あつあつのおでんの画像

寒い季節には、あったか~いおでんが食べたくなりますよね。いまやコンビニで気軽に買うこともできる、日本国民にとって冬の定番メニューのひとつ。でも実は、エリアによって味つけや具材に、地域差があるのだとか!関東と関西のおでんの違いに迫ります。

「おでん」の定義

おでんのルーツは、室町時代に流行した「豆腐田楽」。種を串に刺して焼いた「焼き田楽」や、種を茹でた「煮込み田楽」などもあったそう。時代とともに進化を遂げたおでんは、江戸時代にはファストフードとして庶民に愛され、やがて煮込みおでんへと変化し、現代の定番料理となったのです。
紀文食品ホームページより引用)

さて、気になるおでんの定義は、「煮物」とはっきり区別されていないようなのですが、どうやら串に刺して煮込むものを指すのだそう。ただ現在ではほとんど串に刺さってはいないですよね。いつまで串に刺さっていたか明確にはわかりませんが、現在でも専門店などで串差しおでんが見られるのは、そのころの名残なのでしょう。

次に、おでんの具材の人気ランキングをご紹介!「大根」はダントツの1位ですが、それ以外はかなり僅差なのがわかります。

「おでん種人気ランキング2018」

おでん種 割合
1位 大根 24.6%
2位 餅入り巾着 6.9%
2位 はんぺん 6.9%
4位 ちくわぶ 6.1%
5位 がんもどき 4.6%
6位 玉子 3.8%
6位 厚揚げ 3.8%
6位 昆布 3.8%
9位 ウインナー巻 3%
9位 こんにゃく 3%

(出典:一正蒲鉾株式会社 おでん種人気ランキング2018
※2018年12月19日現在。投票によるランキングのため順位変動あり。最終結果発表は2019年2月28日

またおでんは全国的に食べられていて、沖縄でも「沖縄おでん」として家庭や居酒屋などで大人気!沖縄おでんの主役はなんといっても“豚”。「テビチ(=豚足)」をぐつぐつ煮込み、トロみのついた出汁と一緒に楽しみます。もう一つの定番具材が“葉野菜” 。テビチと共に、ヘルシーに頂くのが沖縄流なのです。

沖縄伝統料理の豚足テビチの画像

関東と関西でこんなに違う!?「おでん」の東西差

関東と関西で異なる呼び方やダシの味付け、具材の特徴をまとめました。

<関東>
関東ではもともと「煮込み田楽」と呼ばれていました。現在では「おでん」と定着しています。味やダシの色を濃いめに作るのが特徴です。
ダシの基本は昆布とかつお節ですが、その後の味付けに濃口醤油やみりん、砂糖などで甘辛く、しっかりとした味付けにして煮込みます。
また“ちくわぶ”や“はんぺん”などの練り物の具材が多く好まれています。

<関西>
関西ではおでんのことを、「関東煮」や「関東炊き」とも呼びます。もともとの発祥地が関東だったことから、そのように呼び方がつきました。
関西風のダシは、関東風と比較するとかなり薄めの味付けで、しょうゆも薄口を使い、調味料は調整する程度にとどめます。ダシ自体の色も透明に近いのが特徴です。
具材はタコ足や牛すじ肉などが挙げられます。

このように、「おでん」と一口にいっても、関東と関西では作り方・味つけ・具材(種)にいたるまで、かなりの違いがあることがわかります。

気になる!日本全国の“ご当地おでん”

関東と関西のおでんについてご紹介してきましたが、日本にはまだまだ知られざるご当地おでんがあることをご存知ですか?
特に人気の高い”ご当地おでん”をピックアップしてご紹介します。

まず紹介するのは「静岡おでん」。
静岡おでんの特徴は、なんといってもダシの色。黄金色のダシではなく、静岡おでんのつゆは真っ黒です。味付けに濃口醤油を使っていて、牛すじや鶏肉からダシを取ることで、真っ黒なつゆになります。
また大根や卵など一般的なおでんの具材の他に、静岡の特産“黒はんぺん”が入っています。食べる時には、だし粉と青のりをかけていただきます。

器に盛られたおでんの画像

次に「名古屋おでん」をご紹介。
名古屋では、こんにゃくやはんぺんなどの具を、八丁味噌をベースとした味噌ダレで、グツグツ煮込みます。味のしっかりついた味噌おでんは、酒の肴にもご飯のおかずにもうってつけ!
味噌の煮汁には豚のモツやバラ肉を入れてどて煮にしたり、味噌カツのたれにされることも。だし汁ではなく湯で茹でた後、味噌をつけて食する味噌田楽などもあります。

味噌おでんの画像

また、生姜しょうゆにつけて食べるおでんもあります。関東煮タイプと薄味タイプと両方があり、味の濃さ好みに合わせて生姜しょうゆを調整して頂けます。

おでんの大根の画像

そのほか、魚介ベースのあっさりしたダシで、赤巻き、バイ貝、車ふ、ふかしなど地元色豊かな具材を煮込んだ「金沢おでん」もあります。
ズワイガニの甲羅にカニのほぐし身や内子をぎっしり詰めた「カニ面」を供する店舗もあり、今や金沢おでんの定番といえる具材のひとつです。
身を食べ終えた後は、熱燗を注いで「甲羅酒」にするのもおすすめです。

金沢おでんの甲羅酒の画像

(参考資料:https://matome.naver.jp/odai/2142276276376285901

まとめ

ひと口に「おでん」といっても、関東と関西だけでもダシの味つけや具がかなり異なること、土地柄をいかしたユニークな「ご当地おでん」があることを今回はご紹介しました!
食べるとどこか懐かしく、ほっこりと温かい気持ちになれる食べ物「おでん」ですが、コンビニでも手軽に買える一方で、地域限定の味を求めて観光客が人気店に足を運ぶほどの魅力もあります。
屋台から割烹料理店まで、幅広い店で提供される振り幅の広さもおでんならでは!自由な発想でアイデアを凝らすことができるので、あなたのお店の人気看板メニューになるかもしれませんね!