さまざまな種類のベーグルの画像

アメリカから上陸したベーグルはすでに日本でも浸透しつつあります。しかし、外のものをアレンジするのが得意な日本には、本家にはなかったベーグルの種類もたくさん。見た目からはパンとベーグルの違いが分かりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか。熊本・天草のベーグル屋さんが、ベーグルとパンの違いを解説します。

古代ギリシャ時代に偶然生まれた発酵パン

小麦と水をまぜてこねただけのものが起源

パンは今から8000年ほど前の古代メソポタミアで生まれたといわれています。当時のパンは今のような形ではなく、小麦粉を水でこねて焼いただけのものでした。また、その工程に発酵はなく、発酵したパンが生まれたのは偶然だったと考えられています。

気のテーブルの上に置かれたパンの画像

今でこそ、パン作りの工程に発酵は欠かせません。発酵がパンの味わいを深くしてくれることも知られています。ところが、それ以前のパン作りでは発酵はスタンダードではなかったようです。

その後パンは古代ギリシャへと伝わり、製パン技術を身に着けた専門の職人が登場するようになりました。量産されるようになったパンは、世界各地へ広まっていったのです。

当時の日本人はパンの食べ方がわからなかった

日本にパンが伝えられたのは戦国時代のことだといわれていますが、日本人のためにパンが作られるようになったのは鎖国が解かれてからのこと。横浜や神戸などの港町を中心にパン作りが広まっていきました。

ところが、19世紀の日本では、まだまだパン食は一部の人のためのものでした。西洋式のパンは日本人の食生活や嗜好にマッチせず、多くの人はパンを「どうやって食べてよいかわからない」と感じていたのです。

日本人にパン食を広めるきっかけとなったのは銀座・木村屋総本店が開発した「あんぱん」でした。あんぱんは大ブレイク。日本人の間でもパン食が広まるようになったのです。

アンパンの画像

ベーグル誕生は中世ポーランド

開国して160年あまり。近年、日本では新たなパンの仲間「ベーグル」が浸透しつつあります。ベーグルはニューヨークからやって来たといわれていますが、発祥の地はポーランドです。

中世ポーランドに移り住んだユダヤ人が、ベーグルの原型である「オブヴァジャネック」を作ったといわれています。14世紀の文献には「リング型のパン」の記述があるそうです。

オブヴァジャネックとヨーロッパの街並みの画像

「オブヴァジャネック」の味は、塩、ゴマ、ケシの実、そしてチーズの4種類。日本では菓子パンのようにいろいろな種類があるのとは対照的です。

また、元祖ベーグルは欧州連合の法律で保護されています。「オブヴァジャネック」を名乗るためにはいくつかの条件があります。ポーランドの特定の地域で作られていること、そして手作りであることが条件です。

パンとベーグルの違いは原材料と作り方にあり

パンとベーグルの違いはどのようなところにあるのでしょうか。原材料と作り方に違いをみることができます。まず、原材料についてみていきましょう。

麦と小麦粉の画像

パンには、バターなどの油脂や牛乳、卵などを入れるのが一般的。最近人気の高級食パンには、バターや牛乳がたっぷり入っています。油脂や乳製品を入れるメリットは、乾燥に強く、長時間しっとりした生地の質感を保てることです。油脂があると、食べたときの満足感を得やすいこともメリットといえるかもしれません。

一方、一般的なベーグルの原材料は小麦粉(強力粉)、水、砂糖、塩、イーストだけ。油脂が入っていないので、小麦などの素材の味を強く感じられるのが特徴です。ただし、シンプルな材料だけに堅くなりやすいのが難点。素朴な味のため一般的なパンを食べ慣れた人の中には「なにか物足りない」と感じる人もいるようです。また、卵や乳製品、バターを使っていないため、ヘルシーでアレルギーを持つ人でも食べやすいといわれています。

次に作り方をみていきましょう。

パン作りの工程では発酵が複数回あるのが一般的ですが、ベーグルは2次発酵をさせません。1次発酵が終わると一度ゆでます。ゆでることで生地表面にデンプンの膜を作り、焼いても生地内部の水分を蒸発しにくくすることで、独特のもちもちした食感を作ることができるのです。


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