六本木ミッドタウンにある『orange』(オランジェ)は、シャンパンをスパイスやハーブを効かせた多国籍料理とともに楽しめるシャンパン・ビストロダイニングです。
運営するのは公園再生事業はじめ“人々のライフスタイルを変える仕かけ”で飲食店の枠を超えて躍進する株式会社ゼットン。『orange』はまさにゼットンが得意とする「ちょっといい時間の提供」を具現化したダイニングです。
料理長は、若干28歳の金澤 健太郎(かなざわ けんたろう)さん。
すでに料理長としては3店舗目を経験する金澤さんに、料理長になるまでのこれまでのキャリア、料理長として取り組む仕事や目標、またゼットンという会社がどんな会社なのか?
インタビューしました。
『orange』料理長・金澤 健太郎さんインタビュー動画
『orange』料理長・金澤 健太郎さんへのインタビューをダイジェスト動画でご覧いただけます。詳細を知りたい方は記事へ。
▼プロフィール
金澤 健太郎(かなざわ けんたろう)さん
28歳・愛知県出身。美容師をめざしていたものの、アルバイトしていた飲食店での仕事に魅かれ、ゼットン入社。『orange』に調理スタッフとして配属。その後『ルーフトップバーベキュービアガーデン』『アロハアミーゴ原宿店』で料理長として勤務。現在は『orange』料理長を務める。
『orange』料理長になるまで
Q:ゼットン入社までは?
A:もともと僕は美容師をめざしていて専門学校に通っていました。その当時、飲食店でアルバイトをしていたんですが、お客様と接したり、調理を通して、飲食店の仕事ってこんなに嬉しいんだ、楽しいんだというのを知りました。
その時の僕にとって師匠にあたるような美容師さんが、ゼットンの社長と友人関係で、その方を通じて社長に紹介していただいた形で、2017年に入社しました。
Q:入社してからは?
A:入社1年目は『orange』のキッチンの一般社員として勤務しました。1年後、オンシーズンの期間限定で営業していた六本木アークヒルズの『ルーフトップバーベキュービアガーデン』にて料理長として抜擢されました。その後、『アロハアミーゴ原宿店』で料理長に就任。2年間、料理長を務めた後、再び『orange』に料理長として配属されて今にいたります。
Q:初めて料理長を任された時の気持ちは?
A:入社1年経ったばかりの僕にとっては大きな挑戦でした。まだまだ未熟な中で不安が大きかったのと、でも「やってやるぞ」という気持ちがあって、二つの気持ちが半々あったかなと思います。
料理長としての仕事
Q:料理長としての仕事のやりがいは?
A:料理はもちろん飲食人として成長できて、挑戦ができること。料理はもちろんなんですが、ビジネス、経営という部分でもすごく学ぶことが多いので、そういった部分での勉強、刺激がとてもあります。
Q:成長できたなと思われる部分は?
トータルとして飲食店を経営するのに必要な力を学べていると思います。売上や人件費といった数字の面でも、飲食人としてどうしていかなくちゃいけないのか、というのを深く考えるようになりました。
上司はもちろんですが、数字を勉強する研修会もありました。仕事では、店の数字を把握しながらアクションを考えて実行していっています。
Q:大変だったことはありますか?
やっぱりまず新しいものをつくり続けていくというクリエイティブが、まだまだ磨いていかないといけない部分でもあるので、そこが大変かなと思う部分です。
あとは、料理長として経験値がない時は、「人のコントロール」という部分でまだまだ未熟な面があったので、チームを作っていく中で、どういったコミュニケーションを出していくか、というのをすごく考えながら働いていました。
Q:どうやって乗り越えた?
スタッフをどう導いていくのが正解か、いろんな先輩の意見を取り入れて、仲間たちに発信を続けました。
やっぱり言いにくい、伝えにくいこともあるんですが、そこをしっかり伝えていく。自分の声をどうやって出してチーム作りしていくか、常に考えて動くようにしています。
料理に関しては情報をたくさん仕入れて、とにかく作ってみることが大事だと思います。
Q:仕事で楽しいと感じる時は?
A:お客様に直接、「よかったよ」「美味しかった」と言っていただいたとき。それと、厨房の責任者として結果が出た時はやっぱり一番うれしいですね。
Q:今後の目標は?
A:大きい目標としては、料理長の上にエリアを統括する統括料理長という役職があるので、この統括料理長を見据えてランクアップしつつ、自分の夢でもある「独立」に向けて頑張っていきたいと思っています。役職はさらに上でいうと、部長、本部長があります。
Q:将来はどんなお店を持ちたいですか?
『orange』のような店を作りたいなと思っています。どんなときでも使い勝手がよい酒場で、みんなが集まれてリラックスできるような店舗をつくりたいです。
ゼットンの企業風土
Q:ゼットンの好きなところは?
A:ゼットンを大切にしている人が多いところ、ゼットンを好きな人が多いところ、あとは会社が常に前を向いて進んでいるところが好きです。
Q:福利厚生や働きやすさは?
A:さまざまな取り組みがあります。休みも月8日は絶対にあるので、飲食店としては多い方だと思いますし、自分のプライベートの予定も組めていますので、そこは充実しているなと思います。
特別休暇が年に3回あって、有給休暇やバースデー休暇も取得できます。僕は地方出身なので、お正月に特別休暇をつけて家族と過ごすことができています。そういった時間の使い方ができるようになって、すごく感謝しています。
Q:休暇の過ごし方について教えてください。
A:ゼットンには部活動があって、僕自身はフットサル部の部長なんですが、他の部活はバスケットボール部だったり、ランニング部だったり、活動しやすい部活がたくさんあります。フットサル部は現在は30人くらいメンバーがいますが、みんな各店舗の社員なので時間の合う15人前後くらいが集まってやっています。
部活では自分の所属するエリア外の人もたくさんいますので、横のつながりが増えていく、よい機会になっていると思います。
Q:他にも他店のスタッフと交流する機会はありますか?
A:「全社ミーティング」や「Z-1グランプリ」「1on1MTG」などがあります。Z-1グランプリでは、エントリーした方々と知り合ったりだとか、ゼットンはイベントが結構あるので、そこに参加すると横のつながりは増えていくと思います。
Q:Z-1グランプリって?
A:料理人のための社内グランプリです。アンダー25と一般の二部門があって、アンダー25は「プラントベース」、一般部門は「サステナブル」をテーマに料理人とホールスタッフとのタッグ戦で行なわれます。
今回僕は一般部門の「サステナブル」に参加しました。メニューはホールのパートナーと一緒に約1か月半かけて準備しました。『orange』はスパイスとハーブを得意としているので、「ビーフビリヤニ」というインド系のピラフのようなものなんですが、それとテーマであるサスティナブルとをくっつけて。結果は惜しくも決勝で負けてしまいました。
Q:1on1MTGって?
1on1MTGは、基本的には上司やもっと上の人と世間話を含めてフランクになんでも話せる場になっています。現場では言いづらいことを席に座って話す機会を作る取り組みです。
料理長である僕の場合は、部下たちの話を聞く側にもなります。ゼットンではそういった独特の制度を本部を中心に積極的に行なっています。
Q:ゼットンはどんな方が多いですか。
みんなお店に愛情を持っていて、「店のことが好きなんだな」というスタッフが多いと思います。『orange』のスタッフは、ネパール出身のスタッフもいますし、多国籍になってきていて文化もさまざまで面白いですよ。
Q:尊敬できる仲間や先輩はいますか?
直属の上司であったり、今まで指導してくれた先輩方、部活動の仲間たちだったり、たくさんいます!
金澤さんの働く『orange』はこんな店
六本木ミッドタウンにあるシャンパン・ビストロダイニングです。世界のスパイスやハーブをたくさん使ったエスニックやオリエンタル、ひとつの国にとらわれない幅広い調理法でさまざまなメニューを提供しています。シグネチャーディッシュは「フレンチフライと黒トリュフ」「特製ローストビーフ」「オレンジとモッツァレラのカプレーゼ」。
まとめ
金澤さんのインタビューで感じたのは、ゼットンではとにかく年齢や入社歴といったことに関係なく、重要なポジションをどんどん任されるということ。
そして金澤さんが「不安もあるし、やってやるという気持ちもあった」と語るように、スタッフたちの気持ちを理解したうえで、会社にしっかりとしたサポート体制があるということです。
人事部の採用担当・八須さんいわく「技術や経験ではないんです。僕たちが大事にしているのは、チームによって新しい価値を作っていくことです。だから大切なのはチームマネジメント。ここにやる気をもってくれる方であれば、さまざまなチャレンジができます」
「僕たち自身が店長や料理長を経験して実際に悩んだこと、困ったことがたくさんあります。そういったことをどうしたら解消できるか、やっぱりコミュニケーションが基本だと思うので、コミュニケーションの場や機会はこれからも増やしていきたいです」
『飲食店を経営する』その枠さえも超えて発展する株式会社ゼットン。事業展開でも新しい風が吹く今、これからの成長に期待がかかります。
クックビズ総研
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