勢!

姿勢の良い食事風景

まず、一番の基本になるのが姿勢。
背筋を伸ばした美しい姿勢で食べましょう。

また、座敷に通された場合は正座になります。正座を長時間続けるのは足がしびれてきつい!という方でも、乾杯が終わるまでは持ちこたえてください。

乾杯を終えて、食事が始まったら足を崩しても大丈夫です!

器は持ってOK、手皿はNG

黒茶碗

和食では、器を持ち上げてもOK。持ち上げるときは両手で包み込むように。(つまり、箸を持ちながら片手で器を持ち上げてはいけません!)

大皿の場合は、小皿に取り分けてから食べましょう。

手皿は見苦しいとされています。
皿を持って食べるようにすればよいのですが、どうしてもという人は懐紙を使いましょう。

ちなみに、遠くの皿をとるときは、右手に近いものは右手で、左手に近いものは左手で取りましょう。
器を引きずると食器や台に傷がついてしまうので、絶対にやってはいけないマナー違反です。

蓋が開かない!そんなときは…

ご飯と味噌汁と鮭の塩焼き

汁物等の椀物をいただく時、水蒸気でお椀の蓋がくっついて開かない!なんてことが往々としてあります。

そんな時、焦って力任せに引っ張ったり回したりすると、器に傷をつけてしまいますし、見栄えもよくないですよね。
落ち着いて、まず両手で椀を持ちましょう。

左手でお椀のふちを軽く握り、右手は蓋の糸底(出っ張ったところ)をつまんで、右手でひらがなの「の」を描くようゆっくりと回し開けます。

それでも開かない時には、左手でお椀のふちを軽く押したり戻したりをすれば、空気が入って開きやすくなりますよ。
どうしても開かなければ給士さんに頼んでも大丈夫です。

開いた!と思っても、まだ油断してはいけません。
蓋から水滴が落ちるのもマナー違反です。
早く飲みたい気持ちを我慢して、お椀の右側のふちに蓋を立てかけて数秒待ちましょう。

ちなみに、取った蓋は両手を添えて、右側にある椀なら右、左側にある椀なら左に逆さにして置きます。
椀を空にしたら、もう一度蓋を閉めましょう。

魚、上手に食べられますか?刺身編

刺身盛り合わせ

魚は食べるのが難しい食材の一つ。刺身と焼き魚がありますが、まずは刺身から。

刺身は、左手前から箸をつけましょう。「右端の刺身の方が大きい!」などと思っても、盛り付けを崩して取ってはいけませんよ(笑)
刺身に限らず、料理は盛り付けを崩さないよう手前から食べるのが基本です。

フグ刺しのように丸皿の場合は、中央から取りましょう。
船盛や大皿などを複数人で食べる場合は、目上の人からとっていくのがセオリーです。

お刺身で最も注意すべきは、箸先から醤油が垂れないようにすること。
小皿を持ち上げるなどして気を付けて食べましょう。

わさびを付ける人は、少量を刺身の中央に乗せて、折りたたむようにして食べましょう。
わさびを溶いてわさび醤油にしても問題はありません。

魚、上手に食べられますか?焼き魚・煮魚編

金目鯛の煮付け

最難関の一つ、焼き魚。骨などがあると非常に厄介ですよね。

でも、食べ方を押さえておけば大丈夫。一緒に美しい食べ方をマスターしましょう!

基本は左側から少しずつ…。
小骨は取り出しながら食べますが、もし誤って口の中に入ってしまったら左手か懐紙で口元を隠して、箸で取り出しましょう。

半身を食べ終わった後は、中骨をお箸でつまみあげ、頭と尾をつけたまま、骨を剥がして皿の向こう側に置きましょう。裏表をひっくり返さないように!

箸だけで取るのが難しい場合、左手を使っても大丈夫。
懐紙を添えるとスマートです。

食べる際、骨や皮などはお皿の一か所にまとめておきましょう。

魚についているハジカミなどの酢の物は、口直し用なので魚を食べ終わってから食べましょう。
煮魚も基本的に一緒ですが、汁が箸から滴る「涙箸」にならないよう、煮汁と皿の境目くらいで汁気を軽く切ると綺麗です。

また、崩れた身をそのままにしておくと皿が汚くなりがちなので、身が崩れたらその都度集めて食べましょう。

その他の抑えておきたい基本マナー

主な料理の食べ方はここまでで解説しましたが、注意したい作法は他にもあるので紹介します。

配膳配置

正しい配膳配置は、主食(ご飯等)は左側で、椀物(味噌汁等)は右側になります。

食べる順番に気をつけよう

一品ずつ出てくる順番が決まっていれば、迷うことはないのですが、最初に料理がずらりと並べられている場合、食べる順番に困りますよね。
和食では、味の薄い料理から食べていくという作法があります。

箸置きを使おう

箸置きがある場合は、食事中や食後等は箸置きに箸を置くようにしましょう。
当然ながら、箸先を浮かせるように箸置きに箸を置きます。

そして、右利きの人は箸置きを左側に置き、左利きの人は右側に置きます。

箸置きがない場合の置き方としては、色々意見がありますが、器のふちに箸先を乗せるのが無難でしょう。

食べさしを皿に置かない

一口で食べられる分量に切り分けてから口に運ぶようにしましょう。

器に口を付けてかきこまない

どんぶりのように豪快に食べるのはやめましょう。

箸をひっくり返して大皿料理を取り分けない

取り分け用の箸がない時にやる人も多いのですが、これはNGです。このような場合には、自分の分の料理以外に触らないように気を付けてそのまま取りましょう。

爪楊枝を使つ場合は注意を

爪楊枝を使う姿って、美しくないですよね。もし何かが挟まった時には、爪楊枝を人前で使うのではなく、中座してお手洗いなどで使いましょう。

最後に

ここまで様々な和食のマナーを見てきました。
なんかめんどくさいな、と思った方もいらっしゃるとは思いますが、これらのマナーの本質は敬意です。

一緒に食事をする相手、料理人や給仕さんへ、農家や漁師の方々、さらには食材。
これら全てに敬意を表すために、正しいマナーで食事をいただけるようになりましょう。