
活気あふれる2つの店内で、生き生きと働くスタッフたち。そのなかで調理を担当しているのが、今回お話をうかがった株式会社パッションギークスの島田 春輝さん(25歳)だ。大学1年生から始めたアルバイトをきっかけに、卒業後そのまま正社員として入社。現在は、天ぷら業態と居酒屋業態の2店舗でキッチンを任されている。調理は未経験からスタート。どのように仕事のやりがいを見つけていったのか。その軌跡と、彼が感じる飲食業界の魅力に迫る。
お客様との距離の近さが魅力。アルバイトから正社員への道
──まず、こちらの会社に入社されたきっかけを教えていただけますか?新卒で飲食業界を希望した理由は何だったのでしょうか。
もともと大学1年生からアルバイトで働いていまして、そのまま正社員になったという形です。「天ぷら酒場 NAKASHO」「板バ酒バ魚」は、お客様との距離がすごく近いのが特徴で、特にカウンターでの接客が多いんです。お客様と直接お話しするのが楽しくて、それがこの仕事を続けたいと思った大きな理由の1つですね。
──アルバイト時代と、正社員になってからで、仕事に対する意識に変化はありましたか?
やはり一番大きいのは「責任」が伴うようになったことです。アルバイトスタッフのミスも、最終的には正社員の責任になります。ですから、彼らが働きやすいようにサポートしたり、ミスが起きないように事前にフォローしたりすることが重要になりました。自分の仕事だけでなく、チーム全体を見渡す視点が求められるようになったと感じています。
向かい合う2つの店舗で、和食の奥深さを探求する日々
──現在はどのようなお仕事をされているのですか?
今は、同じ商業施設内の向かい合わせにある、「天ぷら酒場 NAKASHO」と「板バ酒バ魚」でキッチンを担当しています。調理全般に加えて、日本酒に力を入れている店舗なので、お客様へのご提案や発注業務も行います。もともと2ヶ月前までは「板バ酒バ魚」にいたのですが、会社として「全ポジションを全員ができるようになろう」という取り組みがあり、今は「天ぷら酒場 NAKASHO」の厨房にも入っています。
──2店舗の兼任は大変そうですが、どのような連携をされているのですか?
厨房はそれぞれ独立していますが、仕込みは共有できる部分も多いんです。例えば、豚の角煮のように仕込みに時間がかかるメニューは、両店舗分をまとめて調理した方が効率が良い。そういった改善案は、営業中に気づいたらすぐに報告して共有するようにしています。最近はホールスタッフも両店舗を行き来しているので、2つの店舗というより「一つの大きな店舗」として運営していく流れになっていますね。お客様から「あれ、君向かいのお店の子じゃなかった?」なんて声をかけられることもありますが、そういう時に「そうなんです、姉妹店なんです」と宣伝できるので、会話のきっかけにもなっています。
──料理は未経験から始められたとのことですが、どのように技術を習得されたのでしょうか?
正社員になることが決まった時点では、料理は全くできませんでした。当時の店長に一から教わって、あとはひたすら練習の日々です。まかないを作らせてもらって包丁の練習をしたり、魚の飾り切りを練習したり…。アルバイトの時はホールの仕事がメインでしたが、調理の様子をずっと見ていたので、いざ自分がやるとなった時、流れを理解できていたのは大きかったと思います。
「怒らない」から生まれる信頼。風通しの良いチームの作り方
──現在はアルバイトスタッフに教える立場でもあると思いますが、指導する上で心がけていることはありますか?
アルバイトの経験があるからこそ、アルバイトスタッフの気持ちがよく分かります。指導する際は、ただ「これをやって」と指示するのではなく、「なぜこれをする必要があるのか」という理由までしっかり説明するようにしています。その方が本人も納得して取り組めますし、作業の意味も理解しやすいですからね。
──店内のスタッフ同士の関係性や、チームの雰囲気はいかがでしょうか?
働きやすい環境を作るために、業務外のことでも積極的に話すようにして、良好な関係性を築くことを大切にしています。僕が25歳で、アルバイトのスタッフはだいたい20歳前後。年齢が4~5歳しか変わらないので、彼らにとって困った時に相談しやすい存在でありたいと思っています。
──チームワークを保つ上で、特に意識していることはありますか?
僕は、基本的に「怒らない」ようにしています。もちろん、怒るのが苦手というのもあるんですが(笑)。長く働いてもらいたいですし、指導するのは店長や統括店長の役割だと思っています。僕は、正社員とアルバイトの間の潤滑油のような存在でいられたらと考えています。
新しい挑戦がやりがい。お客様の言葉が成長の糧になる
──お仕事で、一番のやりがいや楽しさを感じるのはどんな時ですか?
新しいことに挑戦している時が一番楽しいですね。季節ごとにメニューを変えたりもするので、その度に新しい食材に触れたり、新しい調理法を試したりできます。店舗には料理経験が長い先輩たちがいるので、その方たちに教えてもらいながら挑戦できるのは、とても刺激になります。例えば秋には、キノコや銀杏といった和の食材をふんだんに使ったメニューを考えています。
──食材へのこだわりも強そうですね。
はい。会社の母体がもともと卸売業で、ここのすぐそばに柳橋中央市場があります。魚屋さんとも長年の付き合いがあるので、仕入れの面では非常に恵まれていますね。だからこそ、刺身のような素材の良さが活きる料理に自信があります。目利きは魚屋さんに信頼してお任せしていますが、それも長い付き合いがあるからこそできることです。
──お客様からいただいた言葉で、心に残っているものはありますか?
料理を始めたばかりの頃、カウンターでお客様の目の前で包丁を使っていて「若いのにすごいね」と褒めていただいたことでしょうか。カウンター席は調理場がお客様から見えるので、下手なことはできません。見えないところで必死に練習して、いざ本番で披露するのはすごく緊張するんですが、そうやって褒めていただけると「見てくれているんだな」と実感できて、もっと頑張ろうというやる気に繋がります。
あと、「板バ酒バ魚」は日本酒に力を入れているのですが、私も日本酒が好きなので、料理との組み合わせを考えながらお酒を勧めたりすることもよくあります。ご満足いただけたときは嬉しいですね。
──島田さんは日本酒にもお詳しいんですね。
個人的に、お酒も飲みに行くのも好きですね。
今は、日本酒の発注も私に任せてもらっています。
カウンターに並んだ知らないお客様同士が、『美味しいですよね』『こっちも同じ日本酒ください』など会話が始まって、仲良くなっていただけたりすることもありますよ。
未来へ向けて。成長できる環境がここにある
──この会社で働く一番の魅力は何だと思いますか?
成長のスピードが速いことだと思います。店舗をどんどん展開しているので、店長などのポジションも増えていますし、キャリアアップしやすい環境です。例えば、料理が未経験だったとしてもすぐに魚に触らせてもらえるなど、実践的な経験を積めるのは大きいですね。普通ならなかなかできない経験だと思います。
──最後に、今後挑戦していきたいことと、求職者の方へのメッセージをお願いします。
料理に関しては、もちろんこれからも新しいことに挑戦し続けていきたいです。それに加えて、今後は原価管理やシフト作成といったマネジメントのスキルも本格的に学んでいきたいと考えています。パソコンの扱いやシステム的なところは、大学で学んだことが活かせていると感じます。
まだまだ完璧ではないので、上長に相談しながら一つずつ身に付けていきたいです。
求職者の方へ伝えたいのは、例えば経験や能力などで何か不安に思っていることがあるという方こそ、うちにぜひ飛び込んできてほしいということです。ここには教えてくれる先輩がたくさんいますし、実践を通して成長できる環境があります。もちろん、経験が豊富な方でしたら、すぐにポジションを得て活躍できるチャンスも豊富です。どなたでも安心して挑戦できる会社だと思います。
編集後記
インタビューを通して、島田さんの誠実な人柄と仕事に対するひたむきな姿勢が伝わってきました。「自分がやらなければ」という強い責任感が、どんなときでも彼を突き動かしてきたように思います。大学を卒業し、アルバイトから正社員となって、お客様や仲間とのコミュニケーションを楽しみ、今、新しい挑戦にやりがいを見出しています。彼の飾らない言葉からは、美味しい料理とお酒を出せば良いお店が作れるのではなく、お客様が食べて、飲んで、笑顔になって、会話を楽しめる心地いい空間を育てていくことこそ、良いお店につながるのだと学んだ気がしました。そしてそれは飲食業界で働くことの醍醐味そのもの。今後の更なるご活躍に期待していきたいです。





