大西さんがひとりで切り盛りする「TRATTORIA ROKUDAI(トラットリアロクダイ)」は、2013年3月大阪市東成区にオープン。

駅からは微妙に距離がある場所。
そして、周りにはうどん屋やスーパーマーケット、住宅が立ち並んでいます。オーナーの大西さんに、クックビズ総研編集部の松尾がインタビューしてきました。

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焼鳥バイト・バーテンダー・イタリア修行、とにかく行動!

松尾:オーナーであり、シェフである大西さん。経歴はイタリアン一筋ではないんですよね。

大西さん:飲食の道に入ったきっかけは、高校生のときに地元で始めた焼鳥屋のホールのバイトです。お客様におもてなしすることにやりがいを感じて。工業科の高校に通っていたけど、飲食の世界で生きる決意をしました。

松尾:次にされたお仕事は何だったのですか?

大西さん:調理の仕事につきました。惣菜屋の調理アルバイトです。でもすぐに物足りないと感じ始めて…。やっぱり楽しかった接客の仕事がしたいなと思い、夜は居酒屋でホールのアルバイトを始めました。

松尾:昼も夜も飲食の世界で働いていたんですね。体力的にも精神的にも辛くはなかったのですか?

大西さん:しんどいと思うことはまずなかったです。それ以上に自分の行動で、来てくれたお客さんに喜んでもらいたい。その一心のみでしたね。

────そのあとも大西さんは飲食に興味深いかかわり方をされていきます。

今度は夜にアルバイトしていた居酒屋からバーテンダーに転向。

Red wine pouring in glass at bar

大西さん:お客さんの目の前でお酒を作り、喜んでもらえることがとてもうれしかったんです。

────そしてようやく、イタリアンの門をたたきます。

経験豊富なシェフのもとでひたすら厳しい修行に励みます。

大西さん:仕事には厳しいシェフでしたが、一度もつらいと感じたことはなかったですね。それは自分らしく、のびのびと料理を作ることができたからだと思います。

────しかし、楽しく仕事できたのもつかの間、なんと店が閉店することに。

その後も店を転々とされていましたが、思い切って本場イタリアに渡り、トスカーナやシチリア地方のレストランで修行することを決意!

グローバル社会イメージ―パスポートと旅客機

松尾:修行先はどうやって見つけられたのですか?

大西さん:SNSで知り合った友人に店を紹介してもらったんです。まさか、本当に本場で働けるなんて思ってもみなかったのでラッキーでしたし、うれしかったです!

松尾:ですよね。このきっかけがなければいま、イタリアンで独立していないかもわかりませんよね。

────日本に帰国後はワインショップが運営するイタリアンレストランでさらに腕を磨き、やっぱり本場の味や雰囲気が忘れられず、イタリア・シチリアに再渡航されます。

そして、念願の独立へ。このとき大西さん、33歳。

「TRATTORIA ROKUDAI」をオープンするにあたり…

  • 自分ひとりでサービスも調理もこなせる小さなハコで勝負したい。
  • 周辺にイタリア料理店がない場所で店を構えたい。

この2つが、大西さんの自分の店へのこだわり。
料理はシチリアに特化した、珍しい名前のメニュー「豚肉のリピエーノ」や「ロッリ」など。

その日の仕入れに合わせたメニューを設定するので毎日同じメニューとは限りません。
ワインメニューはすべてイタリア産です。

ロッリ

ひとりだからこそ!

  • じかにお客さんに接することができ、うれしい意見はもちろん、厳しい意見も聞ける。
  • すべて自分次第。メニューはほぼ日替わりで、料理に合ったワインもどんどん入れられる。
  • 人を雇わずひとりですべてやりきるので、気がラク、ストレスフリー。

つらいことも、あるんです…。

  • なにからなにまで自分次第なので、気を抜くことはできないしもちろん許されない。
  • すべて自己判断なのでアドバイスがほしいときに困る。

目標は高く!!!

広い場所に移転したい!けど、やっぱりひとりで運営していきます。

Man on top of mountain.

これから独立したい、後輩くんたちへ。

  • いいなと思う物件は早いうちから目をつけておく。
  • 食べ歩きをし、美味しかったら詳細をメモっておく。
  • 人と人のつながりを大切にする。
  • 料理人として、お客様の声をなによりも大切にする。

アットホームなお店です。

実は、取材者である松尾は大西さんのお店に通う一客なんです。

店がオープンして間もない頃、こんな下町におしゃれな専門店ができたなぁ、と思ったのが正直な感想でした。
でも店の前を通るたびにいつもお客さんでにぎわっていたんです。

よくよく店の前を見てみると、小さな看板に「真夜中のシチリア料理」の文字が…。
興味深々で入ってみると、やっぱりタダのイタ飯屋じゃない!シチリア料理がこんなところで味わえるなんて!という驚きと感動でいっぱいになりました。

外観

取材におじゃました日は常連のお客様を中心ににぎわっていました。
グループで来られる方はもちろん、80歳の女性がおひとりで来られ、美味しいワインと大西さんが腕を振るう料理を堪能されていました。
みなさん、アットホームな雰囲気の中で大西さんとの会話も楽しんでおられましたよ。

店舗情報

店舗名 TRATTORIA ROKUDAI(トラットリアロクダイ)
住所 大阪市東成区中道2-4-7
電話番号 06-6976-5855
営業時間 17:00~翌1:00(日曜日:12:00~14:00、17:00~22:30)
定休日 月曜日、第4日曜日
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