
「株式会社利久」は、宮城県を拠点に仙台の食文化である「牛たん焼」を全国に発信し広めている会社です。
1988年に仙台市で1号店を開店し、着実に店舗数とファンを増やし続け、2008年にはついに県外に進出。その後、北海道から九州まで出店を広め、「牛たん炭焼 利久」をはじめとする複数の「利久」ブランドで、現在80店舗以上を展開しています。
「利久」ブランドの人気の秘訣を、神奈川県の店舗の店長・大坂さんにさっそく伺ってみましょう。
手作業による「焼き手」のこだわり
──入社のきっかけを教えてください
宮城県出身で、以前に中華料理店で勤務しているときに利久の求人を見かけ、地元で有名企業だったので応募し転職しました。
──入社してみて大変だったことはありますか?
牛たんの「焼き手」として成長していくことですね。
最初は、焼きの作業中に炭火の扱いで失敗してしまうこともよくありましたが、1ヶ月もすれば1人で焼けるようにはなりました。
ただ、牛たんの焼き作業はかなり奥が深いです。
焼き目の付け方や見せ方、また、旨味を閉じ込める方法や、香ばしい香りの付け方など、それらを身につけるにはひたすら練習するしかないのですが、箸の使い方や返し方といった技術をふくめ、探求していくのはすごく面白かったです。
──「焼き手の手作業」といったところが人気店の要因でしょうか
素材の良さというのもありますが、まさにその知識や技術といったところは、手作業による牛たんのスライス・味付け・焼きにこだわった当社ならではなのかなと思います。
また、おかげさまで繁盛店とさせていただいていますので、1日300~400名のお客様にご来店いただいています。
そのオペレーションに慣れるのにも時間がかかりましたが、繁盛店を回すスキルが身に付き、さらにお客様へのサービス面でも徹底ができているというところで、安心してご利用いただけ、いつでも来ようと思ってもらえる要因になっているかもしれません。
トップダウンでなくお客様に一番近い現場の意見で店舗運営
──お店の運営方針はどのように決まっていきますか?
「利久」ブランドには、調理にも接客にもマニュアルがありません。
新メニューは約2ヶ月に1回のペースで1~3品ほど出していきますが、基本的には社員のアイデアから生まれるものになります。
本部のコンセプトとしては、“旬のモノ”や“宮城県の特産品”といったストーリー性を重要視しているので、それをクリアしていれば、トレンドと組み合わせるなど、どんなメニューも実現できます。
接客に関してもそう。おひとり様やファミリー層といったそれぞれに合わせた接客や、フレンドリーな対応など、どんな接客スタイルでもOKとなっています。
──そのほかにも人気店の要因となっていることは?
オープンキッチンなのも良いのかなと思います。
料理を手がけながらお客様が食べている姿が見えますし、視線が合うこともあり、そこで会話が始まることもよくあります。
それがお客様に親しみを持っていただけるという部分に繋がっていると思いますし、スタッフとしてもやりがいや楽しみになっています。
そして、店舗で調理やサービスに注力できるのは、会社がスタッフの働く環境をしっかり見てくれているからというところもあると思います。
お店が閉店した後、退勤までスムーズですし、休日数が多く、しっかり休むこともできています。
育児休暇もあり、男性も、店長ももちろん、お子さんが生まれた際は育児休暇を取得しています。
まとめ
「株式会社 利久」の社風として、良い意味で1人ひとりが主役となって、自信と自由度を持って活躍できる。そして自分たちの意見や個性を活かして働くことができる。そういったところがあるとのことでした。
それらが「利久」各店の料理や接客としてお客様に伝わり、コミュニケーションが豊富にとれる店内で、お客様から「美味しかった」「また来るよ」といった発信も気軽にしていただける。そしてスタッフもそれを受け取れて…と良いサイクルが積み重なって、ブランド力が確立し高まっていくように感じられました。
現在、宮城県以外で50店舗以上を展開している「利久」ブランド。
宮城県から離れたエリアでも、「仙台の利久さんね」とお客様から言っていただけることも多いようです。