春と秋の2回、旬があるといわれる「カツオ(鰹)」。それぞれの違いや、種類、見た目、味、生態など、カツオ全般に関する基礎知識をご紹介します。
生息場所、大きさなど見た目の特徴、食べ方
生息場所
カツオはスズキ目・サバ科に属する魚の一種。温帯から熱帯海域の世界中に分布しており、暖海性の外洋に生息している回遊魚です。日本近海では黒潮にのって太平洋側を春に九州南部から北上します。秋には宮城県沖に達した際に親潮とぶつかるため、Uターンしてまた南下するという季節的な回遊をしています。また、群れを作って泳ぐのが一般的です。
見た目の特徴
成魚で40~60cm程になり、寿命は約10年。1m近くまで大きくなることもあります。
体の形は紡錘形で、水の抵抗を少なくするため、背ビレはたたんだ時に体の中に格納されるようになっています。ウロコは前の方、胸ビレの先より少し後ろ辺りから前の方にだけあり、固くしっかりと付いているのが特徴のひとつです。
食べ方
カツオの語源は、身が堅いことから堅魚(かたうお)に由来するといわれています。火をいれるとパサついた食感になるため、日本では刺身など生や生に近い状態で食べられることが多いです。火を入れて食す代表的なものとして、カツオの肉を加熱してから乾燥させた「鰹節」があります。鰹節を薄く削った「削り節」は、出汁を取ったり醤油で和えておにぎりの具材にしたりと、さまざまな使い方が可能です。
「初鰹」と「戻り鰹」について
カツオは毎年北上南下をする回遊魚。春、日本の南部・鹿児島から北上をはじめます。漁は3月頃に九州南部で始まり、5月頃に本州中部、8~9月頃に三陸北部、北海道南部あたりまで進み、そこからまた南下しはじめます。4~5月に一度目の漁のピークを迎える「初鰹」シーズン、8~9月に三陸沖で漁獲される「戻り鰹」の時期あたりが二度目の「旬」と言えます。
「初鰹」
餌を求めて北に移動するものを「のぼり鰹」と呼び、とくに4~6月頃のものは「初鰹」として、竹の子やゼンマイと共に春の旬として上げられます。
初鰹の魚肉は赤々としていて、味はあっさりとしているのが特徴です。
「戻り鰹」
また、9月頃から南下し始めるものは「戻り鰹」と呼ばれます。
このころに獲れるカツオは、脂がたっぷりとのっているため「脂カツオ」「トロ鰹」とも呼ばれます。「初鰹」に比べて、もっちりとした食感が特徴の「戻り鰹」は、秋の味として広く親しまれています。
つまりカツオの旬は、4~5月にはじめのピークを迎える「初鰹」のシーズンと、「戻り鰹」の8月中旬から9月下旬あたりと言えます。
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