ビールで乾杯

暑さが増して、ビールの美味しい季節になってきました!そんな時に飲みたくなるのはビール!
ビールと合う料理というと、枝豆や濃い味付けの料理、揚げ物などが思い浮かぶでしょうか?
ですが、ビールと料理の組み合わせはもっと奥深く、もっと多様に楽しむことができます。

ここでは、「ビール・ペアリング」の魅力と、簡単に取り入れられるペアリング方法をご紹介します!

「ビール・ペアリング」とは

「ビール・ペアリング」とは、ビールと料理の組み合わせのこと。
白ワインには魚料理、赤ワインにはお肉料理が相性のいい組み合わせとして知られていますが、ビールにも風味や産地の種類によって料理との相性が異なります。

最近では、クラフトビールの流行もあり、日本でもビールの種類はワインに匹敵するほど数多く存在し、多様な料理に幅広い組み合わせを楽しむことが出来ます!そんなビール・ペアリングの方法とはどのようなものなのでしょうか。

今回は、日本で広く飲まれている4種類のビールを例に、ビールと料理の相性のいい組み合わせ方法を3つご紹介します。簡単に取り入れられるベーシックな「ビール・ペアリング」なので、ぜひ楽しんでみてください!


ビール樽と各種ビール

まずは知っておきたい!基本的なビール4種

まずは、ビールの基本をおさえましょう。
ビールの代表的な種類4つを知って、味わいの特徴を引き立たせる料理を選ぶことが、上手なビール・ペアリングのポイントになります。

ではまず、日本でよく飲まれている4種類のビールの解説から。

●ピルスナー

苦味が効いており、色は薄い黄色。チェコのピルゼンが発祥のビールです。「アサヒスーパードライ」、「サッポロ黒ラベル」など、日本で一番よく飲まれている種類のビールになります。

●ペールエール

程よい苦味に華やかな香りがするビール。色は金色〜銅色。ペールエールの発祥地はイギリスです。日本では「よなよなエール」「プレミアムモルツ『香る』エール」などは人気があります。

●スタウト

非常に味が濃く、苦味も酸味もあるビール。スタウトの発祥はアイルランド。色は黒ビールと言われる程真っ黒です。日本でよく知られているのは「ギネスビール」です。

●IPA (インディアン・ペール・エール)

苦味が強いビールで、ペールエールの一種です。産地はイギリス。色味は銅色〜琥珀色があり、箕面ビール「W-IPA」「インドの青鬼」などがこの種類になります。

それでは、すぐに真似できる簡単ビール・ペアリングの方法3つをご紹介していきます。

ビールと料理のペアリング(1) 発祥地の人気メニューと合わせる

日本では世界中のビールを味わうことができます。外国のビールを飲む時は、その国の料理と一緒に合わせてみるのが一番簡単。軽めのアジア系のビールにはアジアン料理、重めのドイツビールにはドイツ料理を合わせるなど、ビールの産地国の料理を合わせれば、間違いなく相性抜群のペアリングになります。


ハンバーガーとダークビール

●アイルランド料理とスタウトビール

アイルランドが産地のスタウト、たとえばギネスビールには、アイルランドの国民食「ギネスシチュー」を組み合わせるのがおすすめです。ギネスビールも一緒に煮込んたビーフシチューは、濃くのある味わい。濃い風味のギネスビールにベストマッチ。

●チェコ料理とピルスナー

ピルスナーの発祥地チェコで食べられているのが、チェコの家庭料理「ブランボラーク」。ジャガイモを潰して焼いたパンケーキは、ビールに相性のいいおつまみとして現地で永く愛されています。

●イギリス料理とペールエール

イギリスはパブ文化が有名。定番人気メニュー「シェパーズパイ」は、ウスターソースなど深みのある味付けをしたミンチ肉とマッシュポテトをオーブンで焼いたもの。この少し甘みのある料理にはペールエールを組み合わせるのがオススメです。ホップの苦味の絶妙な味わいが癖になりますよ。

ビールと料理のペアリング(2) 風味をそろえる・対比させる

爽やかなビールには酸味のある料理、フルーツの風味のビールには甘いデザートなど、似た風味を合わせるのがおすすめ。一方で、酸味&甘味、苦味&甘味など、相反する味を組み合わせると、味を引き立たせ合うので絶妙な味わいを堪能できるでしょう。

●「苦味」のあるビールと「濃い味」のハーモニー

ビールの味の主張が強く、苦味が効いているIPAによく合うのが、濃い味の料理。味のしっかりした赤身肉や、醤油ベースの料理とのペアリングは特に相性が良いでしょう。魚を合わせたい場合は、カツオなどの味のしっかりとした食材を使った料理と合わせるとビールの苦味を美味しく引き立ててくれます。

●「フルーティー&柑橘系」は「酸味」と相性良し

女性でも飲みやすい軽い口当たりのペールエールは、苦味とフルーティーな柑橘風味の調和がとれているので、酸味が効いた薄味の料理と相性が抜群。和食ではお寿司やしめ鯖など酸味の効いた料理、洋食では白身魚のカルパッチョなどとのペアリングが最適。


タイのカルパッチョ

ビールと料理のペアリング(3) 色を合わせる

ビールの色は、モルト(麦芽)のロースト(焙煎)の度合いで変わります。ビールの色と料理の色を合わせると、バランスがよいペアリングができます。たとえば、コクのある濃い色をしたスタウトには、ビーフシチューなど味のこっくりしたものが相性良く、ペールエールなど薄い色をしたものは、水炊きなどのあっさりとした和食との相性が良いのです。

●「深い色」の料理には「濃い茶色」ビールを

味噌や醤油を使ったこっくりした深い色味の料理に合うのは、濃い色合いのスタウト。ビーフシチューなどの洋食系だけでなく、生姜焼き、味噌焼きした肉、豚の角煮など和食の家庭料理に合わせるのもおすすめ。ピルスナーを合わせる人は多いかもしれませんが、スタウトと合わせるといつもと一味違った風味を楽しめます!

●「あっさり味」の料理には「薄い黄色系」ビールを

水炊きやお浸し、だし煮のようなあっさりと和食にとても相性の良いビールは、ペールエール。ビールが苦手な方でも比較的に飲みやすいペールエールは、ライトボディなほど良いホップの香りがします。薄い色をしたビールと、薄味の和食とはベストマッチ。洋食ならば、鶏肉のレモンソテーなど、薄い色味で酸味のある味わいの料理がぴったりです。


グリルチキン

「ビール・ペアリング」を楽しもう!と意識するだけで、今までのビールの飲み方の幅がぐんと広がります。同じビールが料理によってどう味わいを変化させるのか、そのマッチングを味わうのが「ビール・ペアリング」の醍醐味。ビールの味わいが一段と良くなる料理との組み合わせ、ぜひ発見してみてください。

日本の定番ビールはピルスナーですが、ぜひペールエールやスタウト、IPAなど、普段あまり口にしたことがないビールにもチャレンジを!そしてまずはここで紹介した3つのペアリング方法を試してみてくださいね。