霜降り高級和牛肉ですきやきの画像

関東と関西の違い③ 肉をまろやか vs ガツンと食べるか

最後に、関東と関西の味の違いについて言及していきましょう。

関東では割り下でグツグツ煮るので、野菜と肉の旨味がだしに溶け出したまろやかなおいしさを味わうことができます。一般的な割り下も、子供からお年寄りまで親しみやすい味つけなので、優しいおいしさが特徴です。

その点、関西は肉を焼いた後に味付けをします。野菜はあくまで肉のお供なので、ガツンとした肉のおいしさが主役です。がっつり肉を味わいたい時には関西の「すき焼き」がおすすめです。

玉子にすき焼きのお肉をくぐらせている画像

生卵に絡めて食べるようになったのは、「すき焼き」が広く一般化したこの頃からです。生卵を使うようになった理由は、おいしい肉を焦って食べると熱くてやけどする人が多かったからです。生卵は熱くなった肉の温度を冷ます役割があったようです。また、当時は高級な食材だった卵と高価な肉の組み合わせが、ごちそうとして広まったともいわれています。

関東と関西の違い④ すき焼きにいれる具材

「すき焼き」にいれる肉以外の具材は、豆腐、ネギ、春菊、しらたき、しいたけ、麩など、関東と関西で大きな違いはないようです。各家庭のごちそうだけあって、家ごとの「我が家流」があり、にんじん、かまぼこなどを投入する家庭もあるのだとか。卵で絡めて食べるといっても、実際は生卵だったり、鍋の中で加熱した卵だったり、締めもうどんだったり、ごはんだったりと、それぞれの家庭でアレンジがあるのも面白いところです。

そんななかでも関西の人が不思議に思うのが、関東の「すき焼き」の定番具材「ちくわぶ(竹輪麩)」です。これは小麦粉をこねて茹でたもので、形は似ていますが竹輪でもなく、麩でもありません。関西の人には馴染みがない食材かもしれません。

一方、関西の「すき焼き」には白菜は欠かせません。関東のように調味料が多く入らず野菜の水分で味を整えるので、関西のすき焼きにとって白菜は必須のアイテムなのです。また、同じように水分が出やすい野菜として、関西では玉ねぎを入れることも多いようです。

すき焼きの具材がお皿にのっている画像

まとめ

日本の国民食「すき焼き」の関東と関西の違いを比較してきましたが、ここまでさまざまな違いがあるなんて知らなかった!という方も、いたのではないでしょうか?
今では関東と関西の「すき焼き」の違いを知った上で、その日の気分でどちらにするかを選んで仕上げる人も増えてきているようです。
また、外国人観光客にも日本の伝統料理として認知されている「すき焼き」は、その食べ方がさまざまな外国語に訳され世界で人気です。そんな日本の「すき焼き」を、これからも大事にしたいものですね。

■参考資料

日本文化いろは事典「すき焼き」
あなたの家は関東風?関西風?すき焼きの作り方に違いがあった!!(2013/12/27,cookpadニュース)
関東風と関西風すき焼きはどう違うの?ポイントは〇〇だった!(2015/12/1,楽天レシピ Daylicious)
牛肉をさっと焼く、最初のひと口がお楽しみ!関西風すき焼き (サッポロビール株式会社)


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